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ジョブ型新卒採用とは?トレンドになっている理由と事例について説明

新卒採用で聞かれることも増えてきた「ジョブ型採用」。
本日はジョブ型採用について、お話しします。

ジョブ型採用とは?

ジョブ型採用とは、募集時に予め企業が採用したいポジションにおいて、担ってもらう役割・責任や、求める要件を「ジョブディスクリプション(職務記述書)」として記載し、その要項に沿った人を採用する手法です。
日本ではこれまで「総合職」「一般職」といった区分や、「営業職」「技術職」といった職種別の区分はありましたが、さらに踏み込んでジョブディスクリプションに落とし込むことでポジションにおける期待役割や具体的業務も候補者に共有し、お互い合意をとった上での採用となるのが従来との違いです。

なぜ、ジョブ型採用がトレンドになってきたの?

ジョブ型採用が一部の会社で導入されてきたのは、いくつか理由があります。

①候補者の価値観の変化

終身雇用を前提とした上で、新卒採用を行い、長い期間様々な経験をさせた上で、優秀人材を見極め、経営層に育成していく、ということが従来の日本企業の考え方でした。
しかし、「配属ガチャ」という言葉にあるように、候補者である学生にとっては、入社後どんな仕事につくかわからないという不安があります。
以前は配属先が希望通りでなかったとしても、入社した会社でなんとか頑張るのが一般的でしたが、転職がしやすくなった昨今においては、特に若い世代の見切りもはやく、興味がないと思ったら早めに転職してしまうことも多いようです。
企業としてはせっかく採用した人材が転職するのは採用コスト、育成面でももったいないといえ、それであれば事前に職務の内容について本人と合意形成をとることができる「ジョブ型採用」が好ましい」という考えがあるようです。

②会社としても候補者に期待値を伝えたいため

企業としても、一般的には即戦力人材や、仕事に対して熱意のある方が来たら嬉しいですよね。
新卒はポテンシャル採用の意味合いが濃く、なかなか即戦力人材がくるのは難しいとは思いますが、企業としても年功序列の考えが薄くなる中で、候補者である学生に期待値を伝えるという意味でも、ジョブディスクリプションを書くのは有効だと思っているからです。
また、日本は従来「ハイ・コンテクスト文化」で、あまり言葉を発せずとも、言いたいことが伝わるであろうし、理解してほしいという価値観でしたが、多様な価値観の人材が増えるようになり、かつコロナを機にリモートワークも進んでいる中で、ハイ・コンテクストでコミュニケーションをするのもなかなか難しくなっています。
そのような中で、文章に記載をし、改めて期待値のすり合わせを行うことは新卒採用や採用という括りに関わらず、とても重要になってきています。

ジョブ型の新卒採用を実施している会社

ここではジョブ型採用をしている会社の例を紹介いたします。

大塚商会

大塚商会は、特定の条件(スキル・経験)を満たしている方に対し、職務内容を明確に定義し採用する「ジョブ型採用」を実施しています。
具体的にはAIエンジニアやコーポレートスタッフ(経理)などのポジションに対しては、細かな募集要項を作成し、そちらをもとに採用を行っています。
一方で、従来どおりの営業職、スタッフ職といった職種採用も実施しています。

NEC

HP 採用ページより抜粋

NECはすでにジョブ型を導入している企業ですが、新卒採用に関しては、基本的に職種別採用、一部ジョブ型採用を導入しています。
例えば、知的財産職に関しては、一般的にはスタッフ職に含まれると思いますが、渉外・技術に分け、特別なコースとし、部門と職種を内定時に確約しています。
また、2019年10月より、研究職を対象に、新卒年収が1000万円を超える可能性がある給与を支給すると発表しています(出所:ITメディアビジネス)。
このように、有している技術や経験をベースに、新卒社員であっても、技術や経験に即した処遇を行っているようです。

いかがでしたでしょうか?
ジョブ型採用を検討する際の一助になりましたら幸いです。

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