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隠れ家の不良美少女 128 たかじょの取材

俺は事前に綾乃さんの親友、木村夏菜《きむらなつな》さんと打ち合わせしていた。
綾乃さんの紹介動画を撮影するため、奏太くん、未来ちゃんと高崎の高峰女子高校へ向かう。
高峰女子高校の前で夏菜さんが待っていてくれた。
学校の許可を得て、校内を撮影する。
教室には綾乃さんの同級生が集まってくれている。
担任だった先生も来てくれ、学生時代の綾乃さんの話を聞かせてくれた。
学園祭の話が出て盛り上がった。
女子高なので恋の話は出なかったが、他校の生徒から相当アピールが有ったらしい。
結婚式当日応援に来てくれる子達と打ち合わせして学校を後にする。

その後夏菜さんと会社の社員食堂へと向かう。
食堂で、料理上手な綾乃さんの意見を取り入れたメニューなどを紹介してくれた。
しっかり料理の映像も記録する。

そして綾乃さんが所属する女性だけのマーケティング課へ向かう。
課長の留美《るみ》さんへ話を聞く。
留美さんの彼は新くんの先輩で大学からの付き合いだ。
友人代表の挨拶をお二人にお願いした。

マサキ本社の必要な映像も記録する。
将暉《まさき》社長や森田《もりた》専務にも話を聞く。
二人の率直な胸のうちも聞く事が出来た。

3人は高崎を後にする。
車の中で奏太くんがポツリと漏らした。
「新さんって凄い人ですね、あんな会社のお嬢さんと結婚するなんて……… 」
「そうよねえ……よく付き合う気になったよね」未来ちゃんも不思議そうに言った。
「知り合った頃はマサキの事は何も言わずに、小さい会社の社長の娘だって言ってたらしいよ」
「「そうなんですか!」」二人は驚いた。
「ああ、騙されたって笑ってたよ、新くんは」
「笑って済ませられるのはやはり凄いですよ」
「器が大きいんですね」
「新くんは怖くて逃げられないって言ってたけどね」
二人は笑った。
「友希さんも凄いですよ、キナコちゃんは和也さんの娘ですからね」
「俺も本人も知らなかったからね」
「知ってたらどうだったんですか?」未来ちゃんが聞いた。
「近づかなかったかも知れないなあ……」
「そうなんですか?」疑わしそうな口振りだ。
「でも(仮)は外れたんでしょう?」
「妹が勝手に外した」
「やっぱり外れたんだ………」
「未来ちゃん、高望みはいけないよ」奏太くんが笑った。
「どういう意味よ」未来ちゃんは奏太くんの首をしめた。

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