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J2第4節 ファジアーノ岡山vsFC町田ゼルビア 試合レビュー

こんにちはファジ・リオです!
今回はJ2第4節 ファジアーノ岡山vsFC町田ゼルビアの試合レビューを書いたので、ぜひ読んでみてください!

【写真提供】
@TmchOff  さん

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⚫フォーメーション/スタメン

赤:岡山    青:町田

   アウェイのファジアーノは前節と変わらないメンバーで[4-3-3]。ベンチには先日チームに合流したオーストラリア出身のステファン ムークが初めて入った。
   一方の町田はチームを指揮して4年目のポポヴィッチ監督が用いる[4-4-1-1]。またここ5試合の岡山戦で4ゴールを挙げている平戸が先発、さらにはファジアーノのベンチにいる佐野航大の兄・佐野海舟も先発に名を連ねた。

   両チームともここまで負け無しで勝ち点も同じ。2位と3位の直接対決に注目が集まった。

⚫試合評

3月13日(日)  14:03 KO
at町田GIONスタジアム

ファジアーノ岡山 1-3 FC町田ゼルビア
20' 平河(町田)
49' 53' 太田(町田)
80' 川本

   前半、キックオフ。15分辺りまでは一進一退の攻防を見せながらも、どこか町田のペースのようにも感じた。そこまでのゲーム内容が悪くなかっただけに、1つのミスからの失点は痛すぎた。
   20分、自陣右サイドの河野が本山にパスを送ると、これを狙っていたドゥドゥがカット、これを平戸に預けると平戸は柳を股抜きでかわし、バイスの股を抜くパスを通されてやられた。

   その後、ファジアーノは2度ほど決定機を迎えるも町田のゴールキーパー福井がスーパーセーブを連発しゴールを割ることが出来なかった。

   40分、ゴールキーパーの梅田が怪我で交代となり今季初出場の主将、金山隼樹がピッチに立った。

今季初出場の主将・金山

   試合は0-1で折り返す。

   後半、ファジアーノはスタートから徳元に代えて佐野航大を投入した。これにより佐野がIH、河井がアンカー、本山が左SBとなった。

   47分、少し高くポジションをとった本山の裏を突かれ、その流れから町田にコーナーキックを献上してしまう。そのコーナキックから太田に決められてしまい、後半いきなりの追加点を許してしまった。
   反撃したいところだったが53分、またもや本山の裏を突かれてしまい失点。これでファジアーノは3点のビハインドとなり苦しくなった。

ダメ押しの3点目を決めた太田

   この状況を打開するためファジアーノは木村太哉とステファンムークを投入。ムークはこれがJデビューとなった。しかし、72分にムークが相手を押し倒したとして一発退場。これでファジアーノは10人での戦うこととなってしまった。

   それでも80分、途中出場の川本梨誉が意地の1点をもぎ取り反撃した。

   しかし試合終了、ファジアーノは今季初の複数失点での敗戦となった。順位を5位に落とし、次節はホームで首位の横浜FCと対戦する。

⚫ゴールシーン

   後半、川本が決めたゴールシーンを振り返ろうと思います。

   今回はYouTubeのハイライトにアップされているプレーを取り上げています。宜しければYouTubeのハイライトを参照してみてください!

パスと同時に動き出す

   上の図のように、パスを受けた川本はダイレクトで柳にパスを出します。それと同時に誰よりも早く動き出します。この動き出しが今回のゴールの最大のポイントでした。
   それでは次の図を見てください。

   川本は誰にもマークにつかれることなくシュートを打つことが出来ました。また、佐野航大がGKのブラインドとなったこともゴールに繋がったと川本本人がコメントしていました。ほとんどのパスがワンタッチでテンポ良くパスが繋がり、町田の選手は何も出来なかったという感じでした。
   しかしこのゴールは技術だけで決めたものではない。そう感じさせたのは試合後の川本のコメントでした。

【川本梨誉 試合後コメント】
   0-3で終わるのと、1-3で終わるのとでは違う。一人少ないあの時間帯で入っても、逆転しないといけないと思っていた。途中出場した選手で流れを変えられた分、もっとアピールをして競争を生んでいかないといけない。今日の試合をみても、開幕戦からデューク選手、チアゴ選手に頼りすぎていた部分があった。それだけでないサッカーを自分たちもやらないといけないし、相手も分析してくるので、自分が脅威になる選手になりたい。昨年も試合に出ていたのにゴールを決められず、自分の中の覚悟が足りていないと思っていた。今シーズン始まってから、監督にも「自分にベクトルを向け続けろ」と言われている。今日は勝てなかったが、それは自分のせいだと思って、次に向けて頑張りたい。

ファジアーノ岡山公式より

   「自分にベクトルを向け続けろ」

   川本自身、途中出場ながら今節の負けは自分のせいだと言い、責任を負う発言をしました。確かに彼が言うようにこれまではデュークやチアゴに頼っていた部分があったように感じます。
   それを彼は問題として、自分がもっと覚悟を持って挑んでいきたい。その思いが今節の1点に繋がったのではないかと思います。

途中出場で結果を残した川本梨誉


⚫失点シーン

   今節の失点シーンを取り上げない訳にはいきません。まずは1失点目を見ていきます。

   上の図を見てください。河野から本山へのパス、というところでドゥドゥがカットしたシーンです。
   次にドゥドゥの動き出しの速さが分かる画像を公式YouTubeより引用したので見てください。

