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早いと10代から!30代から50代の女性、現役世代、子育て世代で変形がしやすい!外反母趾、病態から対処、予防するには?

ども、義肢装具士のゆうきちです。

春が日に日に近づき、お出かけするのが気持ちがよくなってきてます。
花粉症の人には、あれですが。。。

本日は、そんなお出かけを億劫にしてしまう「外反母趾」について
お話していこうと思います。

「外反母趾」、足の変形の中でも
偏平足と並び、有名な変形ではないでしょうか?
この外反母趾、男性と比べて、女性の方が約25~35%ほど多く
発症年齢は10代からと、幅広い年齢層の方に発症していますが
30~50代で悪化しやすい、と言われています。
この年代は仕事に、子育てに、プライベートに
とても忙しく充実した年代で、しかもまだまだ体も動く年代
そのため、なかなか自分の身体をケアしてやることが少なく
気が付くと、ものすごく変形が進行していた
ということも多くなっています。

外反母趾、足の親指が曲がってくる変形
ということは、見てすぐわかると思います。

この指が曲がる事、何がいけないのか?
それは、本来曲がってはいけない方向に曲がってしまう事
そして、同時に関節が回り、関節が脱臼してくることが、まずいのです。
そして何より、痛みが伴い、歩くことが困難になり
見た目も悪く、隣の第2趾などに影響を及ぼし
巻き爪やタコ、ウオノメなど、二次的な疾患を発症してしまう事も
この外反母趾の厄介なとこです。

このような変形が、起きてしまう原因として
よく言われているのが靴の影響です。
ヒールやパンプス、先の細い靴などの
特徴的な靴の影響が大きいと言われています。
これらの靴は先が細く、足の指を狭めてしまう構造が
足の親指を押してしまい、変形してしまうのです。
また、他の靴でも同じように
足の親指を押すようなことが起きてくることがあります。
それは靴のサイズがあっておらず、キツ過ぎたり
逆にゆる過ぎたりすることによっても引き起こされます。
キツ過ぎることは足の指を押しやすいのだと、分かりやすいと思いますが
なぜ、ゆる過ぎても外反母趾を誘発してしまうのでしょうか?
靴がゆる過ぎた場合、靴の中で足が滑りやすくなります。
靴は、先に行けば細くなる構造をしていることが、ほとんどで
靴の中で足が滑ることによって、靴の先の細くなっている部分に
足が滑りこむことによって、外反母趾を誘発してしまうのです。
更に、同じような理由から、靴の履き方も大きな誘発因子になります。
靴の履き方をゆるゆるに履いていた場合
サイズが大きな靴を履いていることと、同じようなもので
靴の中で足が滑ってしまい、靴の先の細い所に、、、
このようなことが起こるために
靴が外反母趾を誘発する、と言われる部分なのです。

この他に、足の構造的に、外反母趾を誘発する因子があります。
それは前足部、足の指の付け根の関節に関わる部分にある
横アーチが広がる事によって、靴に足の指が押されやすくなり
外反母趾を誘発してしまいます。
更に、内側縦アーチ、土踏まずの部分が潰れることによって
足の親指を、地面や靴の中底に押し付けてしまう力が加わり
更に、足の指を回す方向にも力が加わりやすく
親指が回って曲がって脱臼してくるのです。
この事がとても厄介になります。
それは、足の親指が曲がっているので
それを戻そうと、親指の先を引っ張る事をすることが、あると思うのですが
この時に曲がってしまっている部分の根元の関節
この関節面が親指が回っていることにより、本来の関節面とずれているため
無理やり戻すと、関節面に負担がかかってしまうのです。
そのため、あまり強く引っ張ることはお勧めできません。
ただし、曲がった状態で硬くなってしまっている場合
それを柔らかくする目的で、親指を引っ張る事をすることがありますので
もし、そういった指導をされた場合は
指導者からやり方をよく聞いて、その方法に従ってください。

