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文学

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文学について書いた記事をまとめています。
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#文学

卒論のテーマが検閲だった私がここ1ヶ月思うこと

卒論が太平洋戦争を起点とした日本の文学検閲についてだった自分は、最近ゾッとすることが多く…

女三宮
2年前
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タコピーの原罪と幸福論と現実逃避

以前、「幸せの話より平和の話をしてくれ」という記事を書いたが、最近それと似たようなことを…

女三宮
2年前
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アイデンティティと『こころ』

日本文学とクラシック音楽と着物と美術が好きでバレエをやっていたと言うと「趣味が高尚ですね…

女三宮
2年前
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秋の和歌紹介

こちら に続き秋の歌を紹介していきましょう。百人一首から! 吹くからに 秋の草木の しをる…

女三宮
2年前
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ルックバック、現実とフィクション、近代漫画の夜明け

仕事でイラつき過ぎて気付いたら全員殺していたなんてことになりかねない状況なので、心を落ち…

女三宮
3年前
9

大学の平安の人

大学の時の平安の人(中古文学の教授)が、ロマンも何もない人だった。 『枕草子』は随筆、随…

女三宮
3年前
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白樺派のすごさ/もしyoutuberだったら

白樺派の人たちは、自分たちが階級の上に居るということに皆大小あれど苦しんでいるということ。そのすごさ。 馬鹿お坊ちゃんって現代に一定数いるじゃないですか。親の才覚を自分のものと勘違いしてやりたい放題の。当時もそりゃあ居ただろうけど、彼らは違う。公家や官僚や実業家の家に生まれ、学習院の教育を受け、桁違いの資産を持っているくせに、階級なんてなくなれば良い、と思っている。志賀は父と対立したし、有島は北海道の土地を開放したし、武者小路は階級のないユートピア「新しき村」を創った。

正岡子規と写実主義を考える〜なぜ鶏頭論争は加熱したの?〜

さんざんゼミで近代の文学論争をやったくせに、「鶏頭論争」を今更詳しく調べましたよ。なんか…

女三宮
3年前
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春の和歌紹介

春の和歌を見ていきましょう。百人一首から! 花さそふ 嵐の庭の雪ならで ふりゆくものはわ…

女三宮
3年前
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新年 西郷隆盛と鷗外と漱石の話

あけましておめでとうございます。 書きかけのnoteを見て思い出したがそういえば年末に大きめ…

女三宮
3年前
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本当に太宰の文芸は自殺をまたねば成就を見ないのか? 檀一雄という人間

「太宰よ!45人の追悼文集:さよならの言葉に変えて」が届いた。 表紙に、檀一雄の「彼の文芸…

女三宮
4年前
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良い小説

「良い小説」と思う基準はいくつかあって、少なくとも、 ・今とは違う時代の空気感が、読んで…

女三宮
4年前
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宮沢賢治と保阪嘉内の関係はBL化出来るか

宮沢賢治「銀河鉄道の夜」のジョバンニとカムパネルラは賢治と親友の保阪嘉内説、を推している…

女三宮
4年前
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人間失格 太宰治と3人の女たち 感想徒然

「人間失格 太宰治と3人の女たち」を見た。 太宰ファンであるので義務だった。 感想は、良いか悪いかで言えば良かった。 これを観て、「蜷川実花は文学を舐めている」とかいうレビューを書いている人はその人こそ文学を舐めている、というか太宰を知らないのだろう。 蜷川実花の耽美な世界観は嫌いじゃないし(ファッションが何よりサイコーだった)、太宰の描き方も解釈違いというわけでもなかった。なので良かった。 凄いと思ったのは、やはり太宰治という作家のことだった。 それこそフィクションの