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経営幹部育成...組織づくりのキモ!

先月、経営コンサルタントの戸敷進一先生が博多で主催されている「みらい塾」第二講で講義をさせていただきました。

戸敷先生の言葉をお借りすると「血縁関係にある後継者とは別に、親族外から将来の役員をどのように育てるのか?はここ数年の私がもっとも気にかけてきたことです。異業種や年代を超えた人たちとの討議を通して組織の屋台骨を労を惜しまず自分の役割として担う人材を半年かけて基礎からきちんと育成します」というのが塾の主旨です。

確かに親族経営が主流の中小企業で経営者の片腕となる親族外の役員を育てるのは至難の業です。
中小企業が零細から抜け出せない一つの要因かもしれません。

それに気づき、半年間前後泊全六回、遠方からの交通費を含めると150万円を超える教育費を負担して幹部候補を送り込んでくる経営者の意識の高さには頭が下がります。

◯ 経営幹部の役割

戸敷先生は「経営幹部とは経営者の隣で経営者の片腕として経営トップを支える人であり会社を背負う人である」と定義づけていらっしゃいますが、私も経営幹部とは「実質的に経営実務を担う人」であると理解しています。

経営実務を担うという言葉をもう一歩突き詰めて経営トップとの相違点を明確にすると...
『経営トップは決断をする人。経営幹部は判断をする人』
ではないかと思います。

決断とは「意志を明確にすること」です。
自社の経営理念(ミッションやビジョン)に基づいて会社の方向性や重要な戦略について会社としての意志を明確にすることです。

これに対して判断とは、経営トップの示した意志・方向性に基づいて具体的な戦術を決定し実行するための判断・選択をすることを指します。

そのためには会社の判断基準の根っ子である経営理念を深く理解している必要があります。

経営幹部とは...
「自社の経営理念を誰よりも深く理解し愛し守るために戦える人」であり
「経営理念に基づいて日々の経営実務判断を担う人」であり
さらに...
「経営トップが経営理念から外れた場合にはトップに対してモノ申せる人」であると思います。

◯ 経営幹部の資質 

 具体的に経営幹部経営幹部の資質に求められる資質としては次の二つがあると思います。

(1)トップの分身となれる

経営トップが乗り移ったかのように分身として社内外での対応ができる人

例えば、対外的な難しい対応に経営トップが立ったとすればどんな問題にもその場で答えを出さなければならなくなります。
そんな場面で経営トップの代わりに矢面に立ちトップの意志を正確に伝えながらも、トップが矢面に立つ最終場面までの時間を担保できる非常に優秀な幹部にお会いしたことがあります。

(2)トップを補完できる

経営トップの苦手な部分を補完し経営者を支えることのできる人

「非常に厳格なトップと社員の間に立ちトップの意志を分かりやすくかみ砕き優しく諭すように伝えて社員をまとめ上げて来た優秀なナンバー2」
「理念力は非常に強く思想家タイプのトップを支えて実質的に組織づくりを先導してきたナンバー2」
「トップ営業で突っ走る精力的なトップの下で組織づくりや社員教育を一手に担当してりっぱな組織を創り上げたナンバー2」

そんな優秀な幹部にもお会いしたことがあります。

そう考えると、経営幹部の育成がどれだけ重要で会社の未来を左右するかに気づかされます。
組織を組織として確立するためには、ある意味で自分の右腕左腕を育てることが本物の経営者として認められる条件なのではないでしょうか?

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