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ものづくりのパラダイムシフト

テスラの時価総額がトヨタを上回った。市場の評価は未来への期待値だ。つまり、もう認めた方が良い。トヨタはテスラに負けた。でもそれは自動車会社としてではない。

そもそも、テスラが世界一の自動車会社になったという評価もおかしい。実はテスラは自らをエネルギー革新の会社と定義してるからだ。

それでも、自動車アナリスト達は大量生産100万台の壁はそんなに簡単ではないとぬかす。でた、伝家の宝刀「ものづくりの壁」。

まだまだ、従来型ものづくりの思考から抜けられないらしい。

テスラは自動車を作ってない。テスラは走るスマホを作っているだけだ。100万台つくるのは下請けになったトヨタがやればいいと思っていると思う。


かつて進取の気性に溢れたソニーやシャープは革新的なハードウェアを次々と開発していた。一方の松下は彼らを開発モルモットと呼んでいた。

松下幸之助はソニーを松下の東京研究所と呼んで憚らなかった。「もの」に比重のあった時代、いずれも巧妙な戦略だった。


ものづくりは変遷する。ハードは陳腐化しソフトは画一化する。

アップルは工場を持たずに顧客の体験価値にフォーカスした。鴻海は誰もがやりたがらない雑務を引き受け高度化させた。


今はハードをコピーすることは難しくない。実は開発モルモットすら不要になっている。数値シミュレーションで足りるからだ。

ソフトで差をつけることはさらに難しい。ソフトはスイッチングの限界コストがゼロに近い。

ものづくりは人間の根元的欲求なのだが、日本の成功モデルは壊滅した。ものづくりの本質は変遷していて、古いカタチではそれについていけなかったということだ。


スタートアップは新しい「もの」を創り出すことを考えてはいけない。それでは大企業のモルモット以下にしかならないからだ。

そうではなく、新しい社会モデルを開拓し、世代交代を起こさないといけない


アップルがソニーから学び、鴻海がシャープから学んだのは「もの」ではない。

彼らから今のやり方を学び、次につながる新しいものづくりを導き出すのだ。それができるのは、今のプレイヤーではなく、新しいプレイヤーたちなのだ。


起業家が万人受けする事業計画を持ってきたときには訝った方が良い。皆が称賛するプロダクトが世界を変えるわけがない。それは大企業がやればよい。

我々は今の常識では全く理解できないビジネスモデルにこそワクワクすべきなのだ。

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