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ディック・ブルーナ テーブルでブルーナさんへの思いを馳せる

ミュージアム部のささめです。厳しい暑さが続きますが、今年は季節の移り変わりをいまひとつ感じられずにいます。いかがお過ごしですか? 
今日は7月に神戸にオープンした「ディック・ブルーナ テーブル」のご紹介をさせていただきたいと思います。

みなさんは、ディック・ブルーナさんをご存知ですか?

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◆ディック・ブルーナ(1927~2017)
1927年、オランダ・ユトレヒト生まれ。絵本作家・グラフィックデザイナーとして世界的に活躍し、2017年2月にその生涯をとじるまでに、120作を超える絵本を創作しました。あたたかみのある手描きの線、鮮やかな色使い、観る者の想像力に訴えるシンプルで大胆な構成の作品で、世界中の子どもから大人まで幅広く愛されています。

日本では1964年、ブルーナさんの絵本『ちいさなうさこちゃん』(ディック・ブルーナ文・絵/石井 桃子訳 福音館書店)が紹介されて以来、「うさこちゃん」や「ミッフィー」の生みの親として多くの人たちから知られる存在となられました。そんなブルーナさんは、絵本作家でもあると同時に、優れたデザイナーとして多くの作品を残され、世界中のクリエイターたちから今もなお、リスペクトされている存在です。

「ディック・ブルーナ テーブル」のコンセプト

「ディック・ブルーナ テーブル」はブルーナさんのイラストに囲まれて、お食事やお酒を楽しんでいただくことをコンセプトにしています。フェリシモはこの店舗の企画・運営をしています。子どものころにブルーナさんの作品にふれ、大人になってからもブルーナさんを愛する人たちへ、イラストに囲まれながら、クリエイティブな語らいのできる場を提供したいという思いでこのお店をスタートさせました。本格的なワインバルとそれに合うお食事を楽しんでいただけるフロアがあるなど、大人の方を対象としたお店です。


それではお店をご紹介していきましょう。

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お店は大丸神戸店の北東角あたりにあります。このような外観のお店です。


1階:テイクアウトカウンター
お店の入り口、1階にはテイクアウトのカウンターがあります。メニューのひとつ、黒いコロッケはオランダ風まんまるなコロッケ。黒い色はトリュフから来る色です。ブルーナさんのイラスト「ブラック・ベア」のイメージです。

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2階:カフェ&ショップ
階段を昇って2階は、ブルーナさんのアトリエをイメージしたショップとカフェ。白を基調としたあたたかみのある空間で絵本の世界が満喫できます。

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それぞれのテーブルに、絵本やポストカードが展示してあり、絵本の登場人物の姿に笑顔がこぼれます。ショップエリアでは店内で使われているオリジナルの食器をはじめとしたグッズも販売しています。

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3階:ユトレヒトのブラウンカフェをイメージした本格ワインバル

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オランダ ユトレヒトのバルをイメージしたフロアです。こちらのフロアには、ブルーナさんが装丁を手掛けられた小説のペーパーバックを展示しています。

ブルーナさんは、デザイナーとして活躍された約20年の間に2,000冊近い本のカバーのデザインをされたそうです。そのデザインは何十年経過した今もなお新鮮で、ずっと眺めていても飽きることはありません。お食事をしながら終始視線がくぎ付けになってしまいました。また、窓に面してテラス風のソファ席では、外を眺めながらリラックスできます。

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4階:イベントスペース
イベントスペースは、ギャラリーやワークショップなど多目的に利用していただく予定です。

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ところで、こちらのお店の中には秘密のVIPルームがあります。なぜ秘密か、というと……。外からはどこから入るか分からないようになっているからです。VIPルームは4名~6名さまでコース料理をご注文であれば、ご予約が可能です。機会がありましたらぜひ、予約されてみてはいかがでしょうか。

おいしくて夢のあるお料理

こちらのレストラン、リラックスした雰囲気でおいしいワインや、ワインに合うお料理が楽しめるところが魅力です。しかも、お料理は全てがなんとも愛らしい姿で、運ばれるたびにテーブルからは歓声が上がり、写真に残したくなってしまいます。それでいて、全てがおいしいのです。レストランのシェフが、フェリシモの思いをひとつひとつ形にしてくださったお料理はどれもがこだわりのあるものばかり。メニューから少しご紹介しましょう。

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写真:上から
ミッフィーの畑のバーニャカウダ(¥1,680)
特製トマトジェラートと弓削牧場のフレッシュチーズのカプレーゼ ¥880
ハーブ&野菜たっぷり「DBT特製花束サラダ」(¥1,280)

他にも牧草牛の赤身肉を使ったステーキをはじめ、お肉や魚介を使った料理もお料理の仕方に一工夫凝らされており楽しめます。

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ブルーナさんの作品にふれて

オープン以来、このお店を訪れた方々のお顔を拝見していると、みなさん足を一歩踏み入れられた途端、ぱっとお顔が明るくなります。イラストに見入っておられる方、一緒に来られた方と絵本についてお話がはずむ方など、どなたもとてもしあわせで、嬉しそうにされています。

店内にかかっているブルーナさんのイラストを近くで見てみると、線が震えたような感じになっていました。

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ブルーナさんは1本の線を描かれる際、熟考に熟考を重ね、ゆっくりと時間をかけて、筆で点を重ねるようにして描いておられたそうです。シンプルでありながら、1本の線のなんと表情の豊かなことか。
「今日よりももっといいものを。もっともっとシンプルに」という思いで制作をしておられたということを思い出しました。

子どものころ、お友だちのようにそばにいてくれて、毎日毎日眺めつづけたブルーナさんの絵本―大人になって改めて感じたのは、ブルーナさんは私たちに、深い思いと愛を込めて作品を贈り続けてくださっていたということでした。その場にたたずんで、イラストをしばらく眺めていると、ブルーナさんと向い合っているような、そんな気持ちになりました。

世界的に活躍されたブルーナさんと日本との親交は厚かったとのこと。
幼いころ、ブルーナさんの作品にふれられたことはなんてしあわせなことだったのだろう、そして、こんなあたたかな気持ちにさせてくれる作品を贈りつづけてくださったブルーナさんに「ありがとうございます」という思いで一杯になりました。


Dick Bruna TABLE
〒650-0021 
神戸市中央区三宮町3丁目1-1
078-333-3332
※コース料理・パーティー料理のご予約はお電話でのみ承ります。
平 日 11:00 - 15:00(LO 14:00) 17:00 - 23:00(LO 22:00)
土曜日 11:00 - 23:00(LO 22:00)
日・祝 11:00 - 21:00(LO 20:00)
https://dickbrunatable.com/


最後に

ところで、この夏、松屋銀座に続いて神戸にて「ミッフィー展」が開催され大盛況のもと終了しました。今後は2021年の春に大阪、東京、福井、福岡でも開催される予定とのこと。これまでの会場ではあまりにも人気で、なかなか予約が取れなかった方もいらっしゃったかもしれません。来年も引き続き、各地で開催されるとのことでとても嬉しいですね。

展覧会では、ミッフィー初期4作品のひとつ『ゆきのひのうさこちゃん』(1963年)や『うさこちゃん おばけになる』(2001年)、『うさこちゃんは じょおうさま』(2007)を含む4作品の原画や資料が初来日しています。ぜひ、多くの方々にブルーナさんの作品やその思いにふれていただきたく思います。

Illustrations Dick Bruna © copyright Mercis bv,1953-2020  www.miffy.com
© Dick Bruna



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