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山崎元さん

1月1日に、経済評論家の山崎元さんがお亡くなりになりました。
数ヶ月前、堀江貴文さんとの対談動画を偶然目にして、闘病されていることを知り、よくなられたらいいなと思っていたところでした。

noteも書いていらっしゃいました。

「癌」になって、考えたこと、感じたこと
というシリーズも投稿されていて、(5)がお亡くなりになる1週間前。

なぜ、山崎さんの訃報に心が動かされたのかというと、仕事の関係で1度だけお目にかかった時の印象が強く残っているからです。

著名人アレルギーになった経験

私、著名人が苦手です。
世の中には、「有名な人に会える」というと、喜ぶ方も多いのですが。

理由は、「傲慢で他者をリスペクトしない姿勢」が感じられるから。

東京に住んでいると、メディアに出ている著名人を見かけることは、さほど珍しくありませんよね。住んでいた集合住宅には、キャスター、俳優さん、漫画家さんなどがいたりしました。街で見かけた時も「あー、あの人だな」と気付きますが、ただそれだけ。家に帰って「○○さんがいたよ」ぐらいは話しましたが、喜んで騒ぐようなことはありません。

19歳の時、お知り合いの呉服屋さんから「成人式のための呉服フェア」といった催しの招待があり、母と出かけました。そこで、呉服の説明の後、彼が勧めたのが、某大女優(当時)のHさんとの記念写真。そうものに興味がなかった私達は一度は断りましたが、「是非に」と言われて、その女優さんと並びました。

その際の、Hさんの私達を見下したような態度は非常に不快なものでした。一応「よろしくお願いします」と挨拶したのですが、「フンッ」と。
あまりにも不愉快で、「やめれば(写さなきゃ)よかったね」と母と話しながら帰ったのを憶えています。

ところが、後ほど送られてきた写真をみて驚愕。Hさん、お美しくお優しい笑顔。人はここまで変われるものか・・・と、人間不信に。
と、同時に、一気に著名人への印象は悪化したのでした。
(その後、Hさんが出ている作品は一切観なくなりました。お子さんも世に出ているので、複雑な心境です)

山崎さんの腰の低さ

コーチ、人材育成コンサルタントとして独立した最初の10年くらい、執筆や書籍出版といった書く仕事をよくやっていました。その関係、および、仕事の幅を広げる目的で多くの人に会っていたため、時には著名人にもお会いする機会がありました。

著名な方全てがそうとは言いませんが、やはり、人というのは何かうまくいくと傲慢さというのはついてくるもの。女優のHさんのような態度を取る方もいらっしゃいました。その結果、著名人アレルギーは継続。

マスコミ関係の知人からパーティのお誘いなどが、ちょくちょくあった時期でもありましたが、全てお断り。「タレントの○○さんや○○さんに会えるよ」なんて、全く魅力を感じなかったのでした。

ある会でご一緒したのが、山崎元さん。
当時既にメディアによく出ていらっしゃっていたので、遠目にも「山崎さんだ」と認識。著名人アレルギーの私は、わざわざこちらから挨拶には行きません。

ところが、山崎さんは、一人一人に挨拶して回られます。

私のところにも来られて、名刺を出し、「山崎元と申します」と深すぎるお辞儀。「よく存じ上げています」とお伝えして、その後少し自分の仕事のことも話しました。すると、金融業界の人の育成などについていくつか質問などをされました。日頃感じている課題などについて、つい熱く話したのですが、目をしっかり見て、よく聴いて下さいました。最後は「機会があったらご一緒させて頂きたいですね」と仰りにっこり。世に出て活躍されているのに、人を大切にする基本姿勢がある方は、本当に素晴らしいな、応援させていただきたいと感じたものでした。

本物の成功者は「傲慢な自分」を克服する

その後、私も人生経験を積み、いろいろな方にお目にかかってきました。
わかったことは、
「本物は傲慢ではない」
ということ。

今ちょっと人生がうまく行っているからといって、傲慢さが全面に出ている方を見かけると、本物ではないな・・・と感じます。

もちろん、立場が上になれば、全員に同じ態度で接することはできないかもしれませんが、見下す必要はありません。どんなに成功しても、どんなに立場が上になっても、人として他者をリスペクトすることは可能なはず。
自分って凄い!と自己肯定感が高まることはよいことですが、そこを「傲慢さ」にしてしまう人とそうでない人との違いは大きいです。
後者こそが、本物だと思うのです。

山崎元さんのお話はもっと聴きたかった。
話を聴いて下さった時のあたたかい目、忘れません。
心よりご冥福をお祈りいたします。

#仕事について話そう

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