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隠れ家の不良美少女 65 イメージダウン

「お母さん、私やっぱ東京の大学に行くわ」
「そう、いいわよ」母さんは笑っている。
「お兄ちゃん、東京に行ったら当然プロデュースしてくれるよね」
「ええっ!母さん、ちょっと甘すぎないか?」
「何言ってんのよ、友希だって好きなようにさせたわよ」
「う………」
「私、お兄ちゃんと同じ大学に行こうかな」
「それもいいわね、じゃあまた所沢へ部屋探しに行かなくちゃあ」
「えっ?そんな簡単に大学へは入れないぞ」
「えっ、どうして?」妹は不思議そうな顔をした。
「あら、美香の学力なら心配ないわよ」
「そうなのか?」
「友希、何言ってんだよ、兄妹で一番成績が悪いのはお前じゃないか」兄が笑っている。
「えっ!」希和が驚いて家族を見渡す。
「そうよ希和ちゃん、三人の兄妹で一番成績が悪かったのは友希なのよ、でも捨てないでね」
「母さん、何を言うんだよ」
希和は目をパチパチとさせ固まった。
「私が一番成績がいいのよ」妹は自慢げに希和に言った。
「そうなんですか、凄いです」希和は驚いて見ている。
「希和ちゃん、東京に行ったらよろしくね」希和の手を握った。
「はい、よろしくお願いします」

「ねえ、希和ちゃんは私のお姉さんになるの?でも年下だよね?」妹は考えている。
「そうね、その場合どうなるのかしら?」母も考えている。
「お兄ちゃんのお嫁さんだから……やっぱお姉さんかなあ?」
「二人ともいい加減にしてくれよ、まだ彼女(仮)なんだから」
「あら、それは私がもう(仮)を外したもの、ねえ希和ちゃん」
「嬉しいですう」ゆるい笑顔になった。

「でも、なんでお兄ちゃんを好きになったの?どこが良かったの?」妹は不思議そうに眉を寄せて聞いた。
「私高校生になったら、不良にストーカーされて仕方なく学校を退学したんです。でもその後も付き纏われて困ってたら、友希さんが不良をやっつけてくれたんです、希和は俺の彼女になったから2度と手を出すなって言ってくれて」
希和は夢見る少女のような顔をした。
「かっこよかったんですう」思い出してゆるい笑顔になった。

「「「え〜!あの弱虫だった友希が?」」」
「友希、格闘技習って良かったな」兄が深く頷く。

「ううう………」俺は頭を抱え込んだ。
「友希さん、大丈夫?」希和が心配そうに見ている。
「帰ってくるんじゃなかった」俺は後悔した。
「そんな事ないもん、希和はとっても嬉しかったよ」
「そうか……」
「希和ちゃん、これからも友希と仲良くしてあげてね」母はにっこり微笑んだ。
「はい、私は友希さんが大好きですからずっと離れません」力強く宣言した。
その夜希和は俺の部屋で一緒のベッドで寝ることになる。
「友希さん、希和はとっても幸せだよ」そう言って抱きついてきた。
「俺のイメージはボロボロだな」笑った。
「ううん、ずっと近くに感じられて嬉しい」
「そうか」

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