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200機のドローンを3Dプリンターで作ってわかったこと-vol4-実際に3Dプリントで生産しての所感と可能性

さて、いよいよ4部作最終回となってまいりました。
最終章では、本シリーズを通して紹介行ってまいりました、ドローンフレームの開発・生産を通し実際の書簡と可能性についてを書いていければと思います。

今回も最初に要点を下記の通り抜き出しておきました。

・3Dプリンターを使ってもモノが安くなるわけではない。
・輸送・在庫のインフラから離れることができる。
・細かなニーズにより対応できるようになる。
・小規模経済圏から新たなプロダクト・職種が生まれる。
・リデザインをユーザー自身が取り組むことができるかも。

この内容をそれぞれ下記に書いていきます。


3Dプリンターを使ってもモノが安くなるわけではない。
輸送・在庫のインフラから離れることができる。

今まで、3Dプリンターは製品を作るためのモックアップ装置みたいな感じであまり製品そのものにダイレクトに結びつけることができなかった風潮がありました。
しかしながら、大量生産の規模でのプロダクト開発はある程度落ち着きを見せはじめ、いよいよ100個数規模からでの生産に止まるようなケースも増えてきたのではないかと思います。

特に3Dプリンティングで現在主流なのは、樹脂いわゆるプラスチックを材料として使用することがかなり一般的と言えます。
今までのプラスチック製品は、金型を始め様々な製造方法で製品へと成形していましたがその手法のほとんどは何百何万個数からのロットに対応しているもので、大量生産が故に少量生産というのは基本的に話を持っていっても眉を潜められるケースがかず多くありました。

そういった中、超大量には量産できないが、ある程度の数は再現性を担保して生産することができるという可能性がこのプロジェクトを始める前にうっすらあった可能性をこうして検証できたということが非常に意義深いことだと思います。

生産数だけでなく3Dプリンターの特性として特定の型を持たずしてデータのみで形状を複写し生産できることで、型に依存することなく生産することができることから、今後は生産箇所はその製品が必要となっている場所での生産ができる可能性がある。

これは型在庫・輸送というインフラを介さずに部品をデリバリーすることができるため、それぞれのインフラ費を抑えた生産が可能になる。
ただしこれは、決してものが安くなるという方向性ではなく、そういった制約を廃することで、よりニーズに特化したプロダクトにデザインを注力しデリバリーすることで品質・満足度を向上させるという方向性に向かうものになると考えられます。

細かなニーズにより対応できるようになる。
小規模経済圏から新たなプロダクト・職種が生まれる。


数の部分における可能性としては、大量でなくて、だからといって極端に少量だというわけでもない数に対応できるこの方法の方向性は、従来のプロダクト開発手法として潜在的な大規模マーケットに対してアプローチを働く発想とは別軸の方向性としてプロダクトのニッチ性を最大限活かし、数を多く売りスケールさせることから、超熱狂的なファン層へリーチすることで、小規模コミュニティーが形成され独自の経済圏が発展させる方向性が発現できるものではないかと思いました。
その独自経済圏においてはプロダクトデリバリー側とユーザー間での距離が非常に近いため、更なるエクストリームニーズの追求を可能とする。
このエクストリームニーズを追求した先には、きっと今までは考えられなかったような遊びやプロダクト、引いては新たな業種が誕生するような可能性を秘めているのではないかと今回のドローン生産を通して見出すことができました。
そしてその規模が小規模であることから、スタートを小さく、なおかつ圧倒的なスピード感を持ってして発達させられる構造になることも明確な面白さがあるかと思います。

リデザインをユーザー自身が取り組むことができるかも。

最後に樹脂をしようしていることのメリットして、リサイクル性が非常に高いということを利用して、リデザインをユーザーが自分ごととして取り組むことができるという方向性が考えられます。
これは現在個人的にも検証を進めているのですが、プラスチックは種類や条件によりますが、何度か再生して使用できることは周知の事実であることと思います。
現在のリサイクルラインは、例えばペットボトル(PET)から繊維を作り服を作ることなど別物として昇華させるものが多く、自分の手から離れた物がまた自分の手元に戻ることはなくなってしまいます。
このリデザインを自分ごと化させるということは、同一プロダクトにおいて例えば成長に伴う身体変化やライフステージの変化において形状による機能が適合できなくなってしまう際に、モノの本質を考え、今の生活に寄り添う形を想像(設計)するという状態のことです。
そうすることにより世の中には、見たこともないようなクールなもの・ヘンテコなもの・人の価値観に影響を与えてしまうようなものなどが次々と発現する土壌ができるのではないかと考えています。


改めて整理すると

・3Dプリンターを使うからといってモノが安くなるわけではない。
・輸送・在庫のインフラから離れることができる。
・細かなニーズにより対応できるようになる。
・小規模経済圏から新たなプロダクト・職種が生まれる。
・リデザインをユーザーが自分ごととして取り組むことができる。

上記5点がこれから3Dプリントを使用し生産するということの方向性として私自身感じました。
そして、上記これらの可能性をさらに深掘りプロダクトを世に送り出すための活動をしております。

もしこのような可能性にピンときたり、3Dプリンターで生産をしてみたりとことに興味があればぜひお話しさせていただければとおもいます。
そして、世の中にまだ見たこともないようなプロダクトを一緒に開発できれば嬉しいです。

それではvol4まで長々と書いてしまいましたが、最後までお読みいただきましてありがとうございました。
楽しく設計ができる世の中になることを願って、皆様と引き続きご一緒させてください。