コメント_2019-11-16_205418

新素材マスクから見るプロダクト進化論

最近コンビニで見るようになったこのマスク、「新ポリウレタン素材」でできているのですね。

マスクの利用は花粉症や大気汚染と深い関係があります。ですが、何よりも使い捨てマスクを日常に定着させたのは間違いなく「不織布」の技術進化だったはずです。

不織布技術は、現在我々が一般的にみる「使い捨てマスク」を一般的なものにしました。よく見るプリーツが入った白くて四角いマスクです。不織布という技術の革新と価格低下はマスクに対する我々の概念を変え、生活の中に浸透し、使い捨てマスクは我々の日常に定着しました。

驚いたのは、ここまで日常に定着して圧倒的だと思われていた不織布マスクという市場に、全く違う技術であるポリウレタンを利用した技術がいきなり隣から殴りこんできたことではないでしょうか。

伸縮性のあるポリウレタンシートですから、顔に密着するし、耳に掛ける部分も伸縮します。通気性や伸縮性に関する部分、ポリウレタン独特の匂いを消すところなどは相当の技術革新が起きたのでしょう。何よりも価格面で競争力がつける目途が付いたのかもしれません。

また、伸縮性があるシートを自由に切ったり、熱で加工できるので、成形の仕方も不織布のマスクとは全く違うものになっていることが想像されます。つまり、不織布マスクとポリウレタンマスクは同じ「マスク」機能を有しますが、実態は全く違うものなのです。

これを聞いてタラバガニとズワイガニを思い出しました。両者とも美味しいカニに分類されてしまいます。しかし、進化の過程で両者は似た形になりましたが、厳密にはタラバガニはカニではなくヤドカリなのです。足の数も2本少ないのです。つまり見た目も機能も似てますが「違うもの」なのですね。(これを生物学では「収れん進化」と言います。)

ポリウレタンマスクの方が色やデザインは自由になりそうなのは間違いないので、価格競争力さえあれば、ある一定のシェアを取るのは間違いなさそうです。もしかすると業界全体を置き換えてしまう技術進化も起きえるでしょう。不織布の業界も戦々恐々でしょうね。

不織布マスクとポリウレタンマスク、この両者を生物進化論的に比較するのも面白そうですし、他の業界でも起こり得ることだといえるでしょうね。

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