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Dear slave 親愛なる奴隷様 Loveですぅ! 第73話 勝負ぱんつ?

 夏休みになりバイクイベントであちこち走り回っている。随分バイクの運転にもなれてきた。明日は伊豆に出発するので準備を始める。琴音さんは寂しそうだが手伝ってくれている。

「これタオルよ、それからこれ………」

「ありがとう………ん………」

 タオルと一緒に渡された小さく畳まれた物を見た。それはカッコいいパンツだった。

「何ですかこれ?」

「星七用の勝負パンツ………」唇を尖らせた。

「勝負ぱんつ???」

「だって、もしパンツを見られることがあったらカッコいいほうがいいじゃん」

「琴音さん!そんなの必要はありません!」アホらしさに肩が落ちてしまう。

「でも………お風呂上がりとかに偶然見られたりするかも知れないし………それで星七が幻滅されたら嫌だもん………いや、幻滅されて嫌われたら嬉しいけど………やっぱり幻滅されたら嫌だなあ………」

「何考えてるんですか、全く………」

「きっと茉白ちゃんは可愛い下着でくると思うよ、絶対そうよ!だから星七が見劣りしたら嫌だ!」

「う〜ん………」僕は頭を抱えた。

「茉白ちゃんの可愛い下着を見たらドキドキするでしょう?」

「僕はいつも見てますから、ランデビ………う………しまった!」うわ〜!とんでもない失言をしてしまった。

「何?ランデビって?」

「………………………」

「ねえ、ランデビって?」僕を押し倒しそうな勢いでつかんできた。

「………………………」

「教えてくれないんだ………」みるみる寂しそうな表情になっていく。

「あのう………一緒に暮らし始めた頃、琴音さんにこっそりニックネームをつけたんです………ランジェリーデビル琴音って、それがやがて『ランデビ』に進化したんです………」

「えっ………プッ………何それ………そんな事思ってたの………クフフ………クフフ………ハハハ………もうだめ〜!」

 琴音さんは笑い転げた。僕は恥ずかしさで小さくなっている。

「だって、ちっとも服を着てくれないから………」

「私………全然誘惑出来てなかったのね………むしろ逆効果だったのかなあ………」

「初めはドキドキしましたよ………でも毎日になると流石に拷問でした………」

「そうだったんだ、ごめんね星七、もうランデビは卒業するわ」ニッコリした。

「………………………」僕は少し残念に思った。えっ?何で残念なんだろう?

「これ、やっぱり持っていって」琴音さんは避妊具の中身を2個渡した。

「だからいらないってば!」

「でも………星七は優しいから持ってた方がいいと思った」

「………分かりました………」僕はリュックの内ポケットへ見えないように入れた。

翌朝はいい天気になった。出発しようとすると琴音さんが心配そうに見ている。

「絶対に安全運転してね、約束よ」

「大丈夫です!」

「やっぱり心配だ、近くまで付いて行こうかなあ………」オロオロしている。

「僕は幼稚園児じゃないんだから、大丈夫だってば!」

「だって………心配なんだもの………」

「琴音!大丈夫だ、僕を信じろ!」

「もう………行ってらっしゃい………」

僕は伊豆に向かって出発した。

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