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「夢」を持つ力!...真の教養とは

皆様のご協力とご支援のお陰で無事創業30周年記念のイベントを終えました(2019年9月)。
もっとたくさんのお客様にお越しいただきたかったのですが講演用の250席もほぼ満席になり、横浜周辺ではパーティーと同時にこれ以上講演用の席が用意できるホテルが見つかりませんでした。
申し訳ありませんでした。

◯ 夢が描ける基盤

30周年式典に合わせて、10年前から支援しているカンボジアの孤児院の子供たち3人と通訳の女子大生を日本に招待する企画も同時に進み、式典のお土産もカンボジアの農場で作ったレモングラスの製品を取り寄せました。初めての大量注文に農場で働く孤児院出身の皆も張り切ったと思います。

10年前に初めて孤児院を訪問した時に、壁に貼られた子供たちの「将来の夢」を見てちょっと違和感を覚えました。
70人ほどいる子供たちの夢がほぼ「医者」と「先生」だけだったからです。

あとで教えていただいたその理由は、カンボジアの田舎で農業の手伝いをして僅かな収入を得る小作の家の子供にとって、見たことのある農業以外の職業は医者か学校の先生しかないからとのことでした。

その後、遠足で初めて訪れた海を見た後はほぼ全員の夢が「船員」と変わったと聞きました。

その時に「夢は自分の知っている世界の中でしか描けない」ことを知りました。これは情報化社会の中で生きている自分にとって衝撃でした。

◯ 未来への懸け橋

それから毎年孤児院を訪れる度に、子供たちが感覚で捉えられるようにと、世界中の街や自然や人々の写った写真集をお土産にしました。
そして、最初に出会ったときに10才で小学校二年生(貧困で小学校に通えず2年遅れで入学した)だった里子のタン・セラーに「いつか日本に行ってみたい」と言われたときに「いつか必ず日本を見せてやろう」と決めました。

そのタン・セラーが高三、20歳になり今年高校を卒業し孤児院を旅立ちます。成績優秀ならば奨学金を得て大学に進学することも可能ですが、奨学金の基準に達しなければ自分で職を見つけて働きながら生きて行かなければなりません。
そんな節目の年に、タン・セラーと、後に里子になったパン・パフェット(高三、20才)、ソン・チャンホーン(小四、10才)の三人を日本に招待することができました。

10才のソン・チャンホーンのビザの発給が難しく、たくさんの関係者の皆様の協力を得ました。その村から出ずに一生を終える人たちの多い中で10歳の孤児の女の子が外国に行くことはなかなか理解がされず、人身売買ではないかとの疑いも受けたと聞きます。
それがカンボジアの現実の姿なのです。

子供たちは、初めて乗る飛行機、初めて乗る電車、初めて乗る遊覧船、初めて乗る絶叫マシン(笑)。初めて見る大都会東京、初めて見るスカイツリーからの景色・・・何もかもが初めての日本で、何を感じて何を得てくれたのか?彼らの未来へのどんな懸け橋になったのか?

◯ 真の教養とは

たまたま日本に生まれた私たちは、テレビもあれば本も溢れていて、スマホで世界中の情報さえ得られる高度情報化の中に生きています。
なのに夢を持てない子供たちや大人たちで溢れています。
テレビやスマホの画面に映し出される世界を、単なる映画の一シーンのように観るだけで、自分のこととして受け止めて行動に結びつける力を失いつつあります。
ある意味で高度情報化社会の闇であり病ではないかと思います。

二十歳の頃の日記に書き残した「教養とは、自分の目の前にないコトを自分ことと捉えて思考し行動できる力を意味する。単なる知識を持っていることではない。俺は教養を身につけて、目の前にはない痛みや苦しみを自分のこととして思考し行動できる人になりたい」という言葉をもう一度思い出して、自分に何ができるのか?自分は何をすべきなのか?を問い直しながら生きて行きたいと思います。感謝。

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