見出し画像

TBS × FACEデザイン交流会 「好きを軸にデザイナーとして働くことについて考える」

こんにちは、FACE運営の瀧山です。
私たちは"個人と企業がともに成長できる、これからのデザインファームへ"を掲げ、富士通デザインセンターに所属するデザイナー個人を発信するサイトFACEの運営を行っています。

企業に所属するデザイナー個人が成長するためには何が必要なのでしょうか?
今回はTBSデザインセンターの皆様と一緒に、デザイナー個人の「好き」を切り口にインハウスデザイナーならではの悩みやそれに対して何ができるかを考えるワークを実施しました。
どんな意図を持ってワークショップを設計したのか?何が得られたのか?
デザイナー同士の交流会を検討している方のご参考になれば幸いです。

ワークショップの様子

株式会社TBS デザインセンター
私たちは、デザインの力であらゆるコンテンツの価値拡大とコーポレートブランディングに取り組み、「TBSデザイン」の確立を目指しています。

TBS DESIGN CENTER

なぜFACEでデザイン交流会をやろうと思ったのか?

瀧山:「TBS×FACE デザイン交流会」企画担当の横田さんと三澤さんに、企画の背景やイベントの感想など、いろいろな質問をしていきます。まず、企画のきっかけを教えてください。
 
横田:2023年に、TBSさんからFACEを通じて「富士通デザインセンターの活動について興味があります」とお問い合わせをいただきました。そのあと、弊社デザインセンターから宇田センター長らがTBSさんの勉強会にお招きいただきました。
その際に「会社の方向性が変化していくため、自分たちはどんなキャリアを歩むのか想像できない」「会社の仕事だけやっていればいいのか、社外のデザイナーがどんなことをしているか不安になる」といったインハウスデザイン組織ならではの共通の課題が見えたため、継続的な交流を行いたいと思いました。そこで、お互いの課題にアプローチできるようなワークショップを企画しました。

ファシリテーションする三澤

瀧山:2人が「好きを軸にデザイナーとして働く」をテーマにしたワークを設計したポイントが知りたいです。
 
三澤:まず「『好き』って何だっけ?」「私たちは何に引っかかっているんだっけ?」「私たちはこれからどうするべきなんだろう?」の3部構成を作りました。
ワーク1では、好きなものの洗い出しと構造化の作業、ワーク2で課題を認識し、解決方法を模索。基本的に個人ワークですが、適度に共有の時間を設けて、ワーク3で、今やるべきことが明らかになるイメージを描きました

実施した3部構成のワーク

横田:FACEの目標は「個の『好き』を解放する」です。企画初期からここに繋がるようなワークにしようと考えていました。三澤さんとワークを考えるなかで最初に出てきたのは「デザイナーを志したとき、昔好きだったものやプライベートの好きなものに影響されている」という話でした。

三澤:参加者は、洗練された社会人です。仕事の場では自分の思考を制限しがちですが、「今」をつくっているのは、「昔」の自分であり、昔を掘り起こさなければ薄い言葉になる気がしました
 
瀧山:なるほど。現在視点だけで語ると、深層心理まで至りづらいかもしれません。ちなみに自分の好きを構造化するワーク1では具体的な指示がありませんでしたが、これも意図的でしたか?
 
三澤:はい、運営側がガイドラインを引かないように意識しました。内省的なワークだからこそ、自分で言葉を見つけて、自分で考えの枠組みを作ってもらいたいなと。

ワーク1「好きの構造化」 参加者のワークシート

瀧山:参加者のみなさんは、悩みつつも進めていましたね。自分の人生を昔から振り返り、時系列に並び替えて整理する方もいれば、感覚的に似ていると感じる好きなものを集めてグルーピングをする方もいたりとまとめ方にも個性が出ていて、すごく面白かったです。深掘りして、インサイトの部分で傾向を見るところが参加者に伝わり、いい構造化ができていました。ワーク2の流れについて、改めて教えてください。
 
横田:ワーク2では、「好きを解放する」=「自己実現」の話から誕生したオリジナルの「好きピラミッド」を活用しました。
 
三澤:「実現する」ピラミッドを立て、現在の実現の度合いを測り、実現するためにどうすればいいかを考えることでヒントが得られるといったワークです。

ワーク2「好きピラミッド」 参加者のワークシート

瀧山:「WHY」にも、会社の特色が出ていましたね。TBSさんは、富士通とは違うタイムスパンや時間の制約に起因するデザインの難しさ、富士通ではアウトプットが分かりづらい・デザインの対象規模が大きいといった難しさが挙げられていました。「HOW」にも、転職や社内の環境改革など、個人の考え方が色濃く出ていて、お互いを知る良いきっかけになりました。

