見出し画像

聴覚障害児教育の研究者とExplay!

研究者とは、世界をマニアックに探求するExplayerである。と、考えて、いろいろとマニアックな話を聞いてまわり、Explayするタネを見つけよう!というインタビューシリーズです。

お話を聞いた人

濵田 豊彦 先生
東京学芸大学 教育学部 特別支援科学講座 教授
https://researchmap.jp/read0060236/

マニアックな話を聞いてみた

しりとり遊びは、4歳くらいからできる。「さかな」と言われて、魚の絵を指す、これは2歳くらいからできる。「さかな」の「さ」と、「さる」の「さ」が同じ音だと結びつけられるのが4歳くらいから。その4歳までに脳に音を入れてあげるのが大事。

静かなところで、1メートル離れて、普通に会話できるくらいの音量が、60デシベル。60デシベルが聞こえないと言語が育たない(補聴器による聴覚機能拡張で担保できれば大丈夫)と言われている。

多言語学習と同じこと。言語の階層:音韻→語彙→文法→談話(と階層が上がる)。よって、大人になってから外国語を習得すると、高い階層は習得できるが、深いところにある音韻が習得できないため、読み書きはネイティブ並みでも、発話すると異国の人とわかったりする。

聞こえの限界を超えるために、手話、読話(読唇)、筆談など様々なコミュニケーションを使う。世界には、6,000〜7,000の言語があるが、文字を持つ言語は700程度と言われている。手話は異なる言語であり、手話をそのまま書き記す方法はない。日本語の「文字」に翻訳して書き記す必要がある。

明治11年くらいに京都に聾学校ができたとき、手話ができてきた。ニカラグアでは、20世紀末に戦争が終わってから手話をつくりはじめたので、世界中から言語学者が集まってきて研究した。聾者の学校で、最初に交わされていた手話は、ブロークンなものだった。それが、新入生が入ってきて、世代が重なるうちに、自然に文法がつくられ洗練され、体系が生まれた。人は文法的に話すための脳の仕組みを先天的にもっているらしい。

手話はハンドサイン。手話を操る人は、「サイナー」と呼ばれるとのこと。こどものときからの聾者はネイティブサイナーであり、ハンドサイン独自の文法を持っている。

Explaygroundでやってみたいこと

1)聾者と非聾者のコミュニケーション(オリンピックやExplaygroundなど、限定環境だとやりやすい)
2)異文化体験としての聾者とのコラボレーション、各種研修やワークショップ
3)聾者が楽しめる音楽イベント。実際に聾者の多くが、ディスコで踊っていたらしい。聾者のダンサーは、光を使っている。振動と光の参加型の音楽イベント
4)指向性スピーカー(高周波の音で拡散しない長距離スピーカー)をつかった空間でのあそびの開発
5)聴覚障害者にとって住みやすい住環境、グループホームの構造などの研究。

上記を最初のタネとして、スタートアップフィールドにて企画を始めたいと思っています!

(ケンケン)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?