ザ・ファシリテーション〜すべての会議進行へ〜
こんばんは。
今回は、営業はもちろん、コンサルやPM等でも必須となるファシリテーション、会議の司会進行について基本的な考えをまとめてみます。
長文にはなりますが、お読みいただき皆様の会議進行の糧にしていただけた幸いです。
はじめに
ファシリテーション力があると、お客様はもちろん社内での業務を円滑に進める事ができます。
ファシリテーション能力は、人とコミュニケーションを取る仕事をしているすべての方に必要なスキルです。
しかし、単純な司会進行力と捉えられなかなか注目されてきませんでした。
社内はもちろん、営業の商談の場でもとても大切なスキルです。
巷に溢れるクロージングテクニック!などより、このファシリテーション能力の方が受注率に大きな影響を及ぼします。
商談におけるファシリテーションは、効果的な意思決定、多様な意見の集約、活発な議論の促進、商談の効率化、信頼関係の構築といった多くのメリットをもたらします。
これらの要素が組み合わさることで、商談の成果を最大化し、ビジネスの成功に大きく貢献することができます。
ファシリテーターは、単なる進行役にとどまらず、商談の質を大きく左右する重要な存在です。
特に、関与する人数が多ければ多いほど効果を発揮するファシリテーション能力。
社内の会議を円滑に進めたいという方から、営業として担当する領域(従業員規模)が大きくなったという方までこちらの内容を参考にしていただけたら嬉しいです。
ファシリテーションとは?
ファシリテーションとは、会議を円滑に進める技術です。
ファシリテーターとは、会議を円滑に進める司会進行役のことを指します。
そんなファシリテーション、ファシリテーターに求められることは
参加者全員の腹落ち感を醸成し、議論を活発にさせ、質の高い合意形成を促すことになります。
ファシリテーションは、単なる進行役にとどまらず、会議参加者の集団活動の質を大きく左右する重要な役割を担っています。
そんなファシリテーターに求められる役割は以下の4つです。
ファシリテーターに求められる役割
①暗黙知を整理させる
参加者の頭の中に散らばっている暗黙知、まとまっていない思考を整理させる役割です。
整理できていない思考が、そのまま会議に出てしまうと散らかった会議になり、決まるものも決まりません。
そう言った会議、誰しも一回は経験があるのではないでしょうか?
まずは会議で発言をする前に、参加者の頭の中を整理させる。そんな役割もファシリテーターが担います。
②暗黙知を引き出し、可視化する
暗黙知の整理が終わったら、次は可視化します。
せっかく整理された暗黙知や意見も、表に出なければ意味がありません。
参加者に思考を整理してもらう。整理した思考を発言してもらい、可視化する。これもファシリテーターの役割です。
可視化するなんて、簡単じゃん。
いろんなフレームワークとかホワイトボード使えばいいじゃん。
間違いではありませんが、参加者全員から引き出すというところが重要です。
発言力のある方の意見だけが出てくる。これでは会議とは言えません。
参加者全員の腹落ち感を醸成するためには「全参加者に、同じ粒度で意見を出してもらう」必要があります。
話をしてもらい、それを可視化する。簡単そうで最も難しい役割ともいえます。
③議論のスコープを絞り、定め優先順位を付ける。
会議ではさまざまな参加者から異なった意見が出てくることもしばしばです。
全てを取り上げて会議を進めると、時間いっぱいまで決まらない、意見の集約がままならない会議となります。
そこで、意見を幅広く集め、絞り、優先順位をつける作業も求められます。
後ほど触れる会議のフレームなどを用いながら、今行われている会議の目的を定義し、目的に即しているか?を判断。優先順位をつけて議論するべきか、宿題にするべきか、そもそも議論の土台に載せないべきか。
そんな、裁判官や審判のような役割も求められます。
これは発言力や職位など関係なく、会議の目的に合わせて客観的にファシリテーターが判断をしていく必要があります。
④ゴールの設定、条件合意、進行
ゴールはおおよそ決まっていることが多いですが、具体的に定義されていないケースがほとんどです。
参加者全員の代表として、ゴールを定義し、全員の合意を取る。
そのゴールを満たすべく、定義や条件のまとめや議論方法等を示して進行します。
なんのために、この会議が行われるのか。
決めたいことはなにか。
決めるためにどんな議論が必要か。
議論の決着はどう付けるのか。
議論のテーマは決まっていても、検討方法まで明確に定義されている会議は少なくありません。
この、進行ルールを定め、ルール通りに進めることもファシリテーターの役割になります。
この資料作成後、AIにも聞いてみました。
AIが求める、理想のファシリテーターの役割は以下です。
概ね近しいことが書かれていますね。ほっとしました。
この、役割を全うすることで参加者全員の腹落ち感を醸成し、良いMTGをファシリテートすることができます。
ファシリテーターが目指すべき良いMTGとは
では、ファシリテーターが目指すべき良いMTGとはどのようなMTGを指すのでしょうか?
