「雪駄で本来の鉛直姿勢を取り戻す」
何故家庭や学校で教えないのか?
身体を鉛直にして立ち歩く(走る)重要性をより多くの人に知ってもらいたいと思い、より健康に生きる視点、ギックリ腰や腰痛の真の原因を取り除く視点、美しく立つ歩く視点から、noteに言語化してきました。
しかし、よく考えてみれば、こんな基本的で大事な事、学校や家庭で教えてくれてもいいのに何故教えないのでしょう?
何故私は17年間ギックリ腰を患ってまで間違った姿勢を作ってゴルフをしていなければならなかったんでしょう?
何故私は映画のダニエルクレイグの鉛直姿勢を見ないと気づけなかったんでしょう?
そして、そもそも間違いに気がついた事をSNSに投稿したり、それをnoteに言語化して残して公開し、他の人にも伝えたいって思うようになってしまっているのでしょう?
歩き方教室とかでお金払って教わるような特別なものなのでしょうか?
特別なわけがないです。
江戸の人は腕を振らず1日40km歩いた。
江戸の人は腕を振らずに小股で1日40kmという長距離を歩いたというのは、身体を捻らなかったということで、まさに正面を向いた骨盤を腹斜筋で左右に回転させて股関節を交互に上下させて歩いたということです。そして、鉛直姿勢だったという事です。
では、江戸の人は子供達に歩き方を教えたのか?
もし教えていたら、ある割合の家族に受け継がれていてもおかしくありませんが、受け継がれている話しは聞いたことありません。
教えていなかったと思います。
では何故、教えなくてもできたのでしょう?
もしかしたら、やはり着物を着て、踵が少しあまるように草履を履いていたからではないだろうか?という仮説が浮かび、草履(雪駄)を履いて立って歩いて走ってみることにしました。
草履(雪駄)を履いて試す
とは言え、ちゃんとしたサイズの草履(雪駄)など持っていません。そこで、藤巻百貨店で売っている雪駄が前から少し気になっていた事もあって即購入しました。
草履を履いて立ってみる
ペタペタとビーチサンダルを履いた事はあっても、草履を踵を少し余らせて履く(江戸履き)など初めてです。
実際に履いて立ってみると、自然に鉛直に立てます。敢えてつま先寄りに重心をかけて前傾気味にしてみましたが、前のめりになっているようで、違和感がありました。脱いで裸足になると前傾気味にしても違和感は感じません。
これは草履(雪駄)を履く時の
「少し踵が余って、ソールの外に出ている事」
によってつま先寄りに重心を置くより、踵寄りに重心を置いた方が自然に立てるようになっていると考えられます。
草履を履いて歩いてみる
実際に連続2kmほど身体の動きや重心に注意しながら、母指球重心でも歩いてみましたが、後ろ足で蹴るような(つま先を曲げる)動作は、鼻緒部分からソールが踵から大きく離れてしまうからか、前傾気味に母指球を使って歩くのには適さない履き物のように思います。
自然にしていると、鉛直姿勢で腹筋大臀筋内腿を連動させて歩く、踵をしっかり使い、しかも小股で歩くように出来ているように感じます。もちろん腕も振られません。
着物を着ていなくとも、自然に小股になります。また、鼻緒を引っ掛けているだけだからかも知れませんが、大股では歩きづらいです。
草履を履いて走ってみる
実際に2kmほど走ってみましたが、歩くと同様に小股で走るような感じになります。
短距離走のように走るのは難しいですが、歩く時より少しだけ歩幅を大きくする程度で、数字的には私の通常のシューズでのランニング時の歩幅である90cmと同じ90cmで、ピッチが1割程遅くなった結果になっています。
試験結果
仮説通り、草履(雪駄)は、踝から頭頂部にかけて鉛直に立つと言うことにおいて、自然にその姿勢を取らせ、また、その姿勢のまま歩かせる、教師のような役割を担っているかのようです。
しかし、すでに鉛直姿勢を獲得している自分の試験結果では充分とは言えないので、特に身についていない他の方々の積極的な検証をお願いしたいと思います。
まとめ
何故家庭や学校で立ち方歩き方が指導されないのか?
鉛直姿勢での立ち方や体を捻らず腕を振らない歩き方は、草履(雪駄)を履く事で自然と身につくため、指導する必要はなかったからと結論づける事ができそうです。
何故前傾気味に立ち、歩く人が多いのか?
インターネットでも日本人の歩き方の変化についてやナンバ歩きなど、色々な事が言われていますが、鉛直姿勢が崩れてしまっていることや、腕を振る歩き方の前に、日本人の骨格に合った腕を振らない歩き方を習得しないといけないことなどに言及したものはなかったので、いくつかのパズルのピースを組み合わせて以下見解を組み立ててみました。
明治になって踵のある靴を履くようになったことで、足裏全体で体重を支えるようになってしまったこと。
ドイツ式の盛んに腕を振って大股で歩く行進訓練が施され、学校教育にも導入されたこと。(確かに自分も体育で行進訓練を受けた)
戦後、爪先側で蹴る動作が多い西洋系スポーツが盛んになり西洋人のお尻が突き出でた姿勢を真似て突き出してしまうケースが今もまだ残っていること。(私のゴルフや、アメフトやっていた先輩など)
骨盤が正面を向いた日本人は体を捻らずに股関節を上下させることで腕が振られない歩き方が骨格的に正しいと言うことが理解されていないこと。
加齢や出産等による反り腰(前傾/後傾)が腰痛の原因になっていることは分かっていても、鉛直姿勢が取れていない事が、反り腰を助長するだけでなく、腰椎から頚椎までの様々な問題の原因になると言うことが理解されていないこと。
西洋人や外国人はちゃんと鉛直に立てているのか?
私に鉛直姿勢を気づかせてくれたダニエルクレイグ、そのダニエルクレイグの鉛直姿勢に気づくきっかけとなったTVでのブルックスブラザーズのレディースラインのデザイナーであるザックポーゼンによる歩き方指導の様子など、西洋人は出来ているはずと言いたいところですが、やはり彼らは特別な人です。街ですれ違う外国人達を観察していますが、日本人と同じです。全体的にやや前傾し、足を開き、膝を外に出して歩いているような人の割合が大きいです。
しかし、先輩が出張で行ったガーナの若い女性たちの様子は違っていました。頭に荷物を乗せて運ぶ彼女たちは、真っ直ぐ鉛直に立ち、優雅に綺麗に足を前に出して歩いていました。
江戸の人は、草履や草鞋を履き、女性は特に頭も重かったでしょうし、何かを持って歩いている人が多かったといいます。荷物を肩に担いでいる人、風呂敷に何かを包んで抱えている人、重たい刀を腰に2本挿している人、ガーナの女性たちと同じだったかも知れません。
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