ミニプロジェクト型組織で運営してみる
こんばんわ。らっとです。皆さまゴールデンウイークいかがお過ごしでしょうか?北海道もまだ肌寒い日々が続きますが、お花見シーズンに突入です。お花見と言えばお酒ですが、本日は私の酔狂にお付き合いください。
背景
まず断っておきますが、なんでまた組織の話始めたのかと申しますと、私自身が組織について考えなきゃいけなくなったからです。さかのぼること去年の12月のクリスマス。上司が退職するという突然のカミングアウト。それからはや4か月、上司は去り、残されたのは燃え盛る全社プロジェクトと情シスメンバー。実質的に最年長の私が組織の切り盛りをしなくてはならなくなったからです。
ミニプロジェクト型組織って?
勘の良い方は気づいているかもしれませんが、「ミニプロジェクト型組織」という言葉は、プロジェクト管理の世界のウォーターフォール街にもアジャイル市にもありません(私が知らないだけで実はあったらすいません)。私が勝手に命名しました。
プロマネの世界の組織論には、機能型組織(要は営業部とか製造部とか機能で分かれているやつ、縦割りになりやすい)とプロジェクト型組織(プロジェクトを元に必要な組織を組むやつ)があるのですが、そのプロジェクト型組織の1つの形として、今期、私が試しにやってみようと考えた組織運営のやり方です。
ミニプロジェクトとは?
私の考えているミニプロジェクトには、3つの特徴があります。
1つ目は少人数であること。2名(リーダーとサブリーダー)体制が基本形になります。そもそも弊社がそれほど人数がいる組織ではないというのもありますが、もっともらしい理由もあります。後述しますが、ベテランであれ新人であれ、分け隔てなく全員にリーダーの役割を割り当てることを前提にしています。なので、1つのチームが小さくなるのは自然なことです。また、プロジェクトが失敗しても損害を最小化できる、管理に不慣れなメンバーでも対処できるようにする。また、管理やコミュニケーションの手間が少なくて済む、といった利点もあります。もちろん少人数では大きな目標は立てられませんから、あくまで少人数で対処できる範囲の目標を立てることになります。
2つ目は、短期間であること。一番の理由は、「世界が変わっていくから」です。特にIT技術では激しいですが、日々新しい技術が出てくるので、プロジェクトに1年もかけていると、発足当初に考えたプランが陳腐化している恐れがある。からです。それ以外にも、3か月という期間は割と人間が予測できる範囲にあるということありますし、プロジェクト中に不測の事態が起きることを考えなくてよい。ということもあります。
3つ目、集中すること。つまり、基本的に担当する1つのプロジェクトに集中するということです。当たり前ですが、1つのことに集中している状態が最も生産性が高くなります。また、脳の記憶容量や時間を、雑多な問い合わせや三遊間にこぼれそうなボールを慌てて拾いに行く作業から解放することができます。
ミニプロジェクト型組織は実際どんな組織なの?
既にちらっと書いてしまったのですが、ミニプロジェクト型組織では、メンバー全員をいずれかのプロジェクトのリーダーにします。どんなプロジェクトのリーダーになるのかは、年間で取り組むテーマの中から、各メンバーに選んでもらいます。自分で選んだテーマであれば、取り組まない理由はありません。なぜか全員をリーダーにするのかというと、「誰かが何とかしてくれる」状態ではなくすためです。自分が責任者だから、問題が発生したら基本的に自分が考えて対処しなくてはならない。プロジェクトがうまくいくかは自分次第となります。逆に言えば、プロジェクトがうまくいけば自分の成果にカウントできるということになります。とにかく、成功でも失敗でも、やってみることを重視します。リーダーとして時間を集中投下することで、そのプロジェクトについてはかなり詳しくなるはずです。そうやって得意分野を作ることもポイントです。
ミニプロジェクト型組織だと、2名ですべてをこなさなければならない?急に大きな問題に対処に対処しなくちゃいけない場合はどうするの?と思われるかもしれません。この組織体制は、別にプロジェクト間が協力し合わないということは意味しません。むしろ、相互に連携して、協力し合うことを重要視しています。自分のプロジェクトを成功させるために、誰かを頼る判断も尊重します。
ミニプロジェクト型組織は、プロジェクトの成功、失敗に関係なく、メンバーの成長を重要視します。リーダーはそのプロジェクトの分野のプロになり、サブリーダーとなる後進を育成したり、得た知識をナレッジとして残したりすることが求められます。この結果として、そのプロジェクトチームだけでなく、組織全体が筋肉質になります。
なぜミニプロジェクト型組織なのか?
なぜこのような組織にしたいと考えたか、という話です。目的は3つあります。
1つ目としては、メンバーの自律性を高めるということ。機能型組織にありがちなのは、上長に権限が集中しすぎるあまり、全員が上長の判断を待ったり、依存してしまうということにあります。上長が自分ですべてを決めたいタイプだとボトルネックにもなる危険があります。例え間違った判断をしてしまうとしても、私は現場が判断する方が良いと思います。なぜなら、判断した結果の吉凶は、意外に想定外であることが多かったりするので、上長に経験があったとしても必ず正しい判断ができるとは限らないからです。もし判断に悩むのであれば、上長に限らず、いろんな人に相談したらいいのです。自分で考えて行動する、管理する、を常態化することが狙いです。
2つ目は変化対応力を高めること。少人数、短期間にしているのは言わずもがな変化対応力を高めるためです。また、3か月くらいなら失敗して無駄にしても取り返しがつきます。とにかく、失敗してもいいからやってみれる環境を作ること、それから、うまくいっていないなと思ったときに、リーダーがすぐに右へ左へ舵を切れることが重要です。そういった判断を繰り返すうちに、スピーディなプロジェクトのかじ取りができるようにすることが狙いです。
3つ目は集合知を高めること。リソースを集中投下してプロジェクトに専念できれば、その分野にはかなり精通すると思います。それをナレッジとして形式知化して組織に展開することで、組織全体の知とすることができます。情報が形式知化されていると、問合せしてくる人も減りますし、新しく入ってきた人をわざわざ教育する必要もなくなります。
最後に
これが、私の描いた絵の概要になります。抽象的な話が多くて全くイメージできなかったらすいません。いいことばかり書いてデメリットが書いてないじゃない、という意見もあると思います。まさにその通りで、実際にやってみて確かめたいと思います。現時点で、これがうまく機能するかどうかは、全く保証はありません。が、今期、私はこのやり方でチームを運営してみます。また、折を見て振り返りして、使える代物なのか検証したいと思います。
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