NYでのコロナウイルスによる影響日記27
8月まで閉鎖が決まったものたち
ニューヨークにあるメトロポリタン美術館、これが8月中旬まで閉館を続けると発表した。
時を同じくして、NYRRから「8月いっぱいまで活動はすべてキャンセルする」というメールが来た。
NYRRとは、ニュー・ヨーク・ロード・ランナーズ……すなわちニューヨークでランニングを楽しむ人たちのコミュニティである。ボランティアと寄付によって運営されていて、主に週末の朝、公園に集まって5キロくらい走っている。
渡米してきたばっかの頃にハーレムでやってたお祭りでNYRRがブースを出してて、スタッフのじいちゃんが熱心に説明してくれたので興味をもって加入したのだった。
当時は家から公園までが遠すぎて結局2回くらいしか行かなかったのだけど、それでも8月までキャンセルと知らされると遠い目になる。
8月かあ……
実は私、渡米した時点で8月1日を帰国日と決めていて、便も手配してある。滞在資格と生活費の兼ね合いで、そのへんが限界だったのだ。
というわけで少なくともメトロポリタン美術館には行けず、NYRRでは走れないことが確定した。
なんかこれから、実現できないことが次々に確定していくのを何もできずに眺める日々が待っていると思うとなかなか悲しい気持ちになるので、外に出てみることにした。
ダックの観察
この日記でも何度か言っているけど、家から徒歩1〜2分のところに巨大な公園がある。4月は恐ろしくてほとんど行かなかったけど、5月に入ってからは割と行く頻度が上がってきた。
そう、ダックの観察にハマってしまったのです。
このツイートに、知らない人から「これはダックじゃなくグースだと思うけど」という冷静な指摘が入ってウケてしまったけど、子どもが「ダッキー、ダッキー」と呼んでいたのでダックで通します。
現時点でダックは5羽ほど、小型ダックが5羽ほど、そしてスワンが1羽いることは確認している。
このスワンが曲者で、ダックに対して執拗に嫌がらせをするのだ。スワンは巨体ゆえに泳ぐスピードも速くて、あっという間にダックに追いつくと、クチバシとかでチクチクとダックを攻撃する。
ダックは嫌がって水上をバチャバチャと飛んで逃げるのだが、またすぐに追いつかれてしまう。
あおり運転のような要領でダックにプレッシャーをかけ続けると、耐えきれなくなったダックは陸に上がって避難しようとする。たとえそこで人間がゆったり過ごしていても、ヒトよりスワンのほうが恐ろしいんだと言わんばかりに人々の中に飛び込んでくるのだ。
しかしそれでもスワンは諦めることなくついてくる。
こんな感じで水上チェイス→陸に逃げる→水上に追い込む→水上チェイス……という流れを繰り返しており、一体いつまで続けるのだろうと思って眺めていたらいつの間にか1時間が過ぎていたので切り上げることにした。
毎日こんなテンションで追い込まれていたらストレスがハンパじゃないだろう。広大な自然の中、コロナのことも気にせずに過ごす彼らにも彼らなりの苦労があると分かってしまって、やはり現世とは苦行なのだと実感した。
一方で、なぜかスワンから目をつけられない小型のダック。これがまた面白くて、たま〜に飛び立つのだけど池に戻るときに豪快なスライディングとともに着水する。
この様子をもっとうまくカメラに収めたくてタイミングを見計らっていると、いつの間にかさらに1時間が経っていたので諦めて帰ることにした。
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