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XD編集部が気になったCX関連のニュースや記事のまとめ #32 (2022/4/8)

XD(クロスディー)編集部の柏原(@tkashiwabara09)です。

今週は動画配信プラットフォーム「シラス」、青森県八戸市の市営書店「八戸ブックセンター」の記事を公開しています。

シラスも八戸ブックセンターも、メインストリームではない「オルタナティブな場所の確保」という意味で共通していると私は思っています。今では動画配信するなら普通はYouTubeだし、少なくなっているとはいえ街には民間の書店がある。なのに彼らは、それぞれの問題意識から独自の取り組みを行っています。通底するのは、マジョリティのみでは顕現しにくい価値を大事する姿勢。

シラス開設に寄せた東浩紀さんの言葉を引きます。

いまのネットは、みなが自分の一部を切り売りして閲覧数を稼ぐしかなくなっています。だからみな同じ言葉しか発せられなくなっています。

https://shirasu.io/

一方で、八戸ブックセンターの熊澤さんは記事で以下のように言います。

熊澤氏「地方の書店では、ベストセラーなどの売れ筋商品を置くのがメインになっています。売れ筋商品の中には健康法や歴史など内容に不確かなものもあって、モヤモヤしながら販売した経験もあります。でも、ベストセラー以外にも良い本ってたくさんあるんですよね。ここではそういう本を自信を持っておすすめできるんです」

https://exp-d.com/interview/12054/

「閲覧数」と「売れ筋」。利益拡大に直結する一元的な指標の追求が、その指標自体への懐疑さえも消し去り、他の選択肢を狭めてしまっていることへの違和。「閲覧数しか大事じゃない」「売れるかどうかしか大事じゃない」という力学が変わらないのであれば、その場から生まれるのはすべて同じものになってしまう。シラスも八戸ブックセンターもこのような事態に問題意識を持つからこそ、メインストリームとは原理の異なるオルタナティブな場所を自らつくろうとしているのだとおもいます。

しかも、シラスは開設約1年半でビジネスとしても成功しているし、八戸ブックセンターは開業5年で市内外の方々に愛され、地域のハブとしても機能している。オルタナティブな場所の確保が、持続可能なかたちでなされていることに改めて尊敬の念を覚えます。同時に、勇気をもらいます。あわせて読んでいただけると嬉しいです。

今週の更新記事

今週のXD編集部が気になったニュース

今週の気になったニュースをお届けします。

・「売るためじゃない」地方のカーディーラーが書店を開いて気づいた本の威力
カーディーラーと本、珍しい組み合わせですが「良いお客様に来てもらうため」と目的が明確。

・「社長のおごり自販機」が想定外の飲用シーンを創出 縮小する自販機市場にあらがうサントリー 法人向けサービス拡張
2人分の社員証をタッチすると、無料でドリンクが飲めるという。好調なようです。

・「埼スタトイレ向上プロジェクト2022」第1弾 新生トイレ完成!
サポーターの声を反映して改修しているようです。写真を見たらとてもきれい。

・全国15棟のドーミーインで、「ホテルに暮らす」サブスク提供 狙いは?
ドーミーインの進撃が止まらない。御宿 野乃もいいんだよなあ。

・40日間の密着取材後に気づいた…元NHK「プロフェッショナル」のディレクターが見落としていたこと
「素人が圧倒的なマジョリティであること」を忘れない。

・マンションで各戸の玄関に置き配 三井不動産、順次導入
素晴らしいのですが、編集部内では「もう少し手軽にしておかないと普及進まないかも」という見解もありました。

・東京駅にラーメン自販機、90秒で出来たて…味は4種類・1食790円米国発の「Yo-Kai Express」食べてみたい

・緑茶リニューアル対決 シェアトップの伊藤園が、"定番"でも変化し続ける理由
味を変えるのは知っていましたが、まさか毎年という頻度で変えてるとは思わなかった

・ピクサーの“ルール”を破った『私ときどきレッサーパンダ』が切り拓いた新境地
「つくり手の個人的な経験に焦点を当てるのが、最近のピクサーのトレンドになっている」。「最も個人的なことが、最もクリエイティブなことだ」というポン・ジュノのスピーチが想起されました。

・未来はジャンル別には訪れない:Takram渡邉康太郎×松島倫明 ビブリオトーク・レポート
首がもげる

ある事象と出合った際に、直感的に「面白い」や「つまらない」を判断することについても、渡邉は別の角度から問いを投げかける。「すぐに面白いと思えることは、自分がすでにもっている分類法という合理的な箱に、ただ考えを押し込んでいるだけかもしれない。意味がわからない、つまらないと思うくらいのものにこそ、自分の未来は開かれていると思うほうがいい」と言う。

・高島屋も新宿店で売らない店参入 Z世代開拓の切り札「ギフト」
ショールーミング→越境EC→海外現地販売を見据えての在庫がない店舗の取り組み。

・売れない生ごみ処理機の逆転物語 蔦屋家電+に展示で売り上げ5倍
売れてなかったが蔦屋家電+で展示して売れるようになったと。社会的課題などを伝えるターゲットとしていいんだろうなぁ、特定の人が集まる場としてのメディア。

・DRAFT・山下泰樹がデザインを手がけた下北沢を体現する新エリア「ミカン下北」
気になりますね。

・シャトレーゼ、佐藤可士和氏デザインの新ロゴマーク
なるほど

全国に出店する菓子専門店シャトレーゼのほか、ワイナリーやホテル、ゴルフ場など傘下のグループ企業で順次採り入れ、拡大するグループの統一感を高める。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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