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トタン製・湯たんぽの誘惑


最近、とみに体の調子が良くない。思う通りに動かない。1ミリ単位とは言わないが、50センチ単位ぐらいの違和感はある。朝起きるのも、億劫でおっくうで。それを耄碌したといってもいいが、ギアが外れそうな自転車か、ネジが外れたミシンの機械か。取り敢えずその言葉は飲み込んでおこう。いずれにしても、2022年の日々、何かとすっきりいかないという訳だ。

早朝、ジョキングシューズやランニング用のシャツやハーフパンツを新調して、走ってみたり、身体のカーボンニュートラルを目指し、食糧摂取を疑い、夕食を断ってみたり、、、。
でも、なかなか上手くいかない。

そこで、偶々、部屋の隅っこにあって、経年した、トタン製の湯たんぽを想いだした。その夜は、ひどく足が冷えてしまい、なかなか寝付けなっかたから。。そこでお湯を沸かし、沸騰した湯を、湯たんぽに満ちるまでいれ、栓をして、それを凍えた、私の布団に入れたわけだ。

あったかい。電気ストーブのような痛い熱さではない、空調とかの、モノトーンな暖でもない。やさしくて、柔らかい暖かさ、そう「温もり」だった。身体だけでなく、心にも、安心感を与えてくれる、「温もり」だ。

その夜は、久しぶりに、ぐっすり眠れた。目覚めもよかった。何よりお通じもよかった。そんなことは久しくなかった。
それ以来、夜は、別人ではなくなった。

トタン製の湯たんぽ、旧式なシステムなのかもしれない。でも、熱い温度で心身を切られることはなく、むしろやさしい、言いようのない温もりで、包み込んでくれる。
これほど、日中の緊張を解いてくれるものはないし、身と心の武装を解き、それだけでなく、この世界に私を溶かし込んでくれる。
違和を生じさせず、抱擁してくれる。

暖房の器具というより、身に纏う、衣類に分類・カテゴライズすべき、モノなんだろうと、ここ最近思っている。

温もりも、一晩経っても、まだ暖かい。ほんとに優れモノである。

いろんな器具に飽きた人は、一旦、古に時のネジを巻き戻しても良いかもしれない。そして、夜のひと時、この温もりを着て寝てみるのも、一考だ。

以上。

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