参加者が理解できるMTGではありません。
そうです、先ほどから出ている腹落ち感を醸成できるMTGです。
腹落ち感とは、納得感のことを指します。
理解は出来るが、納得出来ない。このMTGは良いとは言えません。
後で同じ議題が出てきたり、せっかく決定したのに実行できなかったり...
理解は当然の上、参加者に納得をしてもらう必要があります。
例えば...
チームビルディングのために、社員旅行を企画。
多数決で多くの意見が出たイタリアに行こう!イタリアで美味しいご飯を食べて、みんなで楽しもう!…イタリアが良い旅行先というのは「理解」できるものの、高額な費用を払って社員旅行で行くべきか「納得」は出来ない。。。等
旅行はいろいろな意見がある議論ですが、これが会社の組織編成や、重要な方向性の判断であったら?
少しでも懸念があったり、納得できない要素があるとどうでしょうか?
コミュニケーションの本質は、相手に動いてもらうこと、行動変容を促すことにあります。
納得感がなければ、会議終了後も「誰も何もしない」事になりかねません。
よって、理解してもらい、納得してもらう。これが重要な要素となります。
では納得して貰うために必要なことは何でしょうか?
意見が食い違う方もいるでしょう。100%納得することは難しいかもしれません。
そして、人に無理やり納得させることはファシリテーターの仕事ではありません。
納得してもらう必要はあるが、納得させる必要はないのです。
しかし、納得させないで良いから何もしないと言うわけではなく、ファシリテーターとしては納得するための最低条件を満たす必要があります。
それは、共通のゴールに向かい、共通の言語で目的に即した議論を行う、促すことです。
意見の違う参加者全員に「納得」してもらうためには、全体の共有認識を持つことが必須です。
共通の意見であればベストですが、共通の意見を全体に踏襲させるのはなかなか難しいものです。
よって、全体の共通認識として「会議の目的、ゴール」を徹底的に浸透させること。
理解の粒度を合わせるために「共通言語・認識」で進めること。
これらを促すことがファシリテーターには求められます。
ファシリテーターの責任範囲
ファシリテーターの責任範囲は、会議をコンテンツ(ファクト・意見)とプロセス(議論の道筋)の2つに分けると考えやすいです。
ファシリテーターの責任範囲としては後者、会議プロセスが主な範囲となります。
それぞれの概要を以下に説明します。
コンテンツ(ファクト・意見)
コンテンツとは、会議や議論で取り扱う具体的な内容や情報、つまりファクトや意見のことを指します。ファシリテーターの役割として、以下の点が重要です
情報の整理:参加者から出された意見や事実を整理し、全員が理解しやすい形にまとめます。
バランスの取れた議論:特定の意見や情報が偏らないように、全ての参加者の意見を公平に取り上げます。
中立性の維持:自分の意見を主張せず、中立的な立場を保つことで、全ての参加者が自由に意見を述べられる環境を作ります。
プロセス(議論の道筋)
プロセスとは、議論の進行方法や合意形成の手順を指します。ファシリテーターは以下のような役割を果たします
議論の進行管理:会議の目的を明確にし、その目的に向かって議論が進むようにサポートします。
合意形成の促進:参加者の意見を引き出し、対立する意見を調整しながら合意を形成するプロセスを支援します。
時間管理:会議の時間を効率的に使い、議論が長引かないように調整します。
ファシリテーターは、会議や議論がスムーズに進行し、効果的な意思決定が行われるようにサポートします。
こう見ると、これくらいやっているよ。当たり前でしょ。と思われがちですが…会議を振り返ったりすると、コンテンツやプロセスどちらかに傾いて進行をしているファシリテーターは非常に多いです。
また、話しを広げるのは得意だけど、集約させるのが苦手という方や、意見を通すために集約することは得意だけど、議論を広げていくのが苦手という方も多いでしょう。
特に、商談や営業の場ですと話しを広げる、まとめることに関して、得意不得意が明確に分かれるところかもしれません。
コンテンツとしてのファクトを出すのではなく、会議の黒子としてファクトを出してもらう。たくさん出してもらう。その結果をまとめていく。
そんな立ち位置だとある程度割り切って、ファシリテーションを行うことも求められます。
ファシリテーターの守備範囲
大きく、議論のプロセスがファシリテーターの責任範囲であるとお話しました。
では、具体的な守備範囲、掌握範囲はどこでしょう?
