見出し画像

AI時代の人材育成...人に問われる力とは

大雨警報が出るお盆の最中...長野の自宅から横浜に帰るルートを検索すると外環道の通行止めを把握して東京廻りのルートを表示したうえで到着予測時刻を12時18分とカーナビが表示しました。
そのルートの通り走るとほぼ予定通りの12時10分に横浜に到着。

カーナビは運転者の走行データ、渋滞情報、渋滞回避率、運転速度等々を人工知能(AI)が分析して、その人毎の分析結果を表示すると聞いていますが、その正確さにはびっくりします。

◯ AIが苦手なこと

このAIの急速な開発と能力拡大を見ていると、「税理士業務の93%は将来AIにとって代わられる」という研究機関の指摘にも残念ながら頷かざる負えない気持ちになります。

ただ、AIも万能ではないはずです・・・
AIの苦手なことは何なのか?と考えてみました。

専門外で浅学な私の見解ですから間違っているかもしれませんが...
AIは「確率」や「統計」を駆使して大量のデータから結果を予測するソフトウェアです。
ですから、データが集積されるほど確率は高まりますが、その行動の元になる意味や意義を理解することは難しいまではないかと思います。

ある研究によると「AIは文章を読んでもその意味を理解することはできない」そうです。
例えば倫理や理念などの抽象化された課題は、その教科書をすべて記憶していたとしても「価値観」や「暗黙の了解事項」が理解できず的外れな回答しかできないということです。

〇 私たち人間に問われること

だとすると、私たち人間の優位性であり同時にこれからの社会で問われる力とは、教科書や書籍や体験の中の一つ一つの事実だけでなく、その事実の根底に込められた意味や共通の価値観や不変の理念という目に見えないものを読み取る力なのではないでしょうか。

また、「これからの人間の伸びしろを決めるのは、意欲や根気、協調性、想像力、コミュニケーション能力などの非認知能力(学力テストでは測れない能力)である」との研究結果が出ています
                                 (国立情報学研究所新井紀子教授)

そのためには子供の頃からの「体験」が大切とのことです。
文章を読んでいるときの想像力は過去のリアルな体験が生み出します。
雨の冷たさや風の重さ、照り付ける太陽の痛さや森を吹く風の清冽さ...
それはバーチャル・デジタルな体験ではなくリアルな体験でしか得られない創造力の源なのです。

〇 AI時代の人材育成

税理士業に止まらずAIはどの分野にも確実に浸透して来ます。
「AIにできない仕事に就こう」とするのに、もう職種や業界の選択は無意味です。

物事を暗記したり覚えることではAIには敵いません。
AIの得意なことはAIを使いこなせばよいことです。
私たち人間にはAIのできないこと、つまり、言語化されない直観力や創造力が問われる時代になりそうです。

テストで測れるような知識ではなく子供の頃から意欲や根気、協調性、コミュニケーション能力などの基本的な人間力を身に付ける...
学生時代には読解力、想像力、直観力などを育てるためにリアルな実体験や小さな冒険の場に身を置く努力を自らする...

そして、社会人として身に付けるべきことは
一つ一つの事実や事情や手法を統合してその中から原理原則や共通理念を導き出せる「抽象化力」と、
手法や戦術ではなく夢や目的や使命から逆算して物事を組み立てることのできる価値観...つまり「理念力」なのだと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?