【紹介】素人がアナログシンセサイザーキットを組み立てる
はじめに
12月中旬、ポケットオペレーター170を買った。確かテレビでアナログシンセサイザーの特集を見ていた時に欲しくなった。
ちょうど、正規輸入代理店がブラックフライデーをしていた。6万円程度のものが、3万3千円に割引されていた。
買うしかない。
それでも、3万円は大金には違いないので、組み立てついての記事を書く。それで元を取ったつもりになる。
また、ポケットオペレーター170に関する日本語の情報が少ないため、これから、買う人へ参考にになるかもしれない。
ちなみに筆者は音楽をあまり聞かないし、楽器の演奏経験は小学校のピアニカで止まっている。電子工作は仕事でやるが、素人に毛が生えたくらいだ。
そんな人間が書いた記事であることを留意してほしい。
ポケットオペレーター170ってなに?
筆者もよくわかっていません。
なので、公式サイトの記述を引用する。
まだ、分からない。
端的に言うと、ケーブルの配線やつまみのボリュームをいじくると音が変わるおもちゃだ。
演奏した動画を掲載するので、それで雰囲気を掴んでほしい。
こんな感じだ。
ここからは少し専門的な記述をするので、組み立てるの項目まで読み飛ばしても何も問題はない。そして、素人が雰囲気で書いているので、間違えも多く含む。
アナログシンセサイザーはその名のとおり、電気回路を用いて音を出力する。
回路の接続や電気回路の抵抗値、キャパシタ、インダクタンスを可変して、出力する音(波形)の周期や形を変化させる。
データとして録音した音を流すデジタル方式のシンセサイザーとは別物だ。
基本波形は矩形波で、そこにコントロール用の矩形波や三角波形を乗せることができる。もちろん、ピッチやPWMを変えることもできる。
ただまだ、フィルターやエンベロープについてよく分かっていない。筆者より詳しい方がいたら、ご教授してもらいたい。
組み立てる
届いたポケットオペレーター170は組み立てが必要だった。
筐体の板金と各ユニット、ねじなど細かいパーツに分かれているので紛失に注意だ。
特にねじは、形状が六角形の星型で失くすと、組み立てが完了しない可能性がある。小皿か何かに入れて保管したほうが安心だ。
また、海外の製品あるあるだが、ねじが少なかったり、多かったりする。袋から出したら、手順書と比較して数を確認したほうがいい。
筆者の個体はねじが6個余った。加えて、つまみの色が正規品の色と数が合わなかった。
このいい加減さは筆者は好きだ。
手順
ポケットオペレーター170はいくらかのユニットとキーボード、スピーカー、筐体と大きく部品を分けることができる。
組み立てに必要なものは基本的にない。
星穴の六角ねじには専用の六角レンチがキットに付属している。
ただ、細かい部品があるので、ラジオペンチやピンセットは用意しておいた方がいい。
動力の単3電池8個別途購入が必要だ。
加えて、ケーブルをまとめるためにインシュロックがあるといい。
取説に部品一覧があるが、前述のとおり、ねじやゴムなどの数が合わない。
組み立てたが、取説の記載された部品数が正しい。それ以上あれば良しとする。
加えて、筐体は打ちっぱなしで、塗装のみの状態で梱包されている。
組み立て中に作業者が折り曲げ加工をする必要がある。ここが一番の難所だ。
取扱説明書は基本的に文章はなく図示により、組み立て手順が書いている。
分かりやすいが、一通り見て少しの不安を感じた。しかし取扱説明書が正しいと信じて、組み立てていく。
ユニットの取り付け
5個あるユニットを筐体に取り付けていく。
基本的にはユニット付属の六角支柱を使って筐体にねじ止めしていく。
さて、筆者は仕事で、電気回路の基板に少しだけ関わっている。
基板のパターン(部品と部品を接続する銅線)を見ると直線的なパターンはなく、すべて曲線で繋げている。
これはきっと音質に関わっているのだろう。知りませんが。
はんだ付けも丁寧だった。ただ部品をよく見ると、プラスチック部分が溶けている箇所があった。
おそらく、はんだ付けの際、熱したはんだこてをプラスチック部品に当ててしまったのだろう。