ファシリテーターの守備範囲は準備、進行、事後の大きく3段階あります。
具体的な内容は以下より説明していきますが、ここでは求められるスキルを主に御覧ください。
全体を通して、まず重要になるのがロジカルシンキング。論理的思考力です。
会議は準備が9割とも言われますが、準備段階では特に論理的思考力が求められます。
司会進行のみならず、全体の進むべき方向性や、会議のルールを定義し、目的を果たす会議を実施するため、目的に即した会議進行を行います。
特に、目的からずれていくというのが、会議のクオリティを下げる主たる要因になります。
この目的思考という意味で、ファシリテーターにはロジカルシンキングの能力を強く求められます。
他には、共感力、空気の形成です。
カチカチ早口で話す仕事のめっちゃデキる人!素晴らしいですが「意見を引き出しやすい方」であるかは別です。
とても仕事のできる経営者、売上がいつもトップクラスの営業などいわゆる仕事のできる人はたくさんいますが、優れたファシリテーターであるとは限りません。
仕事はできるが、ファシリテーション能力がかけていて崩壊する組織やチームは世の中にたくさんあります。
よって、普段仕事ができるできないと、ファシリテーション能力は全くの別物であるとご理解ください。
話しやすい雰囲気を自分で醸し出すのはもちろん、会議参加者全体を巻き込んで発言しやすい雰囲気を作ることも求められます。
人柄で出す方、ルールを設計して発言を促す方、全員にリーダーシップを発揮し発言を促す方。
それぞれ持っているスキルを用いで意見を出しやすい空気作りを行うと思いますが、これは自分が作るものではなく、参加者全員で作るものです。
ある意味で、日常の行動、言動や、社内外でのコミュニケーションなども重要な要素となってきます。
ここは難しい部分ですが、常に「話しやすい雰囲気を作る」努力は求められるのかもしれませんね。
ファシリテーターの事前準備
では、ここから具体的な内容に入っていきましょう。
まずは、会議の事前準備のフェーズから見ていきます。
①会議の企画
求められるスキル
目標設定:会議の目的とゴールを明確にし、参加者全員が理解できるように設定するスキル。
コミュニケーション:関係者に対して会議の意図や重要性を伝え、参加を促すスキル。
留意点
目的の明確化:会議のテーマや議題を明確にし、参加者が何を達成すべきか理解できるようにすることが重要です。
参加者の選定:必要なメンバーを適切に選び、不必要な参加者を避けることで効率的な会議を実現します。
②会議の設計
求められるスキル
会議設計図の作成:会議の流れを事前に設計し、どのような議論が必要かを構造化するスキル。
アジェンダ作成:議題を整理し、時間配分を考慮したアジェンダを作成するスキル。
留意点
議論の構成要素:共有、定義、解明、発散、収束の5つの構成要素を理解し、適切に組み合わせることが重要です。
時間管理:会議の開始時間と終了時間を明確にし、議論が時間内に収まるように設計することが求められます。
③会議の手配
求められるスキル
ロジスティクス管理:会議室の予約、必要な機材の準備、資料の配布など、物理的な準備を行うスキル。
技術的サポート:特にオンライン会議の場合、Web会議システムの設定や機材の動作確認を行うスキル。
留意点
事前準備:会議室の予約やWeb会議システムの確認を含む事前準備を徹底することで、当日のトラブルを防ぎます。
資料の準備と配布:会議で使用する資料を事前に準備し、参加者に配布することで、会議の進行をスムーズにします。
最も重要な部分は「企画」です。
共有、報告だけを行う会議はそもそも行う必要がありません。
目的が明確でない会議は必要ありません。
・なんのための会議なのか?
