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0236:やくみん覚え書き/文化人類学のこと

 「やくみん! お役所民族誌」は、標題に民族誌=エスノグラフィを謳うように、主人公に文化人類学の学生を据えている。

 私は文化人類学を専攻していたわけではない。学部時代に接点のある学問領域を専攻していたので多少横目で眺めていた。当時、それまで民族学と呼ばれていた学問領域が文化人類学と呼ばれるようになる、その変わり目の時期だったと思う(厳密には両者はイコールでないけれど)。それでもまだ非専攻生にとっては「民族学」の呼称が優勢で、「民俗学」と音が同じで紛らわしかった。前者はエスノロジー、後者はフォークロアと英語で呼び分けていた。その十数年後の社会人入学修士時代、当時の専攻(法学)とは無関係ながら文化人類学のゼミに潜り込み、若い学生と一緒に一年間学んだ。その際の印象として、文化人類学は知性を総動員して人間社会を理解しようというアプローチ、と感じた。

 なので私は文化人類学について素人だ。それでも「やくみん!」のベースに据えたのは、私が27年間経験してきた公務員社会をエンターテインメント小説として描く上で、「内部の弁護的視点」でも「外部の半可通な視点」でもない、理解と批判のバランスを取りたいと考えたからだ。ただ、それこそ文化人類学の「外部」にいる私は、半可通を可能な限り避けられるよう、学び直しを迫られていることになる。

 現在並行して何冊か関係書籍を読んでいる。今後WoWatch書評編で取り上げたい。

 本日のヘッダ画像は、宝塚北サービスエリアで購入したネコ系おみやげ。

■本日摂取したオタク成分
『WORKING!!』第1話、存在は知っていたが今回のAT-X一挙放送でようやく観る機会に恵まれた。ひたすらヌルいとかもと多少身構えていたが、キャラが立ってて悪くない。まあちまちま観ていこう。『蜘蛛ですが、なにか?』第18話、蜘蛛子さんが人間社会にどんどん関わって行く過程。いやおもろいわあ。開始前は(ふーん、またラノベ原作のアニメ化か、まあ切る候補かな)と思ってたけど、とんでもない。『ましろのおと』第3話、これもここまでテンション落ちない。主人公を筆頭に、みんな真っ直ぐなんだよな。音楽系コミックのアニメ化は音楽の表現という大きなハードルがあるわけで、のだめなんかはそこを見事にクリアしたわけだけど(特にドラマの方)、本作もいいわ。今回の「つまらない音」がどうつまらないのか、私の耳では分からなかった。耳を持つ者にとっては一聴明確なのかもしれないね。

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