ファジアーノ岡山公式YouTubeより引用

   タッチライン手前の河野がパスを出す瞬間を切り取ったものです。見てもらえば分かるようにドゥドゥは河野がパスを出すと同時に本山へプレスに行っています。これこそが町田の狙いでした。
   町田の狙いとは、本山へパスを通させないことです。ファジアーノのビルドアップには本山が欠かせないというのはこれまでの試合を見て何となく分かっていたと思います。
   このシーンに限らず、町田は本山にピッタリとマークについたり、パスコースを切ったりと徹底的に本山を機能させないようにしていました。
   このシーンで町田は、ファジアーノがビルドアップをする際は大抵本山を経由するということを頭に入れ、逆に本山以外の選手のパスコースを切ることで本山にパスを出させ、そこを狙う。恐らくそういった仕掛けをしていたんだと思います。

   2失点目ですが、これに関しては何も言うことはありません(笑)。ただただスーパーなゴールでした、スローで見てもあのスピードですから誰も触れなくて仕方ないといった感じです。
   しかし、そもそも2失点目に繋がったコーナーキックの与え方が良くなかったと思います。何故良くなかったのかはハイライトを見てみてください、丸投げになってしまってすみません。

   最後に3失点目です。これも本山の裏を突かれて失点してしまいました。

   上の図を見てください。自陣から持ち上がった奥山から平河へのスルーパスです。本山は平河のスピードに追いつけず、河野は太田に振り切られてしまいました。
   河野を責めるとかそういうことではないんですが、こういった場面では河野はスピードで負けちゃダメだったんです。守る側が後手になることは多々ありますが、それでも負けてはいけなかった。

   それと、これは怪我での離脱によるものなので仕方ない感はありますが、本山がどうも左SBでやりづらそうにしてるなと感じました。
   3失点目の時、平河と並走する形になりましたが、平河の方に体を向けて走るのではなく1度平河に背を向けて走っていました。本当に一瞬のことですが、背を向けると離されやすいんじゃないのかなと思ったりしました。その点も失点した要因かも知れません。

⚫田中雄大のナイスヘッド

   前半、田中雄大が惜しいヘディングシュートを放つシーンがありました。これはGKの福井に防がれてしまいましたが、こういうパターンでの得点が増えればゲームを楽にできると感じました。
   それでは少し見ていきます。

   上の図を見てください。このシーンの良かった点は田中雄大のポジショニングと動きです。
   ではなぜ良かったのか?それは、相手DFの背後から前に出たことで、DFの反応を遅らせることが出来たからです。
   図では少し分かりづらいかもしれませんが田中は深津の背後にポジショニングして深津の視界から一瞬消えるようにしています。そして一気に前に出る。深津からすれば見えないところから突然田中が現れるので反応が遅れます。
   すると、田中はストレスが少ない状態でヘディングシュートを打てる、コースを狙いやすくなる、ということになります。

   前節の栃木戦でも惜しいヘディングシュートを放った田中ですが、今節も同じようなパターンで魅せてくれました。次こそは仕留めて欲しいですね!

⚫雑感

   「何やってんだよ意味わからん」   
   「酷すぎる、見てられない」

  こういった感想を筆者は試合をライブで見ながら思ったわけですが、レビューを書くために試合を見直すと、試合内容はそこまで酷くないんですよね。

   ライブで見る時は筆者はレビューを書くモードじゃなく、こういう言葉が正しいのかは分かりませんがサポーターモードで試合を見てます。レフェリーに文句を言い、相手のラフプレーに文句を言い、点が決まれば叫び喜び、ハンドだ、PKだ、マイボールだろと。色んな感情を含みながら試合を見ます。
   そうするとさほど悪くない試合も、ちょっと押し込まれたら悪い、ボールを持たれたら悪い、トラップミスをしたから悪い。負の感情が湧き出てきて内容が悪い試合に見えてしまいます。

   だから何だと言われたらそうなんですが、筆者が言いたいのは、時間があったら試合を見返してみるのも良いと思いますということです。悪くない試合を悪いと決めつけてしまうと、その1週間はずっと何となく暗い気分で過ごさないといけなくなるかも知れません。
   でも試合を見返してみて「あれ、そんなに悪くないかも」と思えれば、次節への期待が膨らみます。ワクワクします。

   今節のような試合は特に、選手もそうですがサポーターも感情をコントロールすることが出来たら良いよなぁと思います。

   はい、ちょっと試合とは違う話をしてしまいましたが、少しだけ町田戦を振り返ります。
   ファジアーノは前節の栃木戦のようにはいかなかった。デュークにボールを当ててWGないしIHに展開、という形を使えなかった。町田の徹底したデューク潰しに、修正力を持って挑むことが出来なかった。
   そしてセカンドボールをことごとく拾われた。セカンドを拾われると後手になってしまう傾向があるので、その点でも厳しかった。
   本山や河井にボールが入っても、近くに選手がいなかった。距離感が遠すぎて浮き球のパスを選択することが多かった、もちろんデュークに当てたり、裏を突いたりしようとしますが、町田の組織的な守備には敵わなかった。
   それでもポジティブに捉えて良いのは川本のゴール、意地の1点。3点のビハインドでも誰も諦めなかった、苛立っても走るのを止めなかった。厳しい状況でも腐らず1点もぎ取ったことはプラス材料になる。

   選手は前を向いているに違いありません。次の横浜FC戦では今節の課題を修正して、自分たちのやりたいサッカーをホームで見せてくれると期待しています。

   レビューの着地点を見失いましたが、この辺で終わりたいと思います。
   最後まで読んでいただきありがとうございました!最後に、提供していただいた写真を掲載しています。ぜひ見ていってください!

Jリーグデビューとなった
ステファンムーク
元清水エスパルス対決となった
河井陽介とチョンテセ
流れを変えるべく奮起した
木村太哉
リラックスした様子で試合前練習を行う
ステファンムークと木村太哉
佐野兄弟対決が実現した

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