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#12 賃貸マンションの施工現場@土木作業員からコンサルタントになった話 土地活用編④)

こんにちは、noteをお開きいただきありがとうございます。
建設業界の素晴らしいを伝え、少しでも建設業の発展に寄与となればと願いを込めて、私の経験談をnoteにしております、四十肩の痛みが増している鈴木です。

タイトルもちょっと変え、心機一転noteを書き進めます。

M所長の振り返り

さて話は、賃貸マンションの施工現場時代です。M所長がなかなかの遅刻魔であることは、これまでのnoteからお分かりいただけたと思います。

M所長は基本的には、仕事はできます。
関東の現場で腕を慣らし、地元に帰ってきて少しだけ会社を舐めている節があります。

基本的は仕事はできます笑。
恐らく、賃貸マンションの特性上、企画商品であることから、同じ建物の繰り返しによって刺激がなかったのだと、現在は解釈しております。

墨出し

私の掃除以外の仕事では、墨出しがあります。
墨出しとは、型枠業者さんや軽天屋さん(壁や天井の下地やボード)が現場に記された位置によって作業を進めることが出来る、大きな設計図の様なものです。

出典 マイナビバイト

墨出しの作業は、S先輩と私の2人体制で行います。
当然M所長はサクサクと1人でできます。

墨出しに必要な道具として、墨つぼ、コンベックス、赤鉛筆などを用います。
墨出しの線を引く際、コンベックスの0の位置から計測するのではなく、100mmを0として墨をつけます。

私はタジマのコンベックスが好きでした。


これはコンベックスの先から測ると、0の位置の金属に遊び(余裕)があるため敢えて100mmを起点にすると教わりました。

つまり図面で2700mmの位置に墨をつけたい場合には現場では2800mmの位置になります。

間違い防止のため掛け声は「100切り」です。
Sさんと私の掛け声は
私「はい!100切りです。」
Sさん「はいきた!」
きちんとした現場であれば「2800」などとアンサーをするのではないかと思います。
そこは素人二人組、軽快に墨出しを進めているつもりになっています。なぜならM所長が怖いからです笑

悲劇そして伝説

現場の工程に追われると、焦りから100mm切っていることを忘れます。

その原因の一つがM所長から激しい檄です。
「おう!いつまでかかるんだ!」
「おめーら、トロいんだよ!」
基本的には、次席のSさんに向けるのですが、段々居た堪れなくなります。これにより、正常な精神状態ではなく、とにかく終わらせることが最優先の素人二人組は、確認作業を疎かになります。

墨出し作業が順調なとある日、そんな日は労いなのか分かりませんが、勤務時間内にM所長から釣りに誘われます。

勤務時間にです笑
何故かご機嫌なM所長とともに、山奥の渓流釣りへ向かいます。
私仕事をサボっている罪悪感と釣りに興味がないこともあり憂鬱な時間となります。

当時は、携帯基地局が現在の様に充実していない時代であり、山奥に行くと電波は届かず圏外となります。
数時間、釣りを満喫中、現場には誰も管理者はいません。

そんな時に限って、トラブルは起きるものです。

山から帰還の途中、電波が通じるエリアまで降りると、Sさん、私の携帯に夥しい着信に気づきます。

内心「あー何かあったな、、、」
電話の発信者は電気屋さんで、Sさんが折り返すと
電気屋さん「大工さんがキッチン入らないって騒いでるよー。どこにいるの?。多分墨間違ってるよー」陽気な電気屋さんの声がM所長のローダウンしたSUV内に響きます

その後の車内は所長の怒号と2人の沈黙の繰り返しです笑
「サボりに誘うなよ、、、」と内心に秘めつつ車は現場へ。

現場に戻り、墨を確認します。
やはり100mm間違って墨を付けてました。その後はM所長が大工さん、電気屋さんに謝り、段取り替えをしました。その後もお叱りを受けたことは言うまでもありません。

因みにSさん、以前の現場で1000mm間違え、駆体をやり直したという噂があり、その会社では伝説になってます。
その後「100事件」と名付けられました。

まとめ

現在は、いわゆる「2024年問題」を目前に控え、デジタルトランスフォーメーション(DX)による業務や作業の効率化が活発化している建設業。
柱や仕上げ、設備の位置や寸法など、施工に必要な情報を建設現場に原寸大で描き出す「墨出し」を巡り、技術開発が盛んの様です。
これまでロボットによる自動化が主流だったが、レーザー照射やプロジェクションマッピングで現場に図面を投影するアプローチも出てきているようで、省人化や効率化が進んでおります。
将来、私の様なヒューマンエラーは少なくなっていくと思うと、建設業界の変化の流れの速さに驚いております。

最後まで読んで頂きありがとうございます!
決して、サボって楽しかったよというnoteではなく反面教師になればと思ってます。

次回は写真管理についてnoteします。


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