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『8番出口』を哲学シャーク!

先日のこと。おふとんの中で気持ちよくうつらうつらしてる時、突然ふくらはぎをわしっと掴まれました。
最近は夜もあったかくなってきたので、掛け布団から素足をにょろっと出して寝てるんです。そのふくらはぎをいきなりわしっ!

びっくりして跳ね起きようにも半分寝落ちしてる状態でまともに動けず、「何これ金縛り!? うおおっ!」て心の中で絶叫しながら少しずつ身体をねじってぐりぐり痛むふくらはぎに手を伸ばしました。ハイ。こむらがえりです。何者かの冷たい手に鷲掴みされたわけではありませんよ?

あったかいからと言って就寝時に足を冷やすのはいけません。こむらがえりの原因の一つです。そして心霊現象と呼ばれる物理的事象の99%(当社比)は気のせいで説明ができます。あくまで私の見解ですけど。


月見葉落々

というわけで葉落々の『哲学シャーク・オブ・ザ・デッド!』の時間がやって来ました!ネットミームと化したサメのごとくに獲物を丸呑みする。そこに物理的化学的電気的なサメ意識は存在するのか。それが哲学シャーク!

今回の『葉落々の準備室』は哲学回! 『8番出口』をはららっと哲学シャークします!

無機質で冷たいタイルのはずが、規則正しく整列した細胞のようで、視界のすみっこで生々しく脈動して、まるで通路そのものが生きているみたい。
『8番出口』。それは逃げてもいいお化け屋敷。

みなさんはもう『8番出口』からの脱出はお済みですか? そうですよね。脱出済みだからここにいるんですよね。未脱出だったら、まだあの地下通路で向こうから歩いてくるおっさんにビクビクしていることでしょうし。
プレイヤーは無限ループ状態に陥った地下通路からの脱出を試みます。
脱出のルールは単純明快。

「地下通路を向こう側へ歩いていけばいい。
ただし、そこに異変があった場合はその限りではない。引き返せ。」

それだけ。
たったそれだけのルールなのに、閉じてしまった無限ループ環境の地下通路を歩くのに、こんなにも集中力と記憶力が必要になるなんて!

『8番出口』公式では「ウォーキングシミュレータ」って耳慣れないジャンルにカテゴライズされてます。なんだそれ。

このゲームはシンプルに言えば『間違い探しゲーム』であり、深読みすれば『ホラー性アドベンチャーゲーム』です。それをプレイヤーが歩きながらループ環境を再現するので「ウォーキングシミュレータ」ってわけです。なるほど。

で、こちらの『8番出口』ですが、今までのゲームにはあまり見られないユニークな特徴があります。それは「逃げていい」んです。「回避せよ」でなく「逃げなければならない」でもなく、「逃げてもいいよ」なのです。

閉じた地下通路で襲いかかってくる怪異現象。その異変を特殊能力で除去するわけでなく、敵対的モブを呪物を使用して撃退するわけでもなく、無様に悲鳴をあげて今来た通路をダッシュで引き返しちゃっていいんです。むしろそうしろって具合です。

この「逃げてもいい」がホラー性のあるゲームとしてのおもしろさを一段階引き上げてくれます。逃避行が推奨されている。だからこそ、こっちから積極的に異変を探してしまいます。怖がりな人間ってそういうもんです。

もしも異変がなかったら、そのまま通過してループを一つ繰り上げましょう。もしも異変を見つけてしまったら、すぐさま引き返してループを一つクリアしましょう。そうして一つずつ段階を越えていき、8番出口を目指します。

地下通路のコーナーを曲がる時のドキドキ感。無機質なタイルが異質な雰囲気を演出する狭いくせに逆に無限の空間。いつも通りおっさんが一人歩いてくるけど、何か違くない? おっさん、笑ってなくない?

このホラー性アドベンチャーゲームの特異点はむしろ異変がない時に発揮されます。何にもおかしな点がない明るくて清潔感がある空間なのに、どこかに異変が潜んでいないか画面の隅から隅まで探してしまいます。怖いの見たくないのに積極的にお化け屋敷に入っていく感覚です。

異変がないことを証明する難しさ。ないものをないと証明するのは悪魔の証明と呼ばれる無理難題です。その無理難題に立ち向かう時、プレイヤーの敵は自身の疑心暗鬼。そして異変が存在しない時、どこかがっかりしてしまう自分に気が付くでしょう。怖いの嫌いなのに、怖いのを待ってる自分がいる……!


『8番出口』はホラー系が苦手な人こそプレイすべきゲームです。異変に立ち向かわず存分に逃げ回っていいんですから。いるはずのない幽霊に足を掴まれるのが怖くておふとんから足を出して寝れないって人はぜひチャレンジ!

次週予告! 葉落々のゲームプレイ実況! 『8番出口』VS『哲学シャーク!』 お楽しみに!

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