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「DX成功の鍵:競争領域に資源を集中」

この記事ではビジネスプロセスは非競争領域であり、時にお客様に避けられる理由は作っても、お客様に選ばれる理由を作り出さないので、自社の大切な社員の多くを従事させるようなことなどせず、徹底的にシンプル化するとともに、「データだけはしっかり取り出して管理・活用する」こと、そして「SaaSを使い倒していく」のがDX成功の鍵だということを書きました。

そして言うまでもなく、お客様に製品やサービスを通じて受け取ってもらい課題解決によって獲得してもらう価値そのもの(コンテンツ)が競争領域です。

つまり、非競争領域から、競争領域(コンテンツ作り、コンテンツ磨き)に人的資源をシフトして集中する。ということです。そして、非競争領域はお金で他社に任せて自動化してしまえばいい。ということです。

もちろん、それができれば、成功に向かったDXレディーであると言えるのですが、具体的には、もう一歩踏み込んで、論理空間のアーキテクチャーを考えていった方がいいでしょう。

サイロした経営資源の管理

昔から「人、モノ、金」、1980年代には、「人、モノ、金、情報(データ)」といわれました。人は人事部、モノは総務部(管財業務)、金は経理部という具合に、経営資源の管理部門、特に人事部と経理部は強い権力をもっていることが多いと思います。

では、情報(データ)はどうでしょう?

情報システム部?、ただのソフトウェアとハードウェアの管理と、利用部門の下請けでシステムの運転業務をやっているだけで、情報の管理なんてやっていません。

情報、つまりそれはデータですが、データを一元的にやっている企業ってあるのでしょうか?
1980年代から情報資源管理(IRM)というテーマでの活動に人を出していた企業もありましたから、粘り強く続けてなんらか実現している企業もあるかもしれませんが、極めて少数派でしょう。

データレイク、データウェアハウス、データマート、色々とツールもありますが、事業のバリューチェーン毎、機能毎、経営資源毎にサイロ化され、それぞれのシステムの支配下にあるデータをどうしようとしているんでしょうね!

バリューチェーンに関わるデータのサイロ化はよく話題に上りますが、経営資源データのサイロ化が話題に上らないのは、管理者目線、つまり、君臨と従属の縦社会の思考から抜け出せないからでしょう。

DX後のガバナンスの本質は、データに基づくマネジメントサービスにあります。つまり、いかにして自然にルールを守りながら気持ちよく働いてもらうか?にあるということを認識しておきたいものです。

サービス視点でプロセスを組み立て直す

マネジメントも同じです。上司と部下の関係は、管理する人と管理される人=君臨する人と従属する人=支配する人と支配される人=評価する人と評価される人ということでいいのでしょうか?

本来、タレント事務所のマネージャーとタレントの関係と同じではないでしょうか?

上司は、マネージャーとして、部下のタレントを見出し、伸びるための支援をし、そのタレントを活かすアサインメントをする。より活かせる部署への異動や、別のタレントが伸びそうな部署への異動を企画する。まさにマネジメントサービスが、経営者に付託された管理職のミッションではないでしょうか?

それができない管理職は、部下の将来をつぶすだけなので、実はとてつもなく大きな損失を会社に与えていることを経営者は知らないといけないでしょう。

また、経営資源管理視点でしか見られない各管理部門も同じです。コンプライアンス・リスクと称して従業員に強いている細かなルールや、そのルールに基づく様々な報告業務、日常の仕事を進める上で経営資源管理視点毎に存在する対応業務(勤務報告、経費精算、請求書の処理、領収書の発行等々各種の申請や承認など)は、本当に個別に必要なものなのでしょうか?これははお客様に選ばれる理由を作っているのでしょうか?そんなわけありません。自分たちの存在理由を作るためのルールを強いているだけのものばかりではないでしょうか?

競争領域に人的資源をシフトして集中するということは、徹底的に働きやすい職場、無駄なく合理的でリードタイムの短い、できればリアルタイムでの手続きで、時間を奪わず、精神的負担を強いることがないようにすることです。

そのうえで、公序良俗に反してしまう人には、しっかりとルールを整備したうえで、速やかにお引き取り願い、他の善良な従業員の日常を阻害する要因を取り除いていけばいいのです。

二つのSaaSを使いこなす

そう、使い倒したいSaaSには大きく二つあります。
一つは、よくある機能別のSaaS。
もう一つが機能別のSaaS横断サービスのSaaS。ただし、これはSaaSというよりはPaaSになってしまうかもしれませんね!

#DX
#デジタルトランスフォーメーション

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