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求められることに全力で応え、アウトプットの責任を持つ。デザイナーとしてのキャリアとこれからの展望

こんにちは。Fabrica.広報です。

Fabrica.(ファブリカ)は、ブランディング、広告制作、エンターテイメントコンテンツ制作、サービス・システム開発など、幅広いプロジェクトに参画しています。会社設立以来、そのさまざまなプロジェクトに、アートディレクター/デザイナーとして携わってきたのが大渕寿徳さんです。

大渕さんは現在、デザインチームを率いる立場として、若手メンバーの育成にも注力しています。

メンバーインタビュー第2弾の今回は、デザイナーとして20年近い経験を重ねてきた大渕さんに、これまでのキャリアのこと、そして仕事をするうえで大切にしているスタンスについて聞きました。


大渕 寿徳(Toshinori Obuchi) Art Director / Designer
2006年に愛知県のデザイン事務所に入社、その後東京の広告プロダクションで11年グラフィックデザイナーとして大小様々な広告プロモーションを経験、2019年に転職しデジタル領域のデザインも学ぶ。2021年にFabrica.のアートディレクター・デザイナーとして現在に至る。


グラフィックデザイナーの辛さも、喜びも経験してきた

長年デザイナーとして仕事をしている大渕さんですが、そもそもなぜこの業界を志したのですか?

20年ほど前、私が学生だった頃にちょうどWebデザインやプログラミングなどの市場が拡大しはじめました。学校では3Dのゲーム制作やプログラミングなどデジタル領域も学んでいたのですが、Webデザインの授業を通して、デザインの重要性を強く感じるようになったんです。

どんなに使われている技術や機能が新しく優れたものであっても、デザインのクオリティが伴っていないと大勢の人に届けられないというか。その体験が元となり、デザイナーを目指すことにしました。

2006年にデザイン事務所に入社してから、ずっとデザイン一筋ですよね。当時のクリエイティブ業界は、今と比べると働く環境もかなり厳しかったのではないかと思います。それでも、ここまで続けてこられた理由は何でしょうか?

ひたすら目の前の仕事に取り組んでいたらここに着いた、みたいな感覚なんですよね。確かに、シビアな環境での仕事もいろいろと経験してきました。でもその分、仕事から得られる喜びも大きかったんです。

私たちが関わる広告プロモーション領域の仕事は、盛大な打ち上げ花火のようなものだと思っています。準備期間はとても長く辛いこともたくさんありますが、自分の仕事が全国の新聞に掲載されたり、SNSで話題になったり、メディアに取り上げられたりするのを目にすると、アドレナリンが出てそれまでのしんどさを吹き飛ばしてくれます。

それに加えて私の場合は、一緒に仕事をするクライアントやチームメンバーにも恵まれてきました。自分と仕事に対するスタンスが近い人と出会うことができたのは幸運だったと思います。Fabrica.代表の岡田敦子さんも、その一人でした。


デジタル領域への挑戦、そしてチームを率いる立場へ

20年近いキャリアを経て2021年にFabrica.のアートディレクター/デザイナーとなり、どんなことに挑戦したいと考えていましたか?

それなりに実績と経験を積んで30代半ばになり、いくつかの仕事では広告賞をいただくこともできました。そのまま管理職になる道もありましたが、これからは後進の育成に関わりながら、できれば自分も新しいことに挑戦していきたかったんです。

岡田さんがもともとテック領域に強い人だったので、Fabrica.ではデジタルデザインの仕事にもチャレンジしたいと思っていました。

会社設立から2年が経った現在、どのような体制で仕事をしていますか?

デザインチームは、社員メンバーとパートナーメンバー全部で8名です。広告プロモーションのグラフィックデザインがメインのメンバーと、Webをはじめとしたデジタルデザインを得意としているメンバーで構成されています。

最近では、デジタル・グラフィックの垣根を越えて、社内のプロデュースチームやエンジニア、外部パートナーとチームを組んで横断的にプロジェクトに取り組む機会が少しずつ増えています。

大渕さんの目から見て、Fabrica.のデザインチームはどんなチームですか?

