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ビビりの快進撃

私は知っている。

息子が生まれつきビビりである、
ということを。

親譲りなので
致し方ないのではあるが、

生まれてすぐの頃は
ビビり具合が顕著で

ドアの開閉音だけで
身体が大きくビクッとし

常に知ってる誰かと一緒じゃないと
安心できない。

特に新しいことが苦手なのは
今もそうで

快進撃が生まれることになる
夏休みのお笑い教室1日目は

表情筋が消え去るくらいの
無表情で会場へ向かっていた。

新しい人間関係や環境
また見ぬ世界へのビビり感は

生まれ持った本能や特性といった
力なのだろう。

そんな彼がこの夏、
お笑い教室で出逢った仲間2人と組んで

なんとM-1の予選に出場する、という
快進撃を遂げたのだ。

残念ながらタイミング悪く
インフルエンザに罹った娘の看病で

現地で見守ることは叶わなかった
のだが

見たことのない景色の中
とても頑張ったようだ。

台本にないアドリブを
入れちゃったりしちゃって

母が知っているビビりな彼は
いつのまにか進化していたようだ。

知らぬ間にビビり枠を飛び越えて
見えないところでやってるんだなー、と

見えるところがいい加減な彼の
成長に思いを馳せる、ビビりの母。


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