外反母趾の対処方法として、手術や保存療法があります。
手術は、親指が付け根の関節で30度以上曲がってくると
適応になってきます。
骨を切って角度を変えたり、人工関節を入れたりするなど
様々な方法があり、詳しくは整形外科の先生に聞いてみて下さい。
この手術療法は、最終手段になるので
その前に保存療法を行うことが多くなります。
この保存療法には、関節の動きを出すような運動療法や
装具を用いた装具療法などがあります。
外反母趾は進行すると、変形した状態で
靭帯などの軟部組織が硬くなることによって
変形状態で固まってしまい
親指をいい位置に戻そうとしても、戻りにくくなってしまいます。
そのため、硬くなった靭帯などの軟部組織の柔軟性を
取り戻していく事が重要になります。
そのために、ストレッチや運動をしていく事が必要になります。
足の親指に関わる靭帯や筋肉は、親指のまわりにあるだけではなく
踵のあたりまで伸びたものや、ふくらはぎの中にあるものなど
大きな範囲に広がっています。
そのため、親指だけ動かすだけでなく
足部全体、足首、膝から下の部分を
大きく広く動かしていく事が重要です。
医師や理学療法士に、動かし方を指導してもらうことが一番なのですが
なかなか指導を受けにけない方は
自分で出来ることをしていく事も重要です。
この方法の一部として、膝から下のストレッチや足首回しがあります。
この足首回しは、手の指を足の指の間にいれ握り
足首を内と外に回すものです。
最初はうまく回せない場合もありますが
続けていく事で、少しずつ動きが出てきて回しやすくなっていきます。
ポイントとして、いきなりやり過ぎないことで
内回し、外回しを10回ずつくらいから、初めていってみて下さい。
これを行って、違和感や痛みが出てくる場合は
関節に異常がある場合がありますのでやめて下さい。
この動きから出た痛みが、やめた後も2時週間以上続く場合は
必ず整形外科を受診してください。

この他に、装具を用いた装具療法があります。
この装具療法は、足の親指の動きを出すことの
補助をしてくれるものになります。
この装具は、親指を引っ張るような装具になり
寝ているときなどに使うことが多くなります。
この時、しっかり引っ張ると軟部組織のストレッチが効いて
とても気持ちよく感じる場合があるのですが
上でも書いたように、関節面がずれているので
引っ張り過ぎると関節面に負担がかかってしまうため
親指を軽い力で引っ張た時に、抵抗を感じ部分でやめておいてください。
目安として、装具が外れない程度で、抵抗を少し感じる程度を
目指してみて下さい。
分からないことがあれば、必ず、医師、または、義肢装具士に
相談してください。必ずです。

このような、足の親指にはめる装具だけでなく、足の裏から支える足底装具
というモノもあります。
別の言い方では、インソール、中敷き、足底板、フットベッドなど
多くの呼び名があります。
基本的な考えは、足の裏から足のバランスを整えていくものです。
そのため足底装具は、装着し、立って歩いて動くことで
効果を発揮できるため、自分がどういった生活をしているかで
靴の中に入れるタイプにするのか、足にはめるタイプにするのか
はたまた、特殊なスリッパに入れるのか
様々な方法があり、選択、組み合わせを考えていく事になります。
この足底装具の役割として
足の骨のバランス、アライメントを整えていくのですが
外反母趾の場合、前足部の横アーチと内側縦アーチを上げることが
主な役割になります。
この2つのアーチの、位置関係やバランスは、人それぞれ違うので
オーダーメイドで製作することが重要になります。
既製品でも外反母趾用といったものがあるのですが
万人に合うように作られているため
どうしても効果が限定的になってしまいやすく
ドンピシャで合うのは
万人に一人だと、思っておく方がいいかもしれません。
また、オーダーメイドでも様々な方法があり
スポーツ用のオーダーメイドインソールで対応しようとする場合は
製作者が、整形外科学、解剖学、病理学などの
医療の知識がしっかりある方に製作をしてもらってください。
この医療に関する知識と、装具に関する知識を併せ持っているのが
義肢装具士で、整形外科を受診していただくと
健康保険で製作できる、オーダーメイドインソールである足底装具を
作ることができますので、気になる方は相談されるといいと思います。

最後に、外反母趾の予防法は?
ここまで読んでいただければ、少し見えてきているかもしれませんが
原因を取り除くがとても重要です。
そのため、
①靴のサイズ、履き方を整える
②足のストレッチをする
③足のアライメントを整えるために、インソールを使う
です。
この3つ、全てをすればベストですが
なかなかそこまでできないことが多いです。
そのため、まずは①靴サイズを合わせ、履き方を気を
付けていく事をしてください。
靴に関しての記事のリンクを貼っておきますので
気になる方は読んでみて下さい。

更に②足のストレッチが出来ればしていただき
③インソールの使用を目指してみて下さい。
インソールは靴を履けば効果の出るものなので
日常生活をほとんど変えることなく、健康に整えてくれます。
もし、靴の履き方や足のストレッチだけでは、不十分だと思われましたら
検討してみてもいいかもしれません。

いかがだったでしょうか?
外反母趾の事が、少し見えてきたようであれば、幸いです。
最後に、
自分の足を見て、足の親指に違和感があるなぁ、とか
なんだか痛いんだよねぇ、とか
日常生活に支障が出る場合、などがあれば
整形外科を受診していただければと思います。
また、整形外科に行ける暇がない方は、お気軽にご相談ください。
何かお手伝いできることがあると思います。

ここまで読んでいただき、ご縁を繋いでいただきありがとうございました。
これからも様々な、整形、リハビリ、靴、健康などの
記事を書いていきますので、またお越しください。
もし、よろしければ、”いいね”と”フォロー”してくれると
とても嬉しいです!

それでは本日はここまで!ではでは!


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