みんな意欲があり、仕事に対してストイックですね。多方面にさまざまなアンテナを張り、インプットを欠かさない。それを「仕事のため」と無理やりがんばるのではなく、ごく自然に、日常のこととして認識しているような気がします。常にアウトプットを求められるデザインの仕事では、とても重要なことです。

フリーランスとして活躍しながら、Fabrica.にも所属しているパートナーメンバーがいることもFabrica.の特徴です。デザイナーチームは定期的に「デザイン共有会」を実施していますが、そこで若手メンバーはパートナーメンバーから知識を吸収することができますし、パートナーメンバーにとっては若手と接することで感覚を常にアップデートできていると感じますね。

また、少数精鋭のチームなので、全員が近い熱量を持ち、スピード感を持って仕事ができています。周りの仕事が常に目に入るため、誰かがいい仕事をすると他のメンバーが悔しがったりして、お互いに切磋琢磨しながら仕事ができる環境だと思います。



大切なのは、最終的なアウトプットに責任をもつこと

若手を育成する立場として、大渕さんが大切にしていることを教えてください。

月並みすぎることではありますが、社会人としてのマナーはとにかく徹底するように繰り返し伝えています。私自身、最初に勤めた会社で上司から叩き込まれたことです。

デザイナーはルーズに見られがちだと感じることがあります。だからこそ、約束の時間に遅刻しない、連絡はすぐ返す、スケジュールを守るなど、当たり前のことを当たり前に実行することを意識しています。デザインスキルがどんなに伸びても、20代も後半になればそんなことを注意してくれる人は誰もいなくなりますから。

仕事をしていくうえで欠かせないことですよね。デザイン面に関してはどうですか?

デザイナーとして、最終的なアウトプットのクオリティを担保することです。

どんなに修正が入ったとしても、自分が当初思い描いていたデザインが途中で変わってしまっても、世の人たちが目にするのは最終的なアウトプットだけなんですよね。そのアウトプットをもって「Fabrica.の仕事」だと判断されてしまう。

作りたいものを作るのではなく、求められることに応えていくのが、私たちの仕事です。たとえデザイナー個人としては意に沿わない修正であったとしても、クライアント側にもいろいろな事情や視点の違う意図があるものです。デザイナーはそれを汲んだうえで、的確なアウトプットで応えていく必要があると思っています。



「デザインのプロ」として、関わる領域をさらに広げていく

一緒に働くメンバーが、特に「成長したな」と感じたことはありますか?

Fabrica.設立初期の頃からHondaさんのブランディングを担当させてもらっているのですが、ちょうど「F1ラストラン」の広告制作に取り組んでいる時期、うちの子どもが1歳になって月の半分は風邪をひいている……という状態になってしまったことがあって。

私が打ち合わせや撮影に突然参加できなくなることが頻繁に起きたのですが、もう一人の若手メンバーが全部カバーしてくれたんですよね。この規模の案件になると、デザイナー1人で仕事を回していくのは非常に大変です。それにも関わらず、私の代わりに撮影現場に行ったり、関係者の方と細やかな業務調整を一つひとつこなしてくれたりと、とても助けられたことを覚えています。

プロジェクトそのものも非常に刺激的でしたし、同時に後輩の成長を実感することができたので、特に印象に残っている仕事の一つです。

HONDA新聞広告「F1 ラストラン」


これから、Fabrica.のデザインチームをどんな風に成長させていきたいですか?

私自身、少しずつデジタル領域のプロジェクトが増えてきており、その比率をさらに上げていきたいと考えています。

デジタル/テック領域の仕事は、インターネット、SNSなどを通して拡散されるため閲覧される機会も多く、非常にスピード感があります。ただ媒体の特性や使用するソフトなどが異なるだけで、デジタルだろうと紙媒体だろうと、根本的な部分はグラフィックデザインの仕事と変わらないと思います。これからも両方の領域を行き来しながら、柔軟に対応していきたいですね。

ただし、グラフィックデザインとデジタルデザイン、ただ両方に風呂敷を広げるだけで中途半端な状態にならないよう、どの領域のプロジェクトにおいてもプロフェッショナルとしてのデザインを提供できるチーム、会社でありたいと思っています。

そのうえで、チームメンバーがデザイナーとして自立し、今後のキャリアを柔軟に選択できる環境を整えていきたいですね。


Fabrica.では、どんなアイデアも実現可能にしていく仲間を募集しています。

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