2024前半|J2の滝登りに挑戦する若手プレイヤーは龍となる|水戸ホーリーホックの解説
第4節 水戸 vs 徳島 の試合から水戸ホーリーホックの特徴をまとめました。
https://www.jleague.jp/match/j2/2024/031003/preview
水戸ホーリーホックの歴史と今の状況
1994年に「FC水戸」として誕生したクラブチームは、1997年に「プリマハムFC土浦」と合併して現在の「水戸ホーリーホック」となった。
クラブ名の「ホーリーホック」は、水戸藩徳川家の家紋である「葵の紋」を意味する言葉であり、クラブエンブレムにも三つ葉葵が使われている。
マスコットは、龍をモチーフとして「ホーリーくん」だ。特技は「ゆっくり歩くこと」で、体重はなんと310kgもある。カビゴン(460kg)ぐらい重い。
J2リーグに参入した2000年から一度も昇降格することなく、なんと四半世紀近い24年にわたってJ2に君臨し続けている。2008年から2010年には木山隆之監督も指揮をとっており、8位〜16位を記録した。
監督とは複数年契約を結ぶことが多く、昨年就任した濱崎芳己監督は2年目のシーズンとなる。昨年の成績は、11勝17敗14分でJ2の17位で終わった。
2024年は1勝3敗0分で17位に位置し、ここ3試合は1点差での連敗が続いてる状況だ。波に乗れていないと言ってもいいだろう。
新人選手の積極採用に力を入れているようで、前節の徳島戦では8人の新加入選手がスタメン入りし、そのうち3名が大卒1年目ながら名を連ねている。
また、試合ごとにスタメンを入れ替えており、ここ3試合でスタメン固定されたメンバーは5人しかいない。
主な退団選手(同カテゴリ以上)
GK 山口 瑠伊|J1 FC町田ゼルビア
DF 松田 佳大|J1 京都サンガF.C.
MF 鵜木 郁哉(レンタル)|J1 柏レイソル
MF 永長 鷹虎(レンタル)|J2 ザスパ群馬(レンタル)
MF 小原 基樹(レンタル)|J1 サンフレッチェ広島
MF 武田 英寿(レンタル)|J1 浦和レッズ
FW ブワニカ 啓太(レンタル)|J2 いわきFC
水戸ホーリーホックで経験を積んだ複数人の若い選手たちがJ1へと飛翔した。
主な入団選手(ベンチ入りメンバーのみ)
GK 松原 修平|J1 北海道コンサドーレ札幌
DF 飯泉 涼矢|J3 ガイナーレ鳥取
DF 牛澤 健|中央大学|19年日本クラブユース選手権(U-18)MVP
MF 落合 陸(レンタル)|J1 柏レイソル
MF 野瀬 龍世|J3 ギラヴァンツ北九州
MF 甲田 英將(レンタル)|J1 名古屋グランパス
MF 長尾 優斗|関西学院大
FW 久保 征一郎|法政大学
FW 山崎 希一|中央大
大卒ルーキーやJ1チームからのレンタル選手など、若手を中心とした育成力が評価されている。数ヶ月後には化ける選手に期待できるだろう。
水戸ホーリーホックの特徴
前線の選手によるやや単独なプレス
前線の選手たちは走り回って、相手ディフェンスにプレッシャーをかけるよう指示されているように思う。ただし、ボランチやサイドの選手と連携して奪う意図はあまりなく、やや単独なプレスになった印象だ。GKへのバックパスは狙ってくるだろう。
選手のポジションを固定しない
試合中に選手のポジションがころころと変わる傾向にある。トップ下の選手がサイドに移ったり、サイドの選手がボランチを務めたり、さまざまなポジションで選手の入れ替えが発生する。
ただし、ポジションによって役割が固定される傾向にあり、選手が入れ替わっても基本的には同じような戦術で戦っている印象だ。流動的なシステムでもないため、なぜ選手の立ち位置を変えるのか僕程度での観察眼では把握できなかった。
連携が強力なサイド攻撃
水戸の特徴なのか2023年もサイドの選手が魅力的だったが、2024年もスキルの高い新加入選手がサイドに揃っている。ゴールに向けてサイドから切り込んでくる形は狙ってくるだろう。ただし、スキルの高いメンバーが左サイドの選手に偏っているように見え、トップ下に移ったり様々なポジションを試しているようにも見えた。23甲田、8落合、24山﨑、7新井などの左サイドの選手には注目だ。
ファジアーノ岡山戦での注目ポイント
岡山右サイドの攻防
水戸で特に注意が必要なのは左サイドからの攻撃だ。岡山右サイドの88柳タカと4阿部、またサポートに入る24藤田も守備の安定性は高い。水戸が得意とする左サイドからのインサイドカットやワンツーパスには簡単にやらせないだろう。
岡山は何点とることができるか
若い選手が多いこともあり、フィジカル面では岡山が有利に見えた。1対1でのパワー対決な負けることはないだろう。局所での勝利から可能であれば複数得点を期待したい。
ただし、水戸のパスワークのうまさで相手を翻弄することもあるため、岡山ゴール前で好き勝手にさせてはいけないだろう。
岡山のスタメン選手は誰か
藤枝戦ではなんとか勝つことができたが、正直いうと岡山がうまくいっているようには見えなかった。3連戦の初日でスタミナを大幅に奪われたのも痛いところだ。勝った勢いで水戸戦を迎えられるのだが、固定メンバーの変更があるか注目したい。
お互いに武器をもつセットプレー
岡山の代名詞となりつつあるセットプレーからの得点には期待したい。空中戦ではおそらく岡山が有利だろう。ただし、水戸のセットプレーも侮れない。徳島戦でもゴールを決めているように岡山の選手を揺さぶってくるだろう。
ファジアーノ岡山の注目選手
岡山の選手全員
もう全員が注目選手である。誰がスタメンかも僕程度では予想できない。ベンチ入りした選手も含めて「全岡山の選手に、注目せよ」。(手抜きではないぞ、本当だぞ、本当に手抜きじゃないんだぞ)
水戸ホーリーホックの注目選手
MF 23 甲田 英將
名古屋グランパスからレンタルされている若干20歳のサイドハーフ。ドリブルでのインサイドカットやダイレクトシュートなど相手守備をおびやかす攻撃を見せてくる。
MF 7 新井 晴樹・24 山﨑 希一
どちらも左サイドが得意なプレイヤーに見える。23甲田が下がったあとでも水戸の左サイドを活性化してくるテクニカルな選手たちだ。トップ下や右サイドに入ることもある。
22 久保 征一郎
高校2年生ながらFC東京で2種登録され、当時のFC東京U-23でもプレーした大卒ルーキー。テクニック面では成長の余地があるが、徳島戦では裏抜けしたロングボールを胸トラップで納めておりシュートチャンスにつなげてしまった。若い選手の吸収力に注意しなければならない。
岡山は早い時間帯でペースをにぎりたい
3連戦の2試合目となる。横綱相撲を見せたかった藤枝戦では相手にペースを握られてしまい難しい試合となってしまった。
岡山にとって安定して試合を進めるのは、先制点と追加点をどれだけ早く上げられるかにある。
前半からチャンスシーンを作れているものの決定力に課題を残したままだ。
藤枝戦のように後半ATまでノーゴールで終わるのか、先制点をあげて自分たちのペースに早く持ち込めるのか、木山監督の采配に期待したい。
特に88柳タカや24藤田、17末吉は早めに休ませたいところだ。理想を言えば9グレイソンにもなるべく高い負荷はかけたくないだろう。
2023年前半の水戸ホーリーホックの解説はこちら。
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