第8回 土木作業員から建設会社のコンサルタントになった話 〜土木作業員編③〜

皆様、ご覧頂きありがとうございます!
また、お久しぶりです。
本業が忙しくなかなか更新できずにおりました。改めまして建設会社のコンサルタントをしている鈴木戒です。建設業界を志す学生さんや転職希望の方にお贈りする「土木作業員から建設コンサルタントになった話」第8話です。

皆さんがテトラポットで想像することはなんでしょう?
私はaikoの「ボーイフレンド」です。最早20年前でしょうか?
学生時代の懐かしい思い出ですが、まさか自分がテトラポットを作るとは。道路作りの次はテトラポット作りの現場に配属となります。

テトラポットは別名消波ブロックと言います。簡単に説明すると、海や川など水の力によって地形の変化を防ぐための目的で設置されます。

製作方法は
①鉄製の型枠を外連
(外連=ケレン:塗料やコンクリートの汚れを取り除く作業)
②型枠に油を塗布(コンクリート打設後の型枠を外しやすくします)
③型枠をクレーンで吊り、組立のためボルトを締めます。
④型枠にコンクリートを流し込みます
⑤養生
⑥型枠をバラし、テトラポットを取り出します
⑦テトラポットに番号をスプレーし写真管理
⑧①に戻る
この作業を夏場約1ヶ月間を延々と行います。

テトラポット

時期は夏場。岸壁で作業している私の遥か向こうの砂浜では、海水浴やサーフィンに興じるリア充が見えます。
「あー大学時代に戻りたいな、、、」
なんて思いながら、テトラポット作りは終わりテトラポット作りの後は、岸壁のコンクリート打設に配属です。巨大な鉄製の型枠を海に沈め、打設するための、型枠の配筋作業は高所での作業になります。
高所恐怖症のわたくし、全く役に立たず。別な作業現場に回されます。

実はこの当時に大きな地震があり、三陸地方に震災をもたらします。災害復旧工事で魚市場の床補修、保育園の壁解体などハツリ作業と廃材運搬の肉体労働は、身体を鍛えるのが大好きな私にとって非常に楽しい作業でした。因みにブレーカーを持ちすぎてしばらくの間、手先の感覚が鈍く、冷たくなってました。一年程で治りましたが、振動障害だった様です。

ハツリ

その後は、高速道路の路盤作りや河川の護岸工場。高速道路では現場責任者がレベルを1000mm誤り、1ヶ月積み重ねたブロック積みを取崩し、再度1から詰む作業を経験。ベテランの現場責任者が青くなる姿を見て、「うわぁ、責任者って大変だな」などと他人事に思ってました。
原因は、コンベックスやテープを0を起点に測るのではなく、100mmの位置を起点にすることが現場でありよくあり、100切り」など声掛けはするものの、ヒューマンエラーが起きるのです。20年以上前の話ですので、現場のデジタル化によりヒューマンエラーは少なくなっているものと思います。

護岸工事は山奥であり、現場事務所のポットの水が朝には凍る、激寒の現場などを経験し、辛いものの日々の満足感は高く、毎日充実はしていました。

そんな肉体的な充実を裏腹に「楽しいけど、このまま年齢を重ねて土木作業員はどうだろう」とよぎり始めていました。正社員ではなく日給月給の雇用で不安定。
なんとなく将来への不安を感じ始め、就職活動を再開します。

時代はバブル崩壊後、依然として就職先氷河期。
ハローワークの建設会社の求人は少なく、アルバイト作業が殆どです。ダメ元で地域自治体で開催の企業面接会に参加し、運命的な出会いをします。地元建設会社で賃貸マンションの現場管理職のブースがあり、その面接官が父親の同級生だったのです。
話はトントンと進み、内定を頂きます。
勤めている土木会社に、内定のご報告し退職となりました。勤務期間は8ヶ月程度でしたが、土木を身を持って体感出来ました。
〜土木作業員編おわり〜

これまでが土木作業員時代の話でした。次回からはローコストマンションを展開する建設会社の現場管理や営業のお話に移ります。

最後までご覧いただきありがとうございます😊

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