こんにゃく芋のルーツ・栽培方法
〈目次〉
1.こんにゃく芋のルーツ
2.こんにゃく芋の種類
3.こんにゃく芋の栽培法
1.こんにゃく芋のルーツ
こんにゃくは「こんにゃく芋」(こんにゃく玉とも呼ばれる)というサトイモ科の植物の球茎から作られる加工食品です。
こんにゃく芋の原産はインドシナ半島といわれ、現地では芋の形状から「象の足」という異名があります。
今でも東南アジアには数多くのこんにゃく芋の仲間が自生し、その種類は約130種といわれています。
その多くは日本のこんにゃく芋と品種が違い、こんにゃくマンナンという食物繊維の含まれないこんにゃく芋で、加工しても固まらず、こんにゃく作りには適しませんでした。
しかし、最近では中国をはじめ東南アジアの各国においても日本向けに食用として栽培している状況です。
こんにゃくは6世紀頃仏教とともに医薬品として中国から日本に伝わったとされていますが、はっきりとしたことはわかりません。
植物としてはサトイモなどと一緒に縄文時代には伝来していたとみられています。
こんにゃく芋は、じゃがいもと同様に種芋(※)から増やしますが、じゃがいもと違って成長するのに2~3年必要です。
※ 種芋(タネイモ)とは、春に植える種とするため、冬の間貯蔵しておく芋のこと。
まず、春に種芋を植えると新イモができ、そこから側芽(吸枝)が伸び、秋には生子(きご)というこんにゃく芋の“赤ちゃん”ができます。
この生子を一度収穫し、次の春に再植付けをしたものを1年生、これを秋に収穫したものを2年生、さらに次の春に植えて秋に収穫したものを3年生と呼びます。
生子から1年生では5~10倍に、2年生から3年生ではさらに5~8倍に成長し、3年生になると大きいもので直径30cmほどに成長します。
こんにゃく作りに適しているのはこの3年生ですが、こんにゃく芋は低温に弱く、腐りやすいため、収穫してから次に植えるまでの保管がとても難しい作物なのです。
2.こんにゃく芋の種類
日本には、古くから栽培されている「在来種」「備中種」という種類がありました。
これらはそれぞれが似た性質を持っていたため、掛け合せて品種改良することが難しく、大正時代に中国から「支那種」という種類を輸入することで、より栽培しやすい品種を作ることに成功しました。
その結果「はるなくろ」、「あかぎおおだま」、「みやままさり」という改良種が誕生しました。
現在ではこの3品種で生産の98%以上を占めています。このように最近ではより栽培しやすく、生産性の高い品種が登場しています。
3.こんにゃく芋の栽培法
古くから栽培されていたこんにゃく芋ですが、意外にも安定した栽培法が確立されたのは昭和30年頃です。
こんにゃく芋は葉に傷がつくだけでも病気になってしまうほどデリケートな植物のため、強い日光や風、干ばつ、水はけのわるい場所ではうまく育ちません。
それまでは長年の経験と運まかせだったため、「運玉」とも呼ばれるほど栽培者泣かせの作物だったのです。
こんにゃく芋は年平均13度ほどの気温が必要なため、寒冷地では栽培はできるものの、大きく育つことが難しく、露地栽培は宮城、山形あたりが北限となります。
昔はごく一般の農家で家庭用に栽培されていましたが、生産重視の栽培になってからは群馬をはじめ、栃木、埼玉などの北関東地方で多く作られるようになりました。
種芋となるこんにゃく芋は収穫後の温度管理が必要です。畑で半日干してからさらに風通しのよい日陰でよく乾燥させます。
冬の間は新聞紙に一つずつくるみ、風通しのよいかごなどに入れて最低気温が13度以下にならないところに保存します。
参照元: 「一般財団法人 日本こんにゃく協会」Webサイト
以上
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