拝啓 クソ死にそうな人へ
深夜1時。眠剤や精神安定剤を飲んで軽い躁状態になっているので、手紙を書いてみようと思う。
手紙は丁度一年前の今頃の私に出すことにする。
こんばんは。お元気ですか。
一年前の日記を読む限り、君は今、希死念慮の嵐の真っただ中にいるね。
君は今、ずっと目標にしていたプログラミングの仕事をしていて、頑張っている。でも統合失調症の症状だと思うけど、論理的に考えることで頭の中がいつもパニックになり、大好きだった勉強も憂鬱になっている。
週に3日、一日6時間働くだけなのに、それ以外眠っている時間以外常に仕事のことを考えてしまって、焦燥感と自己嫌悪に追い詰められているね。これだけの事もできないのか、こんな好きな事もできないのか、と息をするたびに考えているね。
一人暮らしをする事に限界を感じながらも、「人と生活するなんて耐えられない」と強迫観念に近い潔癖を表して、37000円の1Kのアパートにしがみついている。そのアパートからすぐ近くにある、世界で一番大好きな道で泣きながら走りまわり、発狂している。
「ここより好きな場所なんてできっこない」と決めつけている。
実家の生活感で気が触れるくらいなら、ここで死にそうになりながら働いていた方がマシだって思っている。
君は頑張って一日一日、一秒一秒生きながらえていくけど、何度か自殺の一歩手前までくる。
毎日、「生きる」と「死ぬ」のルーレットを回しているような生活をするよ。
そしてある日突然「仕事を辞める」と決心がつく。
その決定は本当に正しかった。
君はその日、無職子供部屋人間になりながらでも生きるという選択をしたんだ。
君はすぐに上司に伝え、1か月後には引っ越しも終えることになる。
君は最初、好きな道も、友達もいないって嘆くけど、大丈夫だよ。
安くて美味しいパン屋さんを見つけ、朝に私の健康の為に散歩してくれるたくさんの友達と出会うことになる。
そして素晴らしい精神科の先生と出会う事ができる。
その先生の方針に従って、薬を何度も変え、朝日を浴び、運動をし、風を浴びる。
希死念慮や悲哀感には今でも苦しめられるし、考える力は相変わらずひ弱だけど、それでもずっとずっと暮らしやすくなる。
その先生を信じて、出来るだけのことをするといい。
今は実家に帰って9か月程になる。
実家の生活感にもだいぶなれて、毎日それなりに笑顔で過ごせているよ。
スパイスカレーが少し上手に作れるようになったり、好きな小説をのんびり読んだりすることができるようになる。
少し気になる男の子が出来て、毎日筋トレしながらお母さんと恋バナする日が来る。
いつから働けるんだろう、働いたらまた死にかけるんじゃないかって心配はするけど、ハッピーでポップな無職の自分をそれなりに気に入ることが出来る。
月並みな言葉でこの手紙をしめようと思う。
仕事辞めて、無職になっても大丈夫。
生きてさえいれば、きっとまた「生きてて良かった」と思える。
その日まで、どうか生きて。
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