【実施報告】24年2月:DNA抽出イベント(子供の科学さんコラボ)
NEST LAB.は「好きを究めて、知を生み出す」をテーマとした、小中学生の才能発掘研究所です。子どもたちの「好き」を起点に、「世界中の誰もが知らないこと」や「まだ誰も解決できていないこと」をテーマに研究活動を行うことを通じて、自身の才能を開花させる機会を提供しています。
Noteにおいても活動報告(イベント報告)を行うことにいたしました。
【イベント報告の目的2つ】
1つ目はもちろん、子供さんのサイエンス教育に興味がある大人の皆さまに活動内容を届けることです。当スクールは、一般的な塾のように学校の勉強を得意にしたり、成績を上げるということを重点に置いていません。そのため、お金を払っているが子供に何が身に付いたのかよくわからない、成績にも関係ないなんて、となってしまうリスクをはらんでいます。内容等に納得いったうえで参加いただきたいため、説明したほうが伝わることは、なるべくお伝えしてゆこうと思います。
2つ目は、こういった科学イベントや理科教育活動を、企業活動や地域のコミュニティ活動において取り入れたいという方のもとに情報を届けるためです。私たちは実験教室や理科教育の提供が得意です。興味はあるが自分たちでは運営できない、という皆さまには、文明の利器を通じてオンライン出張(?)にて対応検討させて頂きますので、子供たちの数時間を、私たちにお任せください。
【24年2月実施 DNAを取り出そう(子供の科学コラボイベント】
ネストラボは、およそ月に1回、「子供の科学」さんとコラボしたワークショップを開催しています。申し込みルートは、子供の科学のWebサイト「KoKaNet(コカネット)」から可能です。
さて本題に参りましょう。
A.イベント導入
ネストラボはオンラインスクールなので、講師は画面の中でライブ配信をしています。今日の講師は、ネストラボでも講師を務めてくださっている、ゆうこさんです。
初めてこのテーマに触れるお子様でも不安ないように、ワークショップの導入は丁寧に行います。普段のスクールでも小学生(ゆうこさんのコースは小学3年生から対象)対応です。
B.DAN抽出実験(きほん)
事前のテーマ解説を経て、このワークショップの中心となる理科実験のきほん、DNA抽出実験を行います。説明は手順を追って丁寧に、講師も画面の中で作業を行いますので、配信を見ながら確実に実施できます。
講師手元カメラもあるので、細かい作業も確認しながら進めることができます。
皆で進めて、基本の実験を完了。実験成功の体験を確実に知ってほしいので、手順の説明にはぬかりがありません。当スクールは、オンラインスクールとしてスタートしたのは2022年ですが、実験教室自体は2006年頃から継続的に実施しているものです。長年かけて積みあがった経験から、実験教室のクオリティが高いことを自負しています。
C.DNA抽出実験(変形例)
ここからがネストラボの本領発揮です。
「ほかの生き物からもDNAはとれるのか」。今やってみた実験の変形例の提示をします。このよう、実験対象や実験方法を少し横にずらしてみることで分かることが沢山あります。
今日の実験教室における「ちょっとずらしてみる」は、きほんの実験から「実験対象」を変更してみることをまず最初に提示しています。
しかしこのスライドには「どんな方法が一番良いか調べよう」と書いてあります。
さきほど行った「きほんの実験」の手順は既に手元にありますが、実験対象が変わっても既に知っている方法と同じように実験をしていいのでしょうか。
例えば、あなたのお手元にステーキ用牛肉と、ステーキ用豚肉があるとします。最初に牛肉のステーキの焼き方を教えてもらいました。同じ方法で豚肉をステーキにしてよいでしょうか。よくありませんね。大人は経験から「豚肉は良く焼かないと食中毒の危険がある」と知っています。それも過去に「豚肉をレアで食べたらおなかを壊した(結果)」人がいて「なぜおなかを壊したのか(考察)」考えたり調査したりした人がいたはずです。
研究活動をステーキと一緒にするな、と怒られそうですが、結局はそういうことかなと思います。どうしてだろう、どうやったらいいんだろう、そのような「ハテナ」が研究活動の始まりです。
さきほど行った「きほんの実験」の手順では、実験に使う塩水の濃さ、実験に使うエタノール(アルコール)の濃度、など、決められていることが沢山あります。この決められていること、を少し変えてみることで実験結果が大きく変わることがあります。これも理科実験の面白いところです。稀にですが、濃度を間違えた、実験に使う薬品の量を間違えた、ことで世界的大発見につながることもあります(いつかnoteに書くかもしれません)。
バナナを使って、実験に使う溶液の濃度を変えた実験の結果はここでは紹介しません。果たして、きほんの実験と同じ手順が一番良かったのか。きほんの実験とは違うことを試す方がよかったのか。実験の結果は参加者のみが知る事項です。
DNA抽出実験はリバイバル上演される予定がありますので、気になる方はぜひ今後のワークショップ、当スクールの実験教室などで参加してみてください。
最後に講師から、変形例とは更に違う物質からの追加実験の示唆をして、このワークショップは終了となりました。
【ワークショップで学べること】
・DNAについて
・DNA抽出実験(きほん)
・きほんの実験の条件を変えて、別の知識を得ること
・条件を色々と変えてみて記録し、実験結果から知見を得ること
・もっとたくさん実験してみること
このワークショップでは上記のようなことを学びましたが、この学びが生きる場面は今回のワークショップ内だけにとどまるものではありません。生活の中で出会う色々な事象について同じことが言えます。
例えば「ごはんのお茶碗に付着したお肉の油は洗えばすぐに落ちるのに、プラスチックの容器に付着したお肉の油はどうして、洗ってもいつまでもヌルヌルするのだろう」。このようなことも正に「ぎもん」であり「研究対象」になります。
こういった種類の学びは、カリキュラムが厳密に決められ生徒が多い通常の学校では、授業に取り入れることが難しくなってしまいます。
子供さんに「ものごとを研究する姿勢」を知ってほしい大人の方、集団授業でこのようなイベントをやってみたい大人の方、
スクールの方へのご連絡、またはこちらのコメント欄にてご意見ご感想、お問い合わせなどお待ち致しております。
【募集中のワークショップ】
子供の科学さんとのコラボ企画、9月のワークショップは「電気で飛ぶ?!飛行機づくり」です。こちらも当スクールのスタッフにて講師をさせて頂きます。
【お問い合わせ】
電話でのお問い合わせ:03-5227-4198
メールでのお問い合わせ:nest@school.lne.st
(本記事の文責:スタッフやまざき)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?