・会議の目的はなにか?
・その会議が求められる背景はなにか?
・どれだけの時間必要か?
・いつ行うのが適切か?
・会議の目的は全員が認識できるよう明文化されているか 等
定例化している会議でも、これらを常に考え抜きます。
個人的な所感ですが、世の中の定例化されている会議のうち9割は上記が明確になっていないと思います。
だんだんと共有だけ、報告だけの会議になっていったり、明確な目的や目的を果たす条件が設定されていない会議になっていったり…
「目的が明確に言語化され、参加者に周知されていない会議は無駄」です。そして、「目的、論点ありきで参加者がいる」
参加者ありきで議題を決めると、会議目的が誰かに忖度した形になるのでこれも良くはないです。
会議の良し悪しを大きく決めるのは「目的」です。そもそもこの会議の目的って何?ゴールは?
このフレーズは脳に刻み込んで、常に思考するようにしましょう。
これらのスキルと留意点を押さえることで、会議の企画、設計、手配が効率的に行われ、効果的な会議運営が可能となります。
会議のエイム
会議の目的設計で使えるフレームもご紹介します。こちらのエイム(AIM)です。
会議のAIM(狙い)は、
Achievable(達成可能)
Impactful(価値がある)
Measurable(測定可能) の3つの要素から成り立ちます。
これらの要素を明確にすることで、会議の目的を具体的にし、効果的な会議運営が可能となります。
Achievable(達成可能であること)
会議の目的は、現実的で達成可能なものでなければなりません。無理な目標を設定すると、会議の結果が曖昧になり、参加者のモチベーションも低下します。具体的で実現可能な目標を設定することで、会議の成果を確実に得ることができます。
Impactful(価値があること)
会議の目的は、達成されたときに組織やプロジェクトに対して重要な影響を与えるものであるべきです。価値のある目標を設定することで、参加者が会議に真剣に取り組み、積極的に貢献することが促されます。
Measurable(測定可能であること)
会議の目的は、達成度合いを客観的に評価できるものでなければなりません。具体的な指標や基準を設けることで、会議の成果を明確にし、後から振り返って評価することができます。
このAIMを明確にすることで、会議の目的が具体的に定義され、参加者全員が共通の認識を持つことができます。
これにより、会議の進行がスムーズになり、時間の無駄を防ぎ、生産性の高い会議を実現することができます。
また、目的が明確であることで、会議終了後に目的が達成されたかどうかを評価しやすくなります。
ファシリテーターの会議進行
次に、ファシリテーターの会議進行で必要となる、タスクや留意点をまとめてみました。
オープニング
会議の目的と、進め方のルール、検討要件を整理します。
会議開始時点で目的、ゴール、検討方法が明示されていない会議は0点です。
そんな、会議最初で必要なタスクや留意点は以下。
求められるタスク
自己紹介:プレゼンターやファシリテーターの自己紹介を行い、信頼感を築く。
目的の明確化:会議の目的や目標を明確に伝える。
アジェンダの提示:会議の流れや議題を簡潔に紹介し、参加者が全体像を把握できるようにする。
留意点
関心を引く:参加者の関心を引くために、興味深い事実や質問を投げかける。
