日記 悪くて良い

・数日前、心療内科に診察に行ってきた。
母が私に対してどの程度干渉や手助けをするべきなのか、今私の病状はどのあたりにいるのかなど、聞きたい事がいくつかあるとのことなので、「攻めの井上」先生に時間を取ってもらうことにした。
 
私も母も、去年に比べ体調は回復していて、今も鬱の波にいるわけではあるが、それでもなお快調に向かっていると考えていた。
それで母は、自己紹介と一緒に先生に「先生のおかげでだいぶ良くなりました」と言った。
すると先生は「はい?」と不明瞭な顔つきになってその言葉を流した。
というのも、その後の質問で知ったのだが、私の体調は決して回復期に入っているわけではなく、むしろ「病気の進行を遅らせている治療をしている」と言われた。(それが治療にもなっているとも付け加えられたが、あくまで「進行を遅らせている」らしい)
私も母も、最初は「はあ?」という感じだったが、時間が経つうちに「なるほどな」と安堵を含んだ納得になった。
回復期のはずなのに、回復期のはずなのに、と焦りがあったことに気が付いた。
なるほどな、別に良くなっていなかったのか。
仕事についても、(正直な所、私は無職の期間は一年くらいにし、その間に資格でも取って働きだそうと考えていた)私にいくつかの質問をしながら、要するに「働ける状態ではない」という事を私が理解できるように話してくれた。
今更ながら、「あ、私って働けないんだ」と理解する。今更なのだけれども。
肩の荷が下りた気がした。
「回復しているであろう」という考えは私にとって責任としてのしかかっていたようだ。
体調が悪くても、それは間違いではない、という肯定を必要としていたのかもしれない。
またしても私は、括られることを願っていたのだ。

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