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アパートの中に猫がいる

うちのアパートは外階段がない。
共用階段も廊下も、全部建物の中にある。
自宅の玄関を開けると階段室になっていて、1階まで降りていって、共用扉からはじめて外に出られる。
階段室には窓があって、真冬以外はたいてい開けっぱなし。
建物が堅牢なこともあってなんとなく閉塞感があるので、窓が開いているとホッとする。
それ以外は開口部がないので、共用部には鳥も飛んでこないし、雨に濡れることもない。

で、先週くらいから、夜になると階段室のどこかで猫が鳴いているのだ。
声から察するに仔猫ではない。
階段室の窓の向こうは隣の建物の壁が迫っているから、窓の外ではないと思う。
自宅の玄関にそーっと耳を当ててみると、もうすぐそこにいる感じ。
ドアスコープで見ても分からないので、たしかめてみようと内鍵を開けたら、音に驚いたらしく静かになってしまった。
いなくなったか〜と思いつつドアを開けて覗いてみるが、やはりいない。
どこだ、どこにいるんだ。

4月の頭からのんびり始めた朝のジョギング(orウォーキング)、ほとんどウォーキングのみになっているけどそこそこ続いている。
今朝、いつものように歩く準備をして出かけようと玄関を開けたら、階段室の床で茶トラの猫がだらしないスフィンクスみたいな形で眠っていた。

「あ!」

驚いて思わず声を上げたら、あっちも驚いたのか、ものすごい反応速度で起き上がった。
茶トラ猫はその場でジタバタッと慌てたあと、階段室の窓に駆け上り、シュバッと外に躍り出ていった。
窓に駆け寄って見てみると、思いがけず近い位置に向かいの建物の室外機が飛び出ていて、どうやらそれを伝って逃げたらしかった。
一応下も見てみたけど、落ちた様子はなく、ひと安心。

雨避けに入り込んだのだろうか。
まさか誰かが飼っているというわけでもあるまい(ペット禁止だし)。

驚かせてしまって申し訳ないことをした。
エサをやるわけにはいかないけど、雨宿りする分には見ないふりをするので、また来てほしい。

それにしても、床から窓まで120センチほどはあるだろう高さを軽々と垂直に駆け上がる姿は圧巻だった。
これぞ猫。

次に見かけたら、驚かさないように写真が撮れないか、挑戦してみたい。


では、また。

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