簡潔さ:長々とした挨拶や自己紹介は避け、要点を簡潔に伝える。
参加意識の向上:参加者が積極的に関与できるような雰囲気を作る。
ボディ
予定した目的、ルールに則って進行します。
常に目的思考を持ち、議論を発散させつつ目的、ゴールを果たすための議論の集約を行います。
7割位進んでいたらOKです。ただルールからぶれないような審判的な役割が求められます。
求められるタスク
主要な議題の説明:会議の中心となる議題について詳しく説明する。
データや具体例の提示:議論を支えるためのデータや具体例を提示し、論理的な一貫性を保つ。
ディスカッションの促進:参加者が意見を述べやすい環境を作り、活発な議論を促す。
留意点
論理的な構成:議論が論理的に一貫していることを確認し、矛盾がないようにする。
時間管理:各議題に対して適切な時間配分を行い、議論が長引かないようにする。
参加者の意見を尊重:全ての参加者の意見を公平に取り上げ、偏りがないようにする。
クロージング
目的に合わせた進行ができたか?を全体に明示します。
会議内容、決定事項、積み残し、タスクなど会議の結果を整理、共有します。
求められるタスク
議論のまとめ:会議での議論を簡潔にまとめ、主要なポイントを再確認する。
次のステップの確認:次に取るべきアクションやフォローアップの計画を明確にする。
質疑応答:参加者からの質問に答え、不明点を解消する。
留意点
結論の明確化:会議の結論や重要な決定事項を明確に伝える。
参加者のフィードバック:会議の進行や内容について参加者からフィードバックを受ける。
感謝の意を表す:参加者の時間と貢献に対して感謝の意を表し、良い印象で会議を終える。
これらのステップ、タスクと留意点を押さえることで、会議の進行がスムーズになり、効果的な意思決定が行われるようになります。
CIO
会議進行では、このチェックイン/アウトも意識すると良いでしょう。
特にMTGのクロージング時。
参加者から感想や所感、改善点や
クリアになったこと、ならなかったこと、懸念点や不明点をヒアリングします。
これにより、次回のアジェンダや宿題などを決めていきます。
特に、消化不良の方が出ないようにハンドリングを行う必要があります。
一度消化不良になった方は、次回の会議で発言をしなくなったり、決定事項について会議外で議論が行われたりするリスクが生まれます。
ファシリテーターはホテルのフロントのようなものです。
参加者(ゲスト)に気持ちよくチェックインいただき、心地よくチェックアウトしていただく。
そんなホスピタリティを意識すると「全員が参加する、議論が活発な」会議の進行に繋がるはずです。
とはいっても、具体的な進行って何話せばよいの?という方はこちらの表も参考にされてください。
ファシリテーションで主に使うフレーズを10分類でまとめています。
具体的なフレーズは記載の内容を参考に「自身の言葉」で準備しておくと良いです。
議論を広げる、集約する上でこれらのフレーズは有効に活用することが出来ます。
会議を設計するオール:OARR
会議のオープニングトークがイメージできないという方はこちらのOARR(オール)というフレームも参考にされてください。
会議の目的をどう設計し伝えるのか。
論点はなにか、どのように議論するのか=アジェンダ
会議進行における参加者の役割は?
どんなルールで議論を進めるか?
