木村タカヒロ

55年間のあれやこれや(絵や写真や動画や文章など)の保管と、たまに今のこと。 ヘビ年生…

木村タカヒロ

55年間のあれやこれや(絵や写真や動画や文章など)の保管と、たまに今のこと。 ヘビ年生まれのオジ(イ)サンです。

最近の記事

絵心があるから描けない

快画のワークショップをやっていると、「絵心がないから描けない」とう声をよくききます。 絵心とはなにか。 「絵を描く心得(技術)」または「絵を描くための柔軟な発想」などでしょうか。 「学校の授業で絵を教わったが、なかなか上達せず挫折した」 「親にへたくそ!と言われ自信喪失した」 なんて人は多いです。 この場合の「上達」「へたくそ」という判断は、「本物そっくりに描けているかどうか」が基準になっていたりします。 「わあ、本物そっくりー」「写真みたーい」という評価は、「絵

      • 個性の引き出し方

        教室では、受講生それぞれの個性を引き出すことを目的の一つに掲げていますが、じゃあ個性ってナンダ?について書きたいと思います。 個性というのは、引き出すタイプのものと、作り上げるタイプのものがあると思います。 たとえば、まだ誰もやったことのない、斬新で奇天烈でアッと驚くような作品を作りたい!という人がいたとして、その人の素地にそのようなハデハデの個性が眠っている場合は、それを「引き出す」ことになりますし、ハデハデ要素がない人の場合は、新たに派手な個性を「作り上げる」というこ

        絵心があるから描けない

          幽体離脱ごっこ

          僕は小学生の頃から金縛り体質であった。 金縛りは寝入り端にやってくることが多く、「あ、くるくる」とわかるのだが、体が動かなくなってパニックになる。 そして、寝室の扉をドンドン!と叩く音が聞こえてきたり、老婆が馬乗りになって首を絞めたり、凶悪犯がナイフを持って近づいてきたりと、恐ろしいことが起こる。しかも、それが超リアル。明らかに夢とは違う。怖いので逃げようとするが、身体がまったく動かない。 こんな体験を、大人になるまでしょっちゅうしていた。特に、運動をして身体が疲れてい

          幽体離脱ごっこ

          自分らしい絵とは

          せっかく絵を描くのだから、「自分らしい絵を描きたい」という想いは誰のなかにもあると思います。 絵に限らず、「自分らしく」というのはよく耳にしますね。「自分らしく振る舞いたい」とか「自分らしく生きたい」とか。 これらの意味するところはたぶん、「自分の特徴を発揮して」絵を描いたり、振る舞ったり、生きていきたい、ということなんだと思いますが、では、「自分の特徴」とはいったい何でしょうか。 まず、「背が高い」「顔が丸い」「鼻が高い」など外見的な特徴が挙げられますね。「長身をいか

          自分らしい絵とは

          生きるために絵は必要

          昨夜は色えんぴつで細かい模様を塗りつぶす作業をやってました。 老眼のため、左手に大きな虫眼鏡を持って紙に近づけたり離したりしながら、はみ出さないように、ちょこちょこ塗ってました。ところが、細心の注意を払っていても、はみ出す。集中して塗っていても、飽きる。手元は見えないわ、はみ出すわ、飽きるわで、ほとほと困り果てました。 大横綱・千代の富士は、「体力の限界。気力もなくなり、引退します」と言って引退しました。潔くてかっこいい。 本来なら、従事する対象(たとえば絵など)に体力

          生きるために絵は必要

          キングオブ必然

          コラージュ制作の際は、「だいたいこんなふうになるだろうな」とつくる前に仕上がりを想像するのですが、いざはじめてみると、ほとんど想像通りにはいきません。 なぜかというと、はじめの想像が、かなりぼんやりとしているだからです。顔ならば、かろうじて女性とわかるくらいのぼんやり。 素材を切ったら、それを紙にぽんぽん置いていくのですが、どの位置に置くかはすべて成り行きまかせです。僕は手を動かしながらそれを見守るのですが、偶然の成り行きのなかに一瞬「あ、ここしかない」という必然が生まれ

          キングオブ必然

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          顔破(1999)

          顔破(1999)

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          ワアワアとコソコソ

          僕は昔から人前でワアワアやるのが苦手で、どちらかというとコソコソしたい派であります。 ホームページ開設当初(1999年)は掲示板というものがあり、それを設置したほうがアクセスが増えるというのでやってみたのですが、掲示板での一対一のやりとりにどうしても慣れることができませんでした。 個人的な会話を人前でやるなんて、正気の沙汰じゃない、なんて笑。あ、この「笑」をくっつけるのもずっと抵抗がありましたが、ようやく慣れました笑。 こっぱずかしいなあ、ヤダなあ、などと逡巡していると

          ワアワアとコソコソ

          最後の晩餐

          最後の晩餐 最後の晩餐に男が招いたのは12人の美女たち。 男は、すべてを知っていた。 この中に裏切り者がいることも知っていた。 さあ今宵、最後の晩餐。 食いたまえ。祝いたまえ。 口いっぱいにモノを頬張り、 プリミティブな生への欲求を見せつけてくれ。 君たちの美しさと生命力は、 私に絶望を受け入れる力を与えてくれるだろう。 腹が満たされたら、私に注目してくれ。 そして憂いてほしい。泣いてほしい。 君たちの涙によって、 私の死への恐怖は取り除かれるであろう。 女た

          最後の晩餐