見出し画像

今年もAppleのWWDC始まりました。

新製品は、おおよそ事前リーク通りで、目玉は「M2MacBook」でしたが、M2MacPROの発表はなく。これは4月に「近いうち」と言っていたのですが、延期でしょう。なので、9月発表でしょうね。

さてさて、今回の本丸は「生体認証・パスワード消滅」だと思います。このテクノロジーが10年後、20年後、EVや家庭の領域でもかなりAppleの真価をはっきりすると思うのです。Appleはつくづくプライベート領域のハードウェアとソフトウェアマシンでマーケットを開拓してきました。

M2MacはIntel製チップから「Apple自社設計・TSMC開発」になり、これから原価コストを削減し、よりMacに最適化されたチップへの移行期間での過渡期期間です。

今回は数年後の「アップルカー」販売に向けての小さくない布石だったと思います。

できるだけMacのGUI画面内で、「移動」を楽しむためにはどこの、どの場所、どの領域から攻めていくのがいいか?

やはり、EVやハードウェアのソフトウェア内蔵の自動車といっても、ダイナミックに変わる部分はおそらく、「そこまではない」はずです。既存の自動車会社の設計力や製造ノウハウには100年以上の凄まじいまでの歴史と蓄積があり、Appleもそこを破壊的イノベーションを起こせるとは思っていないでしょう。

ただし、既存の自動車会社がやってくれないことに「ドアと鍵の消滅」があります。できれば「クルマの鍵」なんかなくなって、本人のiPhoneがないと開かない仕様であれば、盗難車かどうかも、「カーシェア」もすぐにできるようになります。Appleの知財特許を見ると、クルマのハードウェア製品デザインよりも「クルマ回り」のキーロックやガラス液晶などの特許が目立つからです。

ここからまず攻めて、「クルマの私的所有概念」「カーシェア概念」を根本的に破壊してきたように私には見えました。

つくづくプライバシーデータを収集せずとも製品ハードウェアで粗利を取って儲けているAppleは強いですね。これが仮にGoogleがWaymoでやろうとしていることは、オープンソースのOSと自動運転車のハードウェアで、マネタイズは結局は広告やロボタクシーのサブスクや会員料でしょうから結局低価格です。いくら台数を増やし続けても、Androidと同じように、Googleは全く儲からない。結局広告収益依存は続きます。

そこへいくとAppleはiPhoneを売り続けて、少数精鋭の未来版のなめらかなソフトウェアであるBMWやベンツになるであろう「アップルカー」をセレブに売り続ければ何もEVの普及化で台数をむやみに増やさなくても、Appleが独自の高級EV販売で勝ち続けられる、というわけです。

まさに「携帯電話」をスマートフォンで駆逐してしまったように、CDとAV機器をiPodとiTunesで駆逐して、デジタル化を成し遂げたことと同じイノベーションを「移動・交通・自動車の領域」でも起こすことを可能にするのが「パスワード消滅」「キーロック消滅」なのではないでしょうか。

Appleがかねてより「死刑宣告」をしたオールドテクノロジーは、「メインフレーム・コンピューター」「DOS-V OS」「キーボード入力しかできないコンピューター」「パソコン周りの複雑極まりない配線」「誰もできない複雑なインターネット・モデム接続」「イヤホンジャック」「CDとAV機器による音楽視聴習慣」「オールド現金決済小売代理販売店」「有線ケーブルイヤホン」「iモード/ガラパゴス携帯電話」など多数あります。

そしてついに、古くからあり、誰も疑わない、「ベンダー企業」しか得をしない技術である「パスワード入力」という部分がAppleによって消滅させられることでしょう。今回の目玉はM2ではありますが、やはり「パスワード消滅」こそAppleしかできない、プライベート領域のソフトウェアマシンだからできる技術です。


・「投資、事業、労働」のはなし。

Appleの未来をかんがえると、次はどんな事業会社になっていくのか?やはりAppleはサービスソフトウェア会社になっていくのだろうと。

IT企業やソフトウェア企業といっても、やはり本質は投資・金融会社です。

ソフトバンクやGoogleはすでにビジョンファンドやAlphabetといった投資会社を親会社にして、検索エンジンや通信事業の事業会社を小会社で持っている形態にしてあります。つまり、すでにVC機能や社内生態系銀行といえます。金融によってある程度の不確実性の高い、リスクの高い失敗をカバーし、未来を作っていくわけです。

一方でそれらのITテクノロジー金融の根本的に抱える問題が、「消費者がほんとうに欲しがる製品」が見えにくいわけです。GoogleのWaymoや空飛ぶクルマは世界中の工学研究者やエンジニアの「夢」ではありますが、果たして消費者の生活がほんとうに豊かになるかというと多少疑問符であります。

Appleはいわば、そのようにあらゆる領域には全く貼らず、後発模倣改良でガラガラっと破壊を起こし、高付加価値製品で、マーケットシェア10%を握り、一気に旧態依然とした産業自体を根本的に変革してしまいます。

かつてのAT&T、NTTといった電話網を世界中に広げた通信事業会社がインフラとなって、その後の「インターネット回線」インフラの基礎土台となりました。これがなければインターネット網は今日日ここまで普及化していません。ただし、こういうインフラのベンダー企業が、ずっと高付加価値製品を供給し続けられるかどうかは微妙なところです。

結局あらゆる事業は投資のエコシステムの中で循環していき続けるわけですが、やはり勝つのは「経営の上流」とユーザーが「触る」下流開発部分を握った会社だけだということを今回のWWDCであらためて思ったものです。誰もそんなことを感じていないだろうけど。

最近インプットばかりしています。よくないですね。主にソースは

・日経デジタル

・ブルームバーグ

・YOUTUBEチャンネル

・テレ東BIZ 月550円でモーニングサテライト、WBS、ガイアの夜明け、カンブリア宮殿などテレ東・日経系の番組見放題。

などです。テレ東ビズは、初回1ヶ月無料なのでおすすめですよ。

昨今、「悪い」円安問題といいますが、「円安」自体は歓迎すべきです。問題は原材料不足。ウクライナ戦争で、「農業自給率」がここまで重要になるのかを再認識した人も多いはず。日本人はコメと魚を食いましょう。

では今日はここらへんで。

よろしければサポートお願い致します。いただいたサポートはこれからの投資のために使わせていただきます。