この4ポイントが抑えられている会議はコンパクトかつ議論が円滑に進みます。
最も重要になる会議の目的の伝え方としては、以下3ポイントが挙げられます。
目的の明確化
会議の冒頭で目的を明確に伝えることが重要です。具体的には、以下のように伝えると効果的です
具体的な目標を設定:会議の目的が「議論すること」や「報告すること」ではなく、具体的な状態変化を目指すものであることを明確にします。
例えば、「本日の会議の目的は、新しい製品のマーケティング戦略を決定することです」といった形で伝えます。
終了状態の提示:会議終了時に達成したい具体的な状態を提示します。
「本日の会議の目的は、次の四半期の予算配分を決定し、全員がその計画に同意することです」といったイメージです。
アジェンダの提示
会議の進行をスムーズにするために、アジェンダを事前に共有し、会議の冒頭で再確認します
アジェンダの共有:会議の流れや議題を事前に参加者に共有し、会議の冒頭で再度確認します。
これにより、参加者全員が会議の進行を理解しやすくなります。
時間配分の明示:各議題に対する時間配分を明示し、参加者が時間を意識して議論に参加できるようにします。
参加者の意識向上
参加者が積極的に会議に参加できるようにするための工夫も重要です
関心を引く:会議の冒頭で興味深い事実や質問を投げかけ、参加者の関心を引きます。これにより、参加者が会議に集中しやすくなります。
意見交換の促進:発言方法や意見交換のルールを明示し、参加者が意見を述べやすい環境を作ります。
「質問・意見がある場合は、挙手をお願いします」といった指示を事前に伝えると良いでしょう
フレームワークOARR、会議目的の伝え方3ポイントを抑えつつ、会議の進行をしてみると良い会議進行ができるでしょう。
ファシリテーターの事後整理
最後に、会議のクロージングについて触れていきます。
振り返りの方法
求められるタスク
議論の要約:会議で話し合われた主要なポイントや結論を簡潔にまとめます。
フィードバックの収集:参加者から会議の進行や内容についてのフィードバックを収集します。
留意点
具体性:要約は具体的で、誰が何を言ったか、どのような決定がなされたかを明確にします。
全員参加:フィードバックは全員から収集し、多様な意見を反映させるようにします。
成果の共有方法
求められるタスク
決定事項の確認:会議で決定された事項を全員で確認し、誤解がないようにします。
次のステップの明示:今後のアクションプランや担当者を明確にします。
留意点
明確なコミュニケーション:決定事項や次のステップは具体的かつ明確に伝えます。
フォローアップ:次の会議やアクションのフォローアップのスケジュールを設定します。
成果の反映
求められるタスク
迅速な共有:議事録は会議終了後、できるだけ早く(当日もしくは翌営業日中)に共有します。
適切なフォーマット:議事録は見やすく、理解しやすいフォーマットで作成します。
留意点
メールの件名:具体的な会議の日付や議題を含めた件名にします。
例:「2024年7月23日 新製品企画会議・議事録」。
本文の構成:挨拶文、本題、添付ファイルの説明、結びの文、署名を含めたビジネスメールの基本的な型に従います。
重要ポイントの明示:メール本文に、決定事項や重要なタスクを箇条書きで簡潔に記載します。
宛先の確認:送信先をダブルチェックし、誤送信を防ぎます。特に機密事項が含まれる場合は注意が必要です。
最近はAIで議事録の収集から、要点をまとめ、メール文面を作成してくれる便利な議事録ツールもたくさんあります。そんな僕もAI議事録ツールのヘビーユーザーです。
便利なツールも多くあるので、ツールやAIを用いつつ、会議後の整理や処理については積極的に活用をしていきましょう。
会議を閉じるオチ:OCHI
会議を締めるときに意識するべきフレーム、オチについてもご紹介します。特に重要な、議論の要約部分にフォーカスして説明します。
議論の要約と決定事項の確認
議論の要約:会議で話し合われた主要なポイントや結論を簡潔にまとめます。
決定事項の確認:会議で決定された事項を全員で確認し、誤解がないようにします。
具体性:要約は具体的で、誰が何を言ったか、どのような決定がなされたかを明確にします。
全員の確認:決定事項は全員に確認し、同意を得ることで次のステップに進みやすくなります。
次のステップの明示
アクションプランの提示:今後のアクションプランや担当者を明確にします。「誰が」「いつまでに」「何をするのか」を具体的に伝えます。
フォローアップの計画:次回の会議やフォローアップのスケジュールを設定します。
明確なコミュニケーション:次のステップは具体的かつ明確に伝えます。「次回の会議は○月○日に行い、今回の決定事項の進捗を確認します」といった形で具体的に伝えます。
次何をするかのみではなく、その会議の結果を必ず共有していきましょう。
当日の会議で何を話したか、結果どうなったか、積み残しはなにか等会議の振り返りは丁寧に行います。
会議時間の20%、1時間の会議で約10分程度は振り返りの時間を設けていきましょう。
終わりよければ全て良しというように、会議の締めは最も重要なフェーズの一つになります。
以上です。
いかがでしょうか?
今回は、会議進行、ファシリテーションの基本的な内容や重要ポイントについて触れていきました。
簡単にまとめたつもりが、10,000文字を超える長文になりました。
長文・駄文でしたが…
みなさんの会議進行の参考になっていれば幸いです。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
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