TBS、富士通のデザイナーが互いに自分の好きについて共有する様子

横田:「HOW」には企業にどんなメリットが生まれるかという問いを設けました。水星さん(水星×FACE 対談レポート【前編】個性を活かすコンセプト&体験の設計|FACE (note.com))にインタビューした際、好きなことから派生した「やりたいこと」を叶えるためには、企業のメリットや利益を言語化し実行する重要性について伺ったことがヒントとなっています。異なる職種ではありますが、私たちインハウスデザイナーとしても、好きを解放する手段の1つとして企業側のメリットを考えてみることが必要だと思い、今回のワークに入れました。
 
瀧山:水星さんへの訪問の経験・知見が、今回のワークにつながっているわけですね。そしてワーク3で「実際にこれからどうするべきか」を考えていきましたが、適度に共有タイムを挟み、他の人の考え方や「好き」に触れる機会がありました。

ワーク3「私たちはこれからどうするべきなんだろう」 参加者のワークシート

三澤:ここまでのワークで個々の答えが出ていたと思います。内省を踏まえ、他の人の考えを聞けば、言語化のヒントが得られると期待していました。

瀧山:なるほど。自分1人の視点では出てこない最終的な解決策、出口が見えることを想定していたんですね。

三澤:そうです。素敵なまとめ、ありがとうございます。

自分の好きピラミッドをグループに共有

イベントの感想・懇親会の感想

瀧山:今回のイベントについて、感想を教えてください。

三澤:テーマに共感し課題感を共有したメンバーが集まったことで、うまくいった気がします。
 
瀧山:「好きを軸にデザイナーとして働く」のテーマや、三澤さんが話した問題意識は、特に参加者が頷きながら聞いていました。インハウスのデザイナーとして共感する部分ですね。横田さんはどうですか。
 
横田: TBSさんも富士通も、日々の業務に追われているため、こういった機会を設けて、考えてみること自体価値があったかなと。個人の「好き」を解放して、自分の仕事やキャリアに納得感を持ちながら働くことは、自分自身にも企業にとってもいいことなのかなと思います。

自分の好きについてグループみんなで語る

瀧山:そうですね。参加したことで、仕事の際に自分のなかの納得感を大事にしたいとの思いが生まれ、少し意識が変わった気がします。ちなみにワーク後の懇親会はどうでしたか?
 
三澤:お互いの課題や自分の思い、相手の好きなことを知った状態で懇親会に行ったため、スムーズに深い話ができました。「好き」を切り口にすると、話が盛り上がります。
 
瀧山:今回はTBSさんでしたが、別の業種のデザイナーの方、別の職種の方とディスカッションすれば、また違う「好き」に触れられそうですね。

ワーク1で自分の好きについて考える参加者

FACEメンバーと交流してみませんか?お相手募集中です!

瀧山:次回、やってみたいことを教えてください。
 
横田:富士通はクロスインダストリーを促進させ、社会課題解決につなげることを掲げていますが、デザインも同じです。私たちはSIやDX視点のデザインを得意としていますが、それだけでは解決に届かない問題もあります。
デザイナー同士が会社の枠を超えて交流することで、社会課題解決に一歩踏み出すことができると思います。大きなプロジェクトではなくても、何かあったときに一緒にアクションできる関係づくりをするだけでも価値があるのでは。
 
三澤:私も、会社の垣根を越えたつながりを持ち続けることが大事だと思います。自分たちデザイナーが持っている課題を、デザイン業界全体や日本の産業全体が抱える課題と捉え、他の人とコミュニケーションをとりに行きたいです。
2019年にFACEも登壇したDesignshipなどオープンな場にも、今回のワークや個の「好き」を切り口にしたワークなどを持参し、業界全体で取り組みたいです。

交流会を企画したFACE運営の横田(左)と三澤(右)

瀧山:今回は、より深く各社の違いを見られる機会でしたが、いろいろな業界の「好き」を切り口に一緒に課題に向かうのも面白そうですね。
 
三澤:面白いと思います。
 
瀧山:ぜひ来年度、企画していきましょう。
 
横田:インハウスに限らず、デザイナーが個の「好き」を解放してデザインに取り組む姿勢に共感してくださる方からのお問い合わせ、ぜひお待ちしています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?