筆者もたまにやるので、作業者の気持ちがよく分かる。
スピーカーユニットは前部についた返しがついたゴムの突起を筐体の穴に押し入れます。
最後に電源分岐ユニットを取り付ける。
このユニットは六角支柱を使って筐体から浮かすような取り付けはしない。
筐体側に絶縁シートが張り付いているので、問題ないらしい。
本当か? と筆者は疑っている。基盤の裏面にははんだ付けした部分があり筐体とその部分が押し付けられるような形になる。
しかも、電源分岐ユニットであるため、ショートしたら、そこそこ問題だ。
加えて、パワーランプのLEDのリード線が基板から浮き、むき出しになっている。多分5Vラインなので2つの線が接触したら、ショートする(多分壊れる)。
音質へのこだわりとそれ以外の部分の雑さが光るいい商品だ。
作業がひと段落ついたので、夕食を食べ休憩した。
閑話休題。
正月の3日目に作業したので、余ったすき焼き用の肉を使ってハヤシライスを作った。ルーを使わないトマトジュースとワインがあれば大体できる楽なレシピ。
素材が良いと味が大きく変わる普段の5倍は美味しくなる。そりゃプロは素材にこだわるわけだ。
続きを書く。
各ユニットの電源コネクタを分岐ユニットに接続する。
この電源ユニットのケーブルを綺麗にするために、インシュロックを用意したほうがいい。
さて、次は筐体の曲げ加工だ。
取扱説明書に曲げ角度が分かるように1/1縮尺の曲げ加工後の図が記載されている。
図には部品がついていない。
やっぱり曲げ加工後に部品をつけるのが正解なんじゃないですか?
板金自体は柔らかいので、手で曲げることができる。
ただ、真っすぐ垂直に曲げるには机の角などを利用したほうがいい。
上面の方が曲げ加工が困難だ。
部品をつけ終わったあとに垂直以外の角度を要求してくるので、先に曲げたほうがいいかもしてない。
ただ、ユニットが取りつくかの責任は筆者は取らない。
件の分岐ユニットのリード線だが、曲げると見事にスピーカーの基盤のはんだ部分に当たる。
接触すると多分壊れるので、もし組み立てる方がいたら、きちんと確認して、はんだ部分にリード線が当たらないように、曲げたほうがいい。
つづいて、底面のユニットを取り付ける。
ねじ止めではなく、ゴムバンドでつける。絶対劣化してゴムバンドがちぎれる未来が見える。
あと、別途で単三電池8個を購入する必要がある。
キーボードユニットを取りつける。
基板はゴムブッシュで取りつけ、キーボード本体は両面テープで筐体上部につける。
キーボード本体から出るフラットケーブルは筐体上面に空いたスリットに差しこみ、基板の小さなコネクタに挿入する。
かなり、繊細さがいる作業に加えて、筐体をねじ止めした時にフラットケーブルを挟む可能性がある。マジで注意してください。
最後に底面と上面の板金をねじ止めして完成だ!
と簡単に書いたが、ここが一番難しい。曲げ加工の精度の問題で全然ねじの穴位置が合わない。
細かな調整は必須だ。
加えて重要な注意点を書く。
筐体側のめねじはタップを切っていないただの穴だ。
いい加減に合わせた穴位置でねじを締めようとすると、ねじが入っていかないか、筐体の穴が大きくなり、ねじが回りつづける可能性がある。
対策としては先にメス側の板金とネジだけを使ってタップを立ててから組み立てるとスムーズにねじが閉まる。
また、板金が柔らかい素材のため、強く締めすぎるとすぐにダメになる。
あとは公式サイトの写真を見ながら、つまみを取り付ければ完成だ。
ただ、写真とキットのつまみの数が合っていなかったので、筆者は写真通りには、ならなかった。くやしい。
まとめ
組み立てだけでかなり文章を書いてしまった。
筆者は機械の組み立ての経験があるので、難なく組み立てられたが、未経験の方がやると、かなり苦労する作りだと感じた。
特に曲げ加工と最後のねじ止めは失敗する方が多いと思うので注意していほしい。
操作方法や実際の演奏手順に関しては、また続きをその内書きます。
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