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夢見る力...ガンバレ後継者


毎年恒例のM&A国際会議でシンガポールに行ってきました。
(※2015年3月の記事のリニューアルです)
シンガポールの歴史自体が非常に興味深く、沢山のことを教えられ考えさせられました。
政治も経営も、優れた一人のリーダーにより創られるのですね!
旅行中に国を創ったリー・クアンユー氏が亡くなられ余計に記憶に刻まれました。(リーダーシップについては改めてまとめてみたいと思います)

会議が終わり、参加者はベトナム、スリランカ、ミャンマーの観光に分かれ、私はスリランカにある6つの世界遺産のうち4つを見学してきました。

酷暑のスリランカ観光はバテバテでした。
カンボジア、ネパール、バングラディシュを訪問し東南アジアに慣れている私はなんともありませんでしたが、東南アジアがほとんど始めての家内は、暑さと、発展途上国独特の喧騒や匂いや味にやられて、「もう日本に帰りたい」と半泣きでした(笑)

◯ 切り拓く力...

スリランカ最後の夜...
東京、川崎の大規模事務所のO先生、T先生、それに一部上場企業のM社長と四人でしこたま飲みました。
60代と70代の三人が揃い(私だけ50代)話題は自然に事業承継に。

「実務能力は高いんだけどな~...とんでもない発想とか、斬新な挑戦とかする力がないんだよな~」
「そうなんだよね。目の前の仕事はものすごくキチンとこなすんだけど、大きな冒険はしないよね」
「そうそう真面目で堅実すぎるんだよね。壁をブチ破るような情熱が無いんだよね~」

私とM社長は創業者。
T先生とO先生は三代目と四代目ではありますが自分の代で大きく組織を伸ばされた第二創業者のような方です。
偶然、全員がアグレッシブでとんでもなく前向きな方ばかりが集まったので、やはり思うのは皆同じ「切り拓く力」の不足なんでしょうね~。

私が「なんて言うのかな?夢見る力が弱いのかな」と言ったら、皆が「そうそう!」と口をそろえて納得。
つまり「ゼロから1を作り出すのと、10を継いで11に増やすこと」
その違いなのかもしれません。

◯ 創業者と後継者の違い

元々ゼロからスタートした創業者には「前に進む」しかありません。
後ろを振り返る余裕もなく、失うものは何も無いので「恐れ」がありません...守るものなんて何にもなかったからです。

でも、後継者は「守る」ことからスタートします。

足腰を鍛え、肝が据わる前に、まずは「守り」です。
夢見てる暇があるなら目の前の仕事の山を片付けなければなりません。
たしかに、うちの後継者達も同様かもしれません(汗)

ハッタリ効かせても何が何でも仕事を取ろう!
なんて悪ガキパワーはありません。
まずはブチ壊してワクワクドキドキすることから始めよう!
なんてバカなこともしません。
ダメでもダメ元、もう一度ゼロからやればイイや!
なんて無責任なことはしません。

今ある仕事をキッチリこなす、ミスを出さず、信頼を保ち、ルールを守る。
  なんか息苦しくないのかな?
  なんか辛くないのかな?
  ワクワクドキドキするのかな?...
と勝手に心配するのは創業者の余計なお世話なんでしょうね~。

◯ 夢見る力

これは創業者と後継者のなかなか理解しあえない絶対的な価値観の違いのような気がします。
その場の皆が「あ~ぁ後継者じゃなくて良かった。絶対に後継者は務まらん」と思ったことは確かです。

そう創業者と後継者はそれぞれの立場と役割と価値観がありますから...

ただ、経営者には、
  ①視野の広さ(視点を変える自由さ)
  ②目的意識(ブレない軸)
  ③バカ力(熱い情熱)
が必ず必要ですから、目の前の実務をこなす「能力」だけでなく、もっと自分の中から湧き上がってくる「夢見る力」を大切にして欲しいな~
だって、大きな責任と夢に釣り合うものは、大きな夢以外にないでしょ!

そんなことを思った...スリランカの夜でした。

後継者の皆さん。ガンバレ~~(笑)

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