見出し画像

Explayerの本棚ーVol.6 森尻有貴先生ー

「Explayer の本棚」
Explayer =自分のワクワクを探究し続ける者たち。そんなExplayer たちの本棚から、彼らの思考をのぞいてみようというチャレンジです。

第6回は、東京学芸大学専任講師の森尻有貴先生に本棚を見せていただきました。

森尻先生は学芸大で音楽教育を教えていらっしゃいます。元々のご専門は音楽心理学。英国で学んでこられました。(詳しくは「せんせいのーと」をご覧ください。)

東京学芸大学は教員養成大学なので、学校の先生が教える科目が一通り揃っており、当然音楽もあるわけですが、今回初めて音楽教育の教室や研究室があるエリアにやってきました。

画像1

電子ピアノがずらりと並んでいる教室や、お琴や和太鼓などが収められている部屋、アップライトピアノの個室がずらりと並んでいる練習室、黒板が五線譜になっている作曲講義室など、急に音楽大学にテレポートした気分です。

音楽の先生になることを目指している学生さんはもちろんですが、例えば小学校の先生になると全科目教えられないといけないので、当然音楽教育も履修しなければなりません。ですから、ここには音楽が得意な人もそうでない人も学びに来るそうです。

しかしあいにく今年はコロナのせいでこれらの施設も特別対応。オンライン授業も併用しつつ、密にならないように対面授業を行っているそうです。

さて、音楽教育研究者の本棚ってどんな本が並んでいるのでしょう。楽譜がいっぱいならんでいるのかな。

画像2

第一印象は、「本棚の形が違う!」(笑) これまで拝見してきた本棚と違って、1マスが正方形っぽいというか。なぜ? と思ったら、取材に同行していた おみや(学芸大生)が「大きい本が多いですね。」 なるほど、確かに。B5くらいの大きさの本が並んでいます。

画像3

この辺りが、先生が英国で学んでこられた音楽心理学関係の論文集やジャーナル。音楽心理学と一口に言っても意外と幅広く、ドップラー効果とか絶対音感のようなこともあれば、音楽が感情に与える効果や音楽を楽しむということもあるそうです。私が子どものころに受けた音楽の授業といえば、うまく歌えなかったり演奏できなかったり、いきなり作曲させられて良し悪しもよく分からなかったり、あんまり良い思い出が無かったのですが、こういう関わり方であれば音楽と仲良くできたかもなあ、と思いました。

画像4

この辺りには、海外の音楽の教科書がありました。それよりも左のパンダとエルモの方に目が行ってしまいますが、実は振ると音が出る楽器にもなります。こすればギロで振ればマラカスになるトウモロコシもあります。(笑)

画像5

こちらは英国の音楽の教科書。結構びっしり文字で説明していますね。アンダーラインが書かれているところを見ると、意外と暗記させられる様子。小節は英語でbarというのですね。

画像6

こちらはシンガポール。英語とタミル語が併記されています。タミル語は謎すぎ。

画像7

こちらは日本の音楽教科書です。最近の教科書はどんな中身なのでしょう。

画像8

こちらは小学1年生の教科書。リズムを取る内容が多いようです。楽譜は少しだけ。

画像9

こちらは高校生用。最近はコンピュータ活用のページまであるのですね。楽器の説明ページなどを見ていたら、昔買っていたディアゴスティーニのクラシック音楽シリーズの冊子を思い出しました。

あ、そういえばこの棚の一番端に気になる本が。

画像11

小学校の先生を目指しているなど、音楽が専門でない学生に音楽教育の話をするときに使っているそうです。ジャイアンが表紙で「歌がじょうずになる」というのは信憑性が。。

画像10

ここは日本語で書かれた音楽や教育に関する本たち。個人的には「音楽脳入門」とか読んでみたいです。

画像12

こちらには「世界音楽大事典」。やはり音楽にも百科事典があるのですね。

画像13

楽譜もありました。音楽が専門でない学生のための弾きやすい曲を多く用意していらっしゃいました。

画像14

変わった楽譜としては、こちらはハンドベルの楽譜です。各自担当するベルの音のところに印を付けて使うそうです。

画像15

こちらはいわゆる「オケ譜」オーケストラの楽譜です。左端にFl.(フルート)、Ob.(オーボエ)、Cl.(クラリネット)、...というように楽器の名前が書かれており、それらが担当する演奏が同時進行していくように1ページに書かれています。これは結構頻繁にめくっていくのが大変そうですね。

画像16

こちらは1冊ずつ箱に入っていて、大きさもバラバラな不思議な本たち。オックスフォード大学・ボードリアン図書館所蔵の児童文学「オーピー・コレクション」を日本の出版社が復刻した「マザー・グースの世界」。

画像17

それぞれの箱の中は個性的な本たち。挿絵がとても目を引きます。森尻先生はこういう絵本なども音楽教育に使って「ここ絵から曲を作ってみよう」といったこともされているそうです。

画像18

楽譜の書かれている本もありましたよ。

こういう絵本もありました。

画像19

きかんしゃトーマスの英国本国版。子どものころ日本語版を全部読んでいた私には懐かしさがこみ上げてきます。森尻先生は学芸大の何人かの先生と共同できかんしゃトーマスの教育的な効果を検証したレポートを出されたのです。こちらのインタビューが面白いですよ。本棚 vol.2 でお邪魔した南浦先生も参加されています。

スヌーピーがお好きで随所にスヌーピーが顔を出している森尻先生のお部屋は、いろいろな音楽が聞こえてきそうな楽しい本がたくさんありました。実際に近くの教室からも学生さんが弾くピアノの音が聞こえてきたりして、心の豊かさや学芸大の幅の広さを感じた本棚でした。

画像20

(フジムー)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?