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「DX成功の鍵:SaaSとDWH」

デジタルトランスフォーメーションは、端的に言うと「企業をソフトウェア化すること」で、全てはそこから始まるのですが、具体的には何をどうすればいいのでしょうか?

ビジネスプロセスは非競争領域

そろそろ日本企業でも気づいてきた人が多いと思いますが、営業活動・受注・出荷・製品在庫管理、発注・入庫・検収・原材料等在庫管理・生産管理・原価計算、債権債務管理・請求・回収・支払・現預金管理、会計・人事給与・勤怠など、様々ある企業内のビジネスプロセス自体は非競争領域、つまり避けられる理由にはなっても、顧客に選ばれる理由にはならないということ。
そして、競争領域、つまり顧客に選ばれる理由を作るのは、その非競争領域であるビジネスプロセスを経てどんな製品・サービスを生み出してどうやって顧客に届けて使ってもらい、顧客の課題を解決するのか?の一点に絞られるということを。

豊富なSaaSを有効に使い倒す

コンピュータシステムを持たない経営

当時、非競争領域という認識があったかどうかはわかりませんが、1960年代あたりから、ビジネスプロセスのデータの流通と蓄積を効率的に動かすためにコンピュータの活用を進め、発展してきた情報システムの分野は、ハードウェア・ネットワークの仮想化技術の発展によるクラウド化が進み、サービスの成熟によって情報システム分野の分業体制がほぼ確立しました。
つまり、PC等デバイス機器とネットワーク機器以外のコンピュータシステムを持たない経営が可能になったということです。(よほど特殊なビジネスプロセスでない限り)

情報システム分野の分業体制

  • サービスと機器の利用者(一般事業者)

  • SaaS事業者(PaaS,IaaSの利用者)

  • PaaS事業者(IaaSの利用者)、IaaS事業者

  • PC等デバイス機器事業者

  • ネットワーク機器事業者

  • ネットワークサービス事業者

  • サーバー機器製造事業者

管理・継承すべきものはデータのみ

システム化されたビジネスプロセスを通じて流れ、蓄積されるデータだけはしっかりと管理・継承すべきです。そしてその為には継続的に活用可能なノーマライズした構造で管理することが重要です。とりわけ必要なものが、構造化データに関する

  • データガバナンスポリシー

  • データルール(定義、ドメイン、桁数、管理委任先データ)

  • データルール適用イネーブラーサービス

となり、蓄積される場所がDWH(データウェアハウス)ということになります。そして、そのDWHは、IaaSもしくはPaaS上に構築でき、その活用によって業務の全体最適化や経営の高度化が可能になります。

SaaSは使い倒し使い捨てる

同時に、せっかくSaaS事業者間で機能&コストで競争をしてくれているので、より良いSaaSがあれば適時スイッチしていくことで、ビジネスプロセスの陳腐化を避け、事業が顧客に提供する価値を毀損することなく競争力の維持向上に貢献することができます。

IT部門の役割

IT部門の役割は大きく変わることになります。現物管理はほとんどなくなり、インフラの管理もクラウド化(ソフトウェア化)することになります。そして、経営スタッフとしての役割が大きくなっていくでしょう。

  • 情報技術やIT業界のトレンドウォッチ

  • 自社で利用しているクラウド等サービスの競争力ウォッチ

  • アーキテクチャーの常時最適化ロードマップの継続的アップデート

  • 利用クラウドサービス(SaaS、PaaS、IaaS)の管理

  • データガバナンス、DWHの管理

  • ネットワーク機器・PC等デバイス機器の管理

  • ネットワークサービス(物理&仮想×WAN&LAN)の管理

  • ITセキュリティの管理

#DX
#デジタルトランスフォーメーション

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