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認知バイアス


認知バイアスの存在と、認知バイアスの対策方法を理解することで、仕事の大きなミスを減らすことができる



〈目次〉
1.はじめに
2.認知バイアスとは?
3.代表的な認知バイアス
 ①確証バイアス
 ②現状維持バイアス
 ③フレーミング効果
 ④サンクコスト効果
 ⑤現在志向バイアス 
 ⑥正常性バイアス  
 ⑦生存者バイアス
 ⑧内集団バイアス
 ⑨ハロー効果
4.認知バイアスの対策方法
 ①客観的データに基づいて判断する  
 ②異なる意見に耳を傾ける
 ③自分の思考の傾向を把握する
5.おわりに
 

1.はじめに
認知バイアスとは、私たちが意思決定をするときに、先入観や経験則、直感などに頼って非合理的な判断をしてしまう心理傾向のことである。

認知バイアスは、多かれ少なかれ誰にでも発生するものだが、ときには仕事で大きな判断ミスを引き起こす原因になりかねない。

今回は、認知バイアスの概要と種類、認知バイアスの対策について、主に仕事の場面を意識して、ご説明したい。

2.認知バイアスとは?
「認知バイアス」とは、人間が物事の意思決定をするときに、これまでの経験や先入観によって合理性を欠いた判断を下してしまう心理傾向を指す。

仕事におけて、大きな判断ミスを避けるために、認知バイアスの存在を知り、影響を軽減する方法を知っておくことが重要である。 

3.代表的な認知バイアス
代表的な認知デバイスについて、ご紹介する。

①確証バイアス
確証バイアスとは、自分の思考や願望の確証となりそうな情報ばかり探してしまい、反対意見となる情報は軽視してしまう心理傾向を指すり

たとえばSNSで自分と同意見の人を探してしまったり、反対意見を見ると「この人は考えが浅い」と感じたりする場合がある。これは確証バイアスに陥っていると言える。

②現状維持バイアス
現状を「安定」と捉え、その状態が崩れることを嫌う心理状態を指す。

現状維持バイアスが強い人は、新しい情報や未経験の物事にマイナスのイメージを抱きやすい傾向にある。

組織全体で現状維持バイアスが強くなりすぎると、市況の変化に鈍感になる。

③フレーミング効果
まったく同じ情報を見ていながら、焦点の当て方や表現を変えただけで、判断の方向性まで変えてしまう心理傾向を指す。

たとえば「2人に1人が効果を実感」と「50%の人は何も効果がなかった」は、数字の意味は一緒でも、文章から受けるイメージは異なる。

フレーミング効果は、広告などで特に利用されている。数字を見て「なんとなく良さそうだ」と思っても、あえて別の見方で考える癖をつけることが対策になる。

④サンクコスト効果
費やしたコストや時間にこだわり、損する可能性が高い状況でも、投資や事業を止められなくなる心理傾向を指す。

たとえば事業を撤退すべきかどうかの判断において「ここまで投資したなら、続けないともったいない」と感じるような場合は、サンクコスト効果
の影響を受けている。

⑤現在志向バイアス
将来の利益よりも、現在の利益を優先してしまう
心理傾向を指す。

たとえば「いま投資すれば、5年後には大きな利益を得る可能性が高い」と頭でわかっていても、目の前の利益を優先させてしまう。

⑥正常性バイアス 
都合の悪い情報を軽視して、自分は大丈夫だと思い込む心理傾向を指す。

正常性バイアスが高いと、なんらかのトラブルが発生したときに「きっとなんとかなるだろう」「急遽の対応は必要はない」と思い込みやすくなり、危険である。

⑦生存者バイアス
生存者バイアスとは、成功者の意見を重視して、それ以外の敗者の意見を軽視することを指す。

単に運がよかった他社の成功事例を参考にしようとしたり、失敗の可能性を甘く見積もりすぎる傾向がある。

⑧内集団バイアス
自分が所属する集団のメンバーのほうが、別の集団のメンバーよりも人格・能力ともに優れていると思い込む心理傾向を指す。

内集団バイアスが強くなりすぎると、外集団に対して理由なしに低評価をくだしたり、差別意識を誘発する。そのことにより、企業の職場環境を悪化させる恐れがある。


⑨ハロー効果

対象や集団を見るときに、一部の特徴に引っ張られて、全体的な評価をしてしまうことを指す。

好きなタレントがCMをしている商品に好印象を抱くときなどは、ハロー効果が働いていると言える。

4.認知バイアスの対策方法
認知バイアスは、私たちが意思決定をするシーンでよく発生する。

認知バイアスに振り回されずに、意思決定を行う上で、代表的な対策をご紹介したい。

①客観的データに基づいて判断する
認知バイアスに意思決定が左右されるとき、私たちの判断軸は先入観や経験則、直感などに支配されている。

したがって、客観的な事実やデータを分析できる状態を作り、データに基づいて判断する癖をつけることが対策になる。

②異なる意見に耳を傾ける
あえて自分の意見とは異なる意見を重視することも、認知バイアスの回避につながる。

先述したとおり、人間には確証バイアスがあり、無意識に自分の意見を補強する情報を探そうとします。そこで、意識して反対意見を持つ人と議論を交わし、視野を広げられる状況を作るのです。

③自分の思考の傾向を把握する
自分の思考の癖を知ることは、認知バイアスの回避につながる。

自分自身を把握することで、認知バイアスに左右されそうなシーンにおいても、一歩引いて自分の意思決定を見つめ直せるようになる。


5.おわりに
認知デバイスは、無意識で生じやすい、思考の
歪みとも言える。ただ、「認知バイアスの存在」と「認知デバイスの対策方法」を理解することで、仕事の大きなミスを減らすことができると考える。


以上


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