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生理のこと、子どもにどう伝える?〜息子に伝えたい、からだと性の話|神山まりあさんインタビュー1/2

ミス・ユニバースの日本代表として世界大会に出場し、モデルとして活躍する神山まりあさん。2016年に男の子を出産した神山さんですが、出産後はそれまで無縁だった生理痛に悩まされているのだとか。ご自身のからだの変化や日本と海外の生理を取り巻く環境の違い、さらには小学生の息子さんに生理をどう伝えているのか、詳しくお話を伺いました。

文/アケミン 写真/高見知香

神山まりあ(かみやま まりあ)
1987年生まれ。2011年、ミス・ユニバース・ジャパングランプリに。その後、モデルとしてファッション誌、テレビ、ラジオ、イベントなど幅広いメディアで活躍。フェリシモとのコラボアイテムも好評。 プライベートでは 2015年に結婚、2016年男児出産。著書に『神山まりあのガハハ育児語録』(光文社)がある。


出産後、はじめて経験した生理痛

ーーモデルさんというと「日々ストイックに体調を管理をしている」といったイメージもありますが、神山さんはからだのことについて考えたり、悩んだりすることはありますか?

神山 私、出産を経て体質が変わったのか、生理痛がひどいんですよ。昔は、生理痛とは無縁で「生理痛ってなに?」って感じだったのに、今は毎月憂うつですね。毎月おなかがズッキズキで、みぞおちパンチされまくってるのかなって思うレベルです。

ーー生理痛の痛みは人によってさまざまですよね。生理痛のときの対処法はありますか?

今は、はら巻きや湯たんぽでとにかくおなかをあたためたり、あまりにひどいときはお薬を飲んだり、なんとか毎月しのいでいる状況です。

ーー撮影と生理が重なると大変そうですよね……。

神山 うん、普通に撮影中も痛いですよね(笑)。痛いけど、カメラの前では何事もなかったかのように撮影していますし、そのためにも最低限、自分でできるケアは施すように心がけています。冬場はとにかく使い捨てカイロを貼ったり、冷やさないことが第一ですね。

肌荒れはそこまでひどくないですが、メイクさんいわく、生理前はクマができやすいみたい。そんな些細な変化にも最近は気づくようになりました。

ーーちなみに神山さんは、ピルは飲んだことはありますか?

神山 以前、アメリカに住んでいたときは、生理周期を安定させるためにピルを飲んでいました。アメリカだとピルがすごく手軽なんですよね。

お医者さんで1度処方箋をもらえば、3〜4か月有効で、いつでもドラッグストアで買えちゃうんです。しかも安いし。たしか当時は6ドルぐらいだったかな。

ーー当時の価格で500円もしないで手に入るとは……すごく安いですね!

神山 そうなんですよ。ピルを飲んでいたときは生理も順調で、体調もよくて。でも日本に戻ってきてからは病院の待ち時間も長いし、処方箋もその都度もらいに行かなきゃいけないのがすごくハードルが高くて、飲むのをやめてしまったんです。

最近はオンライン処方をしてくれるサービスもあるそうなので、使ってみようかなと考えているところです。

夫は「風邪薬を買うようにナプキンを買ってきてくれる」

ーーアメリカと日本では、生理をめぐる状況がそこまで違うんですね。

神山 これはあくまで私が見た限りの話なんですが、男の人の生理に対する考え方も国や地域によって、かなり違うような気がします。

日本人の男性はどちらかというと、生理についてなにかと「触れちゃいけないもの」とタブー視するような傾向があるように感じます。

ーー確かに日本では、男性が生理について発言するのはあまり見ないかも。

神山 うちの夫はインターナショナルなバックグラウンドなんですけど、私が生理になってナプキンを切らしてしまうと、まるで風邪薬を買ってくるような感覚でナプキンを買いに行ってくれるんですよね。

ナプキンって「羽付き」「羽なし夜用」「昼用」「オーガニックコットン使用」とか形や種類がたくさんありますよね。どのタイプがいいか、今では完全に把握してくれているみたいです。

ーー素晴らしいですね!

神山 生理痛で家事をするのがつらいときは、夫がゴハンを作ってくれるので本当に助かっていますし、息子もそんな父親の様子を見ていますね。

息子に生理を教えるのは「いい男になってほしいから」

ーー息子さんとも生理について話すことはありますか?

神山 家では小学校1年生の息子にも「マミー、今日はブラッドの日だからおなかが痛いの。ディーン(息子の名前)も、女の子が生理のときは優しくしてあげてね」と小さいときから教えています。

体の仕組みを教えるというよりも、これから息子が女の子を好きになって、もしもその子が生理だったとき「あ、生理か。確かマミーがおなかが痛くなるって言ってたな」って思い出してくれたらいいな、という思いが大きくて。息子には「いい男」になってほしい(笑)。

ーー息子さんはすぐに理解しましたか?

神山 最初はよく分かっていなかったみたいですけど、お風呂のときに経血を見て、「本当にマミーからは血が出てるんだ!そりゃ痛いわ」と分かってきたみたいです。

ーー確かにリアルに伝わりますね。

神山 もちろんご家庭によってそれぞれ考え方はあると思います。

以前、ママ友親子とディーンと4人でプールに行ったことがあるんです。そのとき、私は生理中だったのでプールに入れなかったんですね。

するとどうやらそのお友達が息子に「なんでディーンのママはプールに入らないの?」と聞いたみたいで、それに対して息子は「マミーはね、今日、オチンチンからブラッドが出てるんだ」と言ったようなんです。

それを聞いたお友達の男の子はすごくショックな顔をして、呆然とした顔でプールにつっ立っていました(笑)。

ーーさすがにそれはびっくりしますね(笑)。

神山 「どうしたの?」と私が声をかけたら、「ディーンくんのママーっ! 今日、おチンチンから血が出てるのー!?」と公共のプールで叫ばれました(笑)。

そんなハプニングもありますが、その子のお母さんとも、子どもにどうやって生理を教えるか話すいい機会になりました。

徐々に風向きは変わってきたとはいえ、まだまだ日本でも生理をタブー視する風潮もあります。でも親が子どもに隠すようにしていると、子どもは余計に生理を「隠すべきもの」「恥ずかしいもの」と思ってしまうのかも。

なかなか男の子に理解してもらうのは難しいですが、我が家は小さいときから生理についても息子に隠さず、話していきたいなと思います。

後編
「赤ちゃんは、どこから来るの?」〜息子に伝えたい、からだと性の話
|神山まりあさんインタビュー2/2