【#えぞ財団　EZOHUB CONNECT #1 後編 】トークセッション編〜北海道が地方最強の都市になるには〜

◆EZOHUB CONNECTとは…◆
「地域をつなぎ、日本を未来へ。」をコンセプトに"つながり"を創出する場として作られたEZOHUB SAPPOROで毎月行われるサツドラホールディングス富山社長と各界の著名人によるトークイベントです。
またトークイベントだけではなく、オフライン参加者の皆様とネットワーキングを実施します。
登壇者や参加者の皆様と懇親を深めながら、プロジェクトや事業を生み出したり、共に推進していく"つながり"を生み出す場となっています。

第一回目は、えぞ財団発起人であり、一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事の木下斉さんにお越しいただき、木下さんの著書「福岡市が地方最強の都市になった理由」をもとに「北海道が地方最強の都市になるには」というテーマでお送りしています。前半部分に続き、今回は後編として木下さんとサツドラホールディングス株式会社 代表取締役社長兼CEOの富山さんのトークセッションをお送りします。

◆前編「【EZOHUB CONNECT #1　前編】はこちらから

note ——つくる、つながる、とどける。

◆富山 浩樹（発起人）：サツドラホールディングス 株式会社 代表取締役社長兼CEO◆
1976年札幌生まれ。札幌の大学を卒業後、日用品卸商社に入社。2007年株式会社サッポロドラッグストアーに入社。営業本部長の傍ら2013年に株式会社リージョナルマーケティングを設立し、北海道共通ポイントカード「EZOCA」の事業をスタートする。2015年5月に代表取締役社長に就任。2016年8月にサツドラホールディングス株式会社を設立し代表取締役社長に就任。

◆木下 斉（発起人） : 一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事◆
1982年生まれ。一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。 商店街つながりでお酒も飲めない高校時代に、狸小路商店街の青年部忘年会に参加したのをきっかけにして、札幌大通まちづくり会社の設立に関わり、近年は道内の公共資産活用、エリアマネジメントに関わりながら、今年には余市町に現地仲間と共に新たなワインツーリズムを睨んだネゴシアン会社を設立予定。母親が北海道紋別郡旧丸瀬布町(現遠軽町)出身。著書『地元がヤバいと思ったら読む凡人のための地域再生入門』『地方創生大全』『稼ぐまちが地方を変える』等

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富山：それでは、これから色々お聞きしながらトークセッションという形で進めたいと思います。改めまして、サツドラホールディングス社長の富山です。よろしくお願いいたします。
私も「 福岡市が地方最強の都市になった理由」を読ませて頂いていましたが、今回前半をお聞きして多くのストーリーを感じることができました。結果論として福岡がこのように成長したという部分が多くあったんだな、と改めて思いますよね。最初から狙ってこの現在の効果が出てきたのではなく、制約制限の中で『コンパクトシティ』なども、そうせざるを得なかったところを武器にしてきたのだな、と。

木下：そうですね、力技で無理やり良くするというような財力が当時の自治体にはありませんでした。帝大誘致の際もお金がないので、民間の産業界の人たちに助けてもらうというところからスタートしているんですね。
それに関しては結構記録が残っていて、これから九州帝大をどこに置くかという誘致合戦になるときに、産業界の方を集め「県にも市にもまとまったお金がないので民間の方々の寄付がないと誘致ができません」と話したそうです。そしてその会議のその瞬間に、前半で話した渡辺さんが「とりあえず、今月・来月と当座で動かねばならないだろうから」と…今でいう1,500〜2,000万円位を会議の冒頭でお金を出した。そこから色々な人達がお金や用地の提供をしていったという流れがありました。

富山：それは行政側が「最初から民間の力を使おう」という感じだったのでしょうか？

木下：考え方というよりも、とにかくお金がないので出してもらわないといけない、という状況ですね。本を出すにあたって、福岡市の退職されている方にもヒアリングをしたのですが、「福岡ではまず民間の人に何をやりたいか聞きに行くというのが、先輩達から教わってきた基本である」というんですね。
行政が「これをやりましょう」って決めて民間に会いに行くというよりは、民間側に「次に何をしたいんですか」という話を聞いて、それに行政側が計画を合わせていくスタイルで成功したものが沢山ある。逆に行政主導で行ったものも多くありましたが、これらは当時問題になるくらい、ことごとく失敗してしまった。
例えば福岡の都市整備を行った部長でさえも、「民間側と進めたものの方が上手くいく。その方針が福岡流のやり方だと思う」と仰っていましたね。