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「イソップ寓話」について


イソップ寓話は、「うさぎとかめ」や「北風と太陽」などでお馴染みの世界中で愛され続けているいる童話です。

誰でも一度は聞いたことのあるお話も多いと思います。ただ、概要についてよくご存知の方は意外と少ないかもしれません。

そこで、今回はイソップ寓話がどのようなお話なのか、解説したいと思います。


〈目次〉
1.イソップ寓話とは?
2. アイソーポス(英語: イソップ)はどんな人だったのか?
3. イソップ寓話の内容と特徴
4.イソップ寓話の特に有名な物語のあらすじと教訓
(1)ウサギとカメ 
(2)アリとキリギリス
(3)オオカミ少年(嘘をつく子ども)


1.イソップ寓話とは?
イソップ寓話は、アイソーポス(英語: イソップ)という人が語ったとされる物語を集めた寓話集です。

擬人化した動物たちが登場して、当時の日常生活や人々の精神性を描いた教訓・風刺めいた内容が多いのが特徴です。

そのため、大人も学びになる物語が多いです。

※寓話:  教訓的な内容を、他の事物、主として動物にかこつけて表わした、たとえ話。


2.アイソーポス(英語: イソップ)はどんな人だったのか?

当時の記録が見つかっていないため諸説ありますが、紀元前6世紀のアナトリア(現在のトルコ)出身と言われています。

アイソーポスは奴隷でしたが、語りに秀でていたため、奴隷の身分から解放されました。その後、多くの人々に寓話を語り、伝えていきました。

このアイソーポスの寓話を集めたものがイソップ物語です。

アイソーポス自身は著作を残しておらず、イソップ寓話を編纂したのはアリストテレスの弟子のデメトリオスと言われています。


3.イソップ寓話の内容と特徴


現在は、こども向け童話の代表格のイソップ寓話ですが、もともとは奴隷のアイソーポスが生きるための知恵や権力者を戒めるためにつくったものでした。


そのため、宗教的、社会的、政治的な内容が含まれています。

倫理的な側面から、イソップ寓話はルネッサンス以降、子供たちの教育によく使用されました。

ルネッサンスで、イソップ寓話の内容が、彫刻、絵画、演劇、歌などの芸術の分野で取り上げられました。そのことで物語の意味があらためて解釈され、教訓や風刺の色彩が濃くなっていきました。


4.イソップ寓話の特に有名な物語のあらすじと教訓

イソップ寓話は簡潔で短いストーリーが多く、身近な動物たちや村人、農夫たちが織りなすありふれた日常をあつかった寓話です。

心温まるものもあれば、考えさせられるものもあります。


以降、特に有名なイソップ寓話について、あらすじと教訓についてご説明いたします。

(1)ウサギとカメ


ウサギとカメが山のふもとまで走って競争することになりました。ウサギはどんどん先に進み、カメはのろのろとふもとへ向かいます。

これは勝負にならないと、ウサギは途中で居眠りをはじめます。カメは遅いながらも休まず着実に歩みを進めます。ウサギが目覚めた時にはカメはすでにふもとに辿り着いていました。

この物語には、

・頑張れば努力は報われる
・いつか大きな成果を得る可能性もある
・油断大敵

という教訓が込められています。


(2)アリとキリギリス


ある夏の日、キリギリスは木の下でバイオリンを弾いて楽しんでいました。一方、アリたちは一生懸命食料を運んで働いています。

沢山食べ物はあるのに、あくせく働くなんて馬鹿らしいとキリギリスはアリをあざ笑います。

やがて寒い冬がやってきました。キリギリスは遊んでいた為に冬の備えをしていませんが、アリは夏のうちにしっかり働いていたので、備蓄は万全です。キリギリスは食べ物を分けてもらいにアリの家へ行きました。

この物語の結末には、2つのパターン用意されています。

・アリがキリギリスに食べ物を分けて「めでたしめでたし」という結末。
・キリギリスを軽蔑したアリが食べ物を分けずに冷たく突き放す結末。

前者の結末ではキリギリスは改心して働くようになります。後者の結末では飢えて死んでしまいます。

いずれにしても、計画的に生活することの大切さが教訓となる物語です。キリギリスにチャンスを与えるか否か、選ばれる結末は人それぞれということも教訓としているのかもしれません。


(3)オオカミ少年(嘘をつく子ども)


羊飼いの少年が、退屈しのぎに「狼が来た!」と嘘をついて騒ぎを起こします。騙された大人たちは武器を持って助けにきますが、無駄足に終わります。

少年が繰り返し同じ嘘をついたので、本当に狼が現れた時には大人たちは信用せず、誰も助けに来ず、村の羊は全て狼に食べられてしまった、というお話です。

・人は嘘をつき続けると、本当のことを言った時に信じてもらえなくなる
・日頃から正直に生活することで大切な時に他人から信頼と助けを得ることができる

という教訓を示しています。


参照元: 「TURKISH Air & Travel」Webサイト

以上

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