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地方中小建設会社のための展示会出展

皆様、ご覧頂きありがとうございます!
中小地方建設会社のコンサルタントの鈴木戒です。今回は「土木作業員から建設会社のコンサルタントになった話」の現在進行形系の話題です。
現職の建設会社が10月に展示会出展しました。本noteでは、地方中小建設会社こそが全国規模の展示会へ出展すべき理由をご紹介します。


過去の展示会出展

わたくし、これまで地方の中小建設会社6社に転職し、内3社でBtoB展示会に出展しました。
食品機械工業展「FOOMA」、食品工場改修展「FOOD FACTORY」などの食品に関わる展示会や、働く人の環境を提案を目的とした「グリーンファクトリー展」「ものづくり展」に出展しました。いずれも工場建設に関わる分野での出展です。展示会来場者は3万人から10万人規模であり、全国各地より経営者や工場責任者などが来場します。

そんな全国規模の展示会に、「地方の中小建設会社が出展」と聞くと皆さんはどう思われるでしょう?
「違う商圏からのお客様の対応は?」
「費用対効果は合うの?」
「追客はどうするの?」
不安は尽きないのでないでしょうか?
そんな不安を省みず、展示会に出展する理由は大きく3つ
①商圏拡大(テストマーケティング)
②商談客獲得
③若手社員の成長

①商圏拡大(テストマーケティング)

地場で不動産事業などの兼業で、安定的な経営基盤のある建設会社であれば、商圏拡大を目的とする展示会出展は不要です。

しかし、その様な建設会社は一握りです。
私が過去に在籍の建設会社は岩手県にあり、年々建築設備投資の縮小している地域でした。さらに当時、リーマンショックがあり、プロジェクトのファイナンス調達が上手くいかず、受注が出来ない、キャッシュフローが悪化してました。
「数ヶ月後には倒産か、、、」
そんな状況下で、東日本大震災が発災します。復興工事により経営状況は上向きましたが、根本的問題である地域の設備投資額は減少し続けることは火を見るよりも明らかでした。このままエリア限定での営業展開では、会社の成長どころか会社が持たないと感じた私は思い切って展示会に出展を会社に提案し、平成28年に初めて食品機械工業展に出展しました。

その当時haccp制度化前で、多くの食品加工事業者の関心ごとであったことや、東日本大震災の復興工事で、水産会社の施工実績が増えたことから、食品工場建設を検討の企業向けの、ブースやカタログを整備し出展しました。
それまでは、食品工場建設の重要が把握出来ず、社内でも広告費の投資は半信半疑でしたが、テストマーケティングとしての展示会出展は的中し、4日で300社以上の名刺獲得と60社以上の設備投資情報が獲得できました。
思わぬ反響から全国展開へと舵を切る形となりました。展示会で、直接顧客ニーズを把握出来、企業戦略の材料となりました。
エリア拡大の需要、ニーズの把握のテストマーケティングでしたが、結果的に「食品工場」での全国展開すべきとの判断となり、その後大きく事業を伸ばすきっかけとなりました。

②商談客獲得

言わずもがなですが、展示会出展により、商談客が獲得できます。
商材が「工場」や「倉庫」であるので、プロジェクト期間が長く、直ぐに設計や建築に取り掛かる案件は殆どありません。

直ぐの案件が獲得出来ないって展示会出展の意味があるの?と思われるかもしれません。
しかし、建設業界は、2024年問題の働き方改革や職人不足など、工事がしにくい状況です。故に、伝手のない地域に、直ぐに進出するのは難しいのです。
反対に、建設プロジェクトが数年後であれば、準備期間が設けられ、取組に体制が構築しやすいのです。

数年後の「将来の顧客」獲得は、数年後の売上を確保することと同じ意味であり、中期事業計画の想定しやすく、実現可能性を高めます。

 また、展示会来場者は、機械導入などの検討段階での目的での来場が多く、工場建設プロジェクトが本格化する前の企業も多いことが特徴です。
建設会社にとって工場建設プロジェクトの序盤での参画は、コミュニケーションの機会が多くなり、特命での受注になりやすいのです。

「将来の高確度な顧客獲得」と「将来の高確度な顧客が工場建築する地域」への市場拡大戦略が取りやすいということになります。

地方中小建設会社が市場拡大するには展示会はもってこいというわけです。


③若手社員の成長の場

三つ目は、若手社員の成長の場になります。展示会には、会社の意思決定権者である経営者やセクションの責任者が来場されます。
立ち話での短時間で、会社やサービスの紹介をし、場合によってはその場で、アポイントを取得します。若手にとっては、決定権者に短時間で要点を纏めたプレゼンやニーズのヒアリングを数多く、体験出来る貴重な機会となります。

新入社員が「このキャッチトークでは、反応が悪いので、こう変えて良いでしょうか?」などの相談を先輩社員に確認し、PDCAを回し始めます。
更には、展示会初日は戸惑いながらチラシを配って、先輩社員にヘルプを求めていた新入社員が、日を追うごとにヘルプの回数が減り、自分でトークを完結し、成果目標を立て始めます。

10月の展示会でも、入社半年の新入社員がみるみるうちに、成長していく姿を確認することが出来ました。前職でも、若手社員の成長の場になっており、基本的には若手社員のみでブース運営をしております。

効率化が叫ばれる時代でありますが、展示会の不特定多数に対してのプレゼン経験の場を増やす、所謂回数は若手の成長を加速化されると感じております。

これら理由から前職、前々職でも展示会出展は現在でも続いており、起案した私の名前を取って「鈴木メソッド」などと呼ばれております。
地方中小建設会社が新規市場獲得戦略を講じる際には有益な戦術であることと、若手社員の成長には展示会出展が効果的であることのご紹介でした。

10月の現職の展示会でも、当初集客目標を大きく上回る結果となり、成功裏に収めることができました。
本noteは展示会の戦略的な出展でしたが、成功の要因はマーケティングミックスがあります。こちらは別な機会にnoteに致します。

最後までご覧いただきありがとうございます。

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