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Explayerの本棚ーVol.5 犬塚美輪先生ー

「Explayer の本棚」
Explayer =自分のワクワクを探究し続ける者たち。そんなExplayer たちの本棚から、彼らの思考をのぞいてみようというチャレンジです。

第5回は、東京学芸大学准教授の犬塚美輪先生に本棚を見せていただきました。

犬塚先生のご専門は心理学。特に「文章理解のプロセス」と「指導方法の開発」。(詳しくは学芸大のせんせいのーともご覧ください。)  さっそくその分野の本棚から見せていただきます。

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「自分の専門分野の本は結構自宅に持ち帰ってしまったのですよ」とのこと。コロナ対応で自宅勤務の人が多い昨今。学芸大も多くの先生がご自宅にメインの仕事場を移されています。犬塚先生も数ヶ月前に段ボール箱に本を詰めて車でご自宅に運ばれたそうです。

「ここにある本は、学生のためでもあるのです。この分野を学びたい学生に、代表的な文献を紹介したいので。」「3, 4年生がよく来ます。本当は1, 2年生でも興味のある人には気軽に立ち寄ってほしいのですが。」

このページでご紹介している本棚に興味のある人はぜひ犬塚研究室を訪ねてみましょう!

私事ながら私フジムーも学生時代に認知心理学に関係する研究に携わっていたので、この辺の本にはとても興味あります。

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こちらは先生自ら執筆された本。「上手に料理を作るには?」「みんなでやればうまくいく?」など身近な題材から頭の働きを考えるという内容で、目次を読んだだけで面白そうな予感。読んでみます。

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この辺りは、論理学、文章理解、メディア・リテラシーなど。実は論理学も私が一時期ハマった分野なので、個人的興味が。犬塚先生がお気に入りの「クリティカル進化論」(秋月りす)も持ってましたし。

そんな中から一冊。

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みなさんが習った教科書に山月記はありましたか? かなりの人がyesなのではないでしょうか。なぜでしょう?そもそも教科書はどういう意図で教材を選んでいるのでしょう?

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おっ、なんかドキドキしてきました。

他人の文章やメディアの報道を鵜呑みにせず、クリティカルに読み解くことも大事なので、写真には撮りませんでしたが本棚の一角には「こういう本を鵜呑みにしちゃだめ」というトレーニング用の本もありました。最近のフェイクニュース批判やSNSの玉石混交な状況など、ますますこういったスキルが現代人必須のものになってきましたね。

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こちらは教育学ですが、やはり心理学に近いところが選ばれているように思います。その中で目についたのが「自己調整学習」というキーワード。

「自己調整学習は、学ぶ人自身が学びの前と後に計画と振り返りを入れながら、主体的に学びに取り組んでいくことです。」

まさに主体的で深い学びに繋がる大事な概念ですね。

「しかし、このコロナによる状況は、むしろ自己だけでは難しいということも浮き彫りにしました。独りで自宅からオンライン授業に参加するだけではなかなか学びを進めづらい。リアルな教室に行って、自分と同じ立場の学生たちに囲まれていることが背中を押してくれたり、ちょっとしたことを気軽に隣の人に訊けたり、そういうことも大きいのです。自己調整学習はそうやって人に頼るということも含まれるのですが、コロナでやりにくくなってしまいました。オンライン授業でもディスカッションのグループにTA(ティーチングアシスタント。先輩学生)を混ぜると、教師に尋ねづらいことでもTAには言えたり、ということはありますが。」

新型コロナウイルスは、教育について学ぶ学生たちにも大きな課題をもたらしていますね。

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こちらも教育学コーナーより。認知心理学の市川先生が書かれた教育の本。犬塚先生はこれをテキストにして実際に認知カウンセリングを行う授業もされているそうです。この本は絶版ですが著者の市川先生がPDFを公開していらっしゃいます。もうひとつの「うさぎ本」もあります。

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「数学の認知科学」「数覚とは何か」と分厚い本が2冊。他にも数学に関する本がありますね。

「数学が得意な人とそうでない人は、ものの捉え方が違うのです。数学が得意な人は、イメージや意味などが頭の中でパッと整理して関連付けられる。」

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この本はとっつきやすくてオススメだそうです。

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心理学と統計学は密接な関係があります。そういえば vol.1 でお邪魔した小西円先生の本棚にも統計のコーナーがありました。あちらは日本語学のための統計でしたが、両方に共通する本もありますね。おもしろい。

最後に、ちょっと異色のコーナー。

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「一時期国語科教育法の授業を担当していたときに、古典に興味をもって、そのときの本です。大塚ひかりさんの本は面白いですよ。」

認知心理学から広がる世界で、背表紙を見ただけでも読みたくなる本が多い本棚でした。学生のふりして借りに来ようかな。

(フジムー)

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