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【ベトナム人の国民性】遠くの高給よりも、近くの薄給を優先する話

ベトナムでは、海外に出て働くことは一般的です。2021年時点では、合計58万人のベトナム人が日本や韓国、台湾をはじめとした国で働いています。

自国で働くよりもお金を稼げるということで、毎年多くの海外就職志望者がいたのですが、最近少し状況が変わってきているようです。

ハノイ機械電気大学のDong Van Ngoc学長によると、多くの学生は海外に出るよりも、自宅の近くやベトナムの大都市で働くことを希望している。

ベトナム人の「家族の近くに住む」という伝統が、多くの学生に海外で働くことを躊躇させている。

ベトナムの多くの若者は、外国で働く場合の月給が3000万ドン(約17万4300円)程度であれば、地方の大都市で月給1500万ドン(約8万7100円)、故郷で1000万ドン(約5万8100円)で働くことに比べて魅力を感じないという。

出典元:Poste

外国では自国の2~3倍の給与を稼げるものの「家族の近くに住む」という伝統が優先されつつあり、最近は学生が海外就職を躊躇していて志望者が減ってきているという内容です。

なぜ最近になって志望者が減ってきているのかを考えたときに、個人的には理由は2つあると感じています。それは「昨今のコロナ事情」「外国で稼げるお金を自国で稼げるお金との差が埋まってきている」です。

まず「昨今のコロナ事情」について。
新型コロナ流行により2020年の3月頃から各国で出入国規制が始まりました。私はその時からベトナムにいるので理解できるのですが、いざというときに自分の国へ帰れないのは、非常に心細いものです。家族を重んじるベトナム人は、きっと私以上に寂しさを感じ帰国を望んでいたのだと思います。

続いて「外国で稼げるお金を自国で稼げるお金との差が埋まってきている」ことについて。
ベトナム人の給与は、毎年上がり続けています。記事にもあるように、地方の大都市でも月給1500万ドン(約8万7100円)ほどの給与をもらえる仕事は多くあります。リスクを負って色々なものを捨てて海外就職しても給与は2倍程度、とあれば国内に留まる判断も理解できますね。

今後も海外転職の需要は残り続けるとは思いますが、人材不足の穴埋めのような採用をしているところは逆に敬遠されていくかもしれません。日本の不景気、円安、人材不足、という状況を考えると結構心配です。。。

最後に余談ですが、前ベトナム人奥さんに「ベトナム人の学生が、お金を稼いで人生成功したいと思ったら何を目指すの?」と聞いたことがあります。

その時の答えは「お金を稼ぎたいと思ったら、アメリカやヨーロッパでITエンジニアや建築士を目指す」でした。職種はさておき、自分の国で稼いで成功したい、と考える人は多くないようです。

日本人では「給与のいい企業に就職する」「難関資格を取る」「起業する」という考えに行きつく人が多いと思います。これらはすべて日本国内で行うことが前提であることに対して、ベトナムではそもそも働く国からして違うっていう話です。

あまり深堀りはしませんが、ベトナム人のベトナム国内企業・市場への思いが垣間見えた瞬間でした。

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