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捨て去る時代...成長=捨てる?

コロナ禍やそれに伴う社会や生活環境の激変は...
私たちを取り巻く経営環境の変化を一段と加速させています。
私たちは今まさに時代の節目、環境激変の真っただ中を生きています。

経営者としてこの環境激変に対応して自己革新していくためには...
何を捨て、何を守るのか?

『社長の決定で最も難しいのは“捨て去る”という決定である』                ...社長の教祖と言われた 一倉定

何かを手に入れることよりも、何かを捨て去ることが何十倍も難しいということは、経営者として経験を積めば積むほど鋭く心に突き刺さってくる重たい言葉です。

◯ 成長=捨て去ること

経営者として振り返ってみると、手に入れたものと同じ数だけのものを捨てて来たことに気づきます。手に入れたものを捨てるたびに、次のステージに進み、成長して来たのだと思います。

そして、捨て去ったものの大きさが今の自分自身の大きさとイコールなんだと思います。

極端な言い方をすると、捨てられるものの大きさが経営者の大きさに通ずるのかもしれません。
まさに「成長」とはある意味で「捨て去ること」だと気がつきます。

お客様に頂いた小さな湯呑ほどの植木鉢で育った盆栽の紅葉の元気がなくなり庭に植え替えたら、1年で十倍の大きさに伸びました。
捨て去るということは、能動的に自分のステージを変える事なのかもしれません。

◯ 捨て去る覚悟

だから...
今の自分を支えている一番大きなものを捨て去らなければならないのです。
どうでも良いものを捨てるのは簡単です。

しかし、大抵の場合、捨て去るべきものは自分にとって一番大きく大切に思えるもの(主要な取引先、一番売れている商品、今を支える仕組みや組織、一番頼りにしてきた部下、思い入れのある商品、先代から引継いだ業態、等々)なのです。 その覚悟ができるか否かが、その会社の未来を決めるのです。

経営とは「環境適応業」であると言われます。
経営環境・事業環境が激変していく中では、昨日手に入れた価値は、今日はもう陳腐化し始めているのです。
手に入れたものを守るのではなく、捨てながら常に新しい価値と入れ替て前に進まなければならないのです。

◯ 守るべきもの

経営者にとって最も必要な資質は「バランス」感覚であると言われます。

お客様、社員、取引関係先、地域社会、地球上の人々、これから生まれてくる子供達...そのすべてに責任を持ち、これらの関係者の幸せが最大限になるようバランスを取る必要があります。

捨て去るには、社内外の抵抗もあれば、社員の思いや気持ちへの配慮も必要です。これらのバランスを取りながら、前に進まなければなりません。

だからこそ...
両手に抱えたものを捨て去るためには、本当に守るべきものが何かを知る必要があります
生涯を懸けて守るたった一つの大切なものが分かれば他のものは躊躇せずに捨てられるのです。
本当に守るべきものが何であり、そのために捨て去るべきものが何であるかを明確に社員に示すことができるのです。
それが、会社のミッション、経営理念であり、自分の人生の使命感、価値観なのだと思います。

◯ 粉々にぶち壊せ

そして、“捨て去る”ことが必要だと決断したら、まず「現状をぶち壊す」ことから始めなければなりません。

粉々にぶち壊せば...未練も、後悔も、寂しさも、一緒に粉々にして吹き飛ばすことができます。そして、新しい物を築き上げる覚悟と余裕ができるのです(笑)

もし、今、「両手一杯に抱えたものが多すぎて、身動きが取れない」と感じているならば、新しい未来を創るために、まずは“捨て去る”ことが必要ではないか考えてみてはいかがでしょうか?
抱えているものは本当に大切なものですか?
抱えているものが邪魔して本当にすべきことができなくなっていませんか?目の前の売上や収入だけに目を奪われて未来が見えなくなっていませんか?

「何を守るかを明確にし、何を捨て去るかを決断する」...
それが